旅レポ

リニューアルオープンしたホテル「プリンス ワイキキ」とハワイのアートを楽しむ(その1)

アート作品に癒される2泊4日の旅

4月1日にリニューアルオープンした「プリンス ワイキキ」

 常夏のリゾート地として絶大な人気を誇るハワイ。そのハワイ オアフ島にあるホテル「Prince Waikiki(プリンス ワイキキ)」が4月1日にリニューアルオープン(現地時間)したのはすでに本誌でも紹介しているとおり。今回、6月30日から7月3日にかけて行なわれたプレスツアーでは、完成したチャペルも公開されたので、その模様も含めて施設の詳細をお伝えしよう。

 今回紹介するホテル、プリンス ワイキキは、1990年に「HAWAII PRINCE HOTEL WAIKIKI(ハワイ プリンスホテル ワイキキ)」としてオープンし、ワイキキビーチの入り口、アラモアナビーチパークに近く、全室オーシャンビューのホテルとして多くの利用客を集めていた。アラモアナショッピングセンターや再開発が進められているカカアコ地区に近い立地を活かし、さらなるシェアを拡大するために施設や客室を全面リニューアル。それに伴い名称も変更し、新しいリゾートホテルの姿を提案していくことになったものだ。

ホテルはツインタワー構造になっており、左側がアラモアナタワー、右側がダイヤモンドヘッドタワー。客室数は563室
プリンスワイキキの位置

ロビーでは魚の群れを表現した大型アートがお出迎え

 ホテルの顔ともいえるロビーは、通常のチェックイン機能に加わえ、アート作品を多く展示することで、くつろぎの空間を演出しているのが大きな特徴になっている。今回のリニューアルのコンセプトには、パワースポットをイメージすることで、癒しの空間を作り上げるというのがある。

 プリンス ワイキキが建設された場所は“ムリワイ”と呼ばれた河口であり、ヒナナ(魚)、ナイオ(花)、リムエレエレ(海藻)で満ちあふれた自然豊かな場所であったことから、それらをテーマにすることで現代のオアシスとしてよみがえらせている。床は流れ込んでいたピイナイオ川をイメージしたデザインになっており、天井には生息していたヒナナフィッシュを表現した銅板で作られたアート作品「フラリ・イ・カ・ラ」が飾られている。

 この銅板アートは、ハワイ出身の芸術家であるカイリ・チュン氏がデザインしたもので、850個にも及ぶ、スケールの大きな作品に仕上がっている。銅板の一つ一つはホテルスタッフやその家族が利用客の再訪を願いながら丹精込めて作り上げたもので、製作者にはカイリ・チュン氏のサインが入った製作証明書も渡されている。群れのなかには8個だけシルバーの作品が混ざっており、それはオーナーや総支配人、創業時からのゆかりある利用客の手によるものだとのこと。もし訪れる機会があったらぜひとも探してみてもらいたい。

 そのようなアート作品に囲まれ居心地のよいこちらのロビーだが、宿泊客でなくても利用できる。いたるところにソファやイス、テーブルなどが置かれており、併設されているホノルル・コーヒー・カンパニーのショップでコーヒーを購入して、優雅なカフェタイムを楽しむこともできる。

天井が高く、開放感あふれるロビー。きめ細かなサービスに応えてくれるコンシェルジュも常駐している
ハワイ語で“キラキラ光る”という意味の「フラリ・イ・カ・ラ」。850個の銅板が川を泳ぐ魚群を表現しているもので、ホテルのロゴマークにも使用されている。テーマになっているヒナナはハワイアンゴビー(ハワイ語で「オオプ」)の稚魚で、幸運を呼び込む魚といわれている
見る角度によって光り方が変化するフラリ・イ・カ・ラ。夕陽が射す時間がお勧めとのこと。作品は銅板を叩いて製作されたもので、製作者には証明書が渡されている
ロビーにはホノルル・コーヒーがあるので、コナ・コーヒーを飲みながら優雅な時間を楽しめる

ヨットハーバーを眺めながら食事できるメインダイニング

 ロビーから3階に上がると、メインダイニングである「100 Sails Restaurant & Bar(ワンハンドレッドセイルズ レストラン&バー)」がある。その名のとおり、眼前に広がるヨットハーバーを見ながらゆっくりと食事ができる素敵なレストランだ。自分の好きなものを好きなだけ食べられるビュッフェとメニューから注文するアラカルトが用意されており、ビュッフェは朝食なら32ドル(約3584円、1ドル=112円換算)、昼食は36ドル(約4032円)、夕食は58ドル(約6496円)となっている。

 また、レストランの中央にはバーも併設されており、食事以外でも気軽にコーヒーやビール、カクテルなどを楽しむことができる。特にビールは地元ハワイで作られたクラフトビールなどが取り揃えられておりお勧めだ。

ヨットハーバーを目の前に食事ができる「100 Sails Restaurant & Bar」。バーカウンターやラウンジスペースもあるので、気軽にお酒を楽しむこともできる。小さいグラスで飲み比べもできるクラフトビールがオススメ
ビュッフェは和洋中、さまざまな料理が取り揃えられている
手巻き寿司はハワイでも大人気。専用ブースが設けられていた
アラカルトメニューでは地元の新鮮な食材を使った料理が用意されている

リゾート気分を満喫できる開放的なプールエリア

 ホテルの5階には開放感あふれるプールエリアが設けられており、リゾート気分を満喫できるようになっている。広々としたスイミングプールにヨットハーバーが眼前にあるようなインフィニティプール、疲れを癒すジャグジーが設置され、プール脇のカウンターバー「Hinana Bar(ヒナナバー)」でお酒を楽しむこともできる。

 また、高層階の客室「Prince Waikiki Club Room(プリンス ワイキキ クラブルーム)」の宿泊客のみが利用できるラウンジ「プリンス ワイキキ クラブラウンジ」もあり、朝食やオードブル、ビールやワインなど、ちょっとしたドリンクサービスが楽しめる。そのようなサービス施設以外にも「自然からいただいたものは自然に返す」といった花のレイなどを戻す場所もフロアの一画には用意されており、豊かな自然に対して感謝を忘れない姿勢もうかがうことができる。

プールエリアはタワーとタワーの間の5階に設置されている
境目のないインフィニティプールからの眺めは格別
夜は美しくライティングされるのでロマンチックな場所に早変わり
グループやカップルでプライベートな時間を楽しめるカバナも用意されている
レイなどを自然に返す説明をする、アジアパシフィック セールス&マーケティング部長のホワイト亜由未氏
感謝を込めながらハワイ語で歌いながらレイなどを戻す

高さ107mに設けられた天空のチャペル

 アラモアナタワーの33階にはハワイ語で「喜びの空」を意味する「Lani Le'a Chapel(ラニレア チャペル)」が用意された。地上107mにあるこのチャペルは、もともとスイートルームがあった場所を改装したものであり、抜群の眺望を誇る。「祭壇の後ろにはパノラマに美しい海が広がり、最高のウェディングを演出できます」と、運営するワタベウェディングは胸を張る。チャペルの隣には「ピクチャーラウンジ」が用意されており、ゲストとアットホームな雰囲気で記念撮影ができるようになっているので素敵な思い出になること間違いなしだ。

アラモアナタワーの最上階に設けられた「Lani Le'a Chapel」
空と海に囲まれてカップルは愛を誓う
眼下にはマジックアイランドと美しい海が広がる
ピクチャーラウンジではアットホームな記念撮影ができる

客室はハワイの海がさらに見えるように改装

 客室は全室が窓エリアを拡大し、当ホテルのウリである“全室オーシャンビュー”のメリットを最大限享受できるようになっている。さらに、窓を開けることができるようになっているので、ハワイの風を受けながらくつろげる工夫も施されている。床には海底の砂丘をイメージしたカーペットが敷かれ、壁には土地を浄化する力を持つといわれるナイオツリーの花、ナイオフラワーが描かれており、落ち着いた癒しの空間が演出されている。

 インテリアは実用的な改装も施されており、コンセントがいたるところに設置されているのがとても便利。とくにワークデスクやベッドサイドには10A供給可能なUSBポートが設けられており、スマートフォンやタブレットの充電も容易になっている点は非常にありがたい。

広い窓に落ち着いた雰囲気の客室。写真は高層階に位置する「プリンス ワイキキ クラブルーム」
ベッドはキングサイズが1台、もしくはクイーンサイズが2台
キングサイズベッドの部屋には、ゆったりとくつろげるソファがある
壁にはリッキー・ウォルフェ氏が手掛けたナイオフラワーが描かれている
46インチの大型液晶テレビ
グラスや電気ポット、コーヒーメーカー、冷蔵庫、暗証番号方式のセキュリティBOX
部屋にはコンセントが多数設置されており、充電用のUSBポートを備えたものもある
大理石が美しい浴室
ウォシュレットを備えたトイレ
シャワールーム
窓の中央が大きく開くようになっている
窓を開けるとハワイの風が心地よく吹き抜ける
陽射しが気になる場合は電動のサンシェードやカーテンを降ろせる

 プリンス ワイキキは、リニューアルされたことでさらに魅力あるリゾートホテルに生まれ変わったことは紹介したとおりだが、日本語が堪能なスタッフの多さによる安心感やきめ細かなサービスなど、“プリンススタイル”といわれる、おもてなし精神が隅々まで行き届いているのも実感できる。

 そのほか、小規模の会議スペースから大規模な宴会場、フィットネスルームに郊外にゴルフコースを持つなど、リゾートホテルとしての機能も十分に備えている。安心してハワイ時間を満喫できる素敵なホテルなので、ハワイ旅行を考えている人はぜひとも選択肢の一つに加えてみてはいかがだろうか。

プリンス ワイキキ(旧名称:ハワイ プリンスホテル ワイキキ)

所在地:100 Holomoana Street, Honolulu, Hawaii 96815
客室数:563室
ホテル施設:レストラン、プール&ジェットバス、ビジネスセンター、宴会場、フィットネスセンター

野村シンヤ

IT系出版社で雑誌や書籍編集に携わった後、現在はフリーのライター・エディターとして活動中。PCやスマートフォン、デジタルカメラを中心に雑誌やWeb媒体での執筆や編集を行なっている。気ままにバイク旅をしたいなと思う今日この頃。