旅レポ
リニューアルオープンしたホテル「プリンス ワイキキ」とハワイのアートを楽しむ(その2)
アート作品に癒される2泊4日の旅
2017年10月5日 15:15
前編ではアート作品あふれるリゾートホテル「Prince Waikiki(プリンス ワイキキ)」を紹介したが、後編ではオアフ島のなかで現在最も注目されているエリア「カカアコ」を紹介しよう。
カカアコは繁華街であるワイキキとオフィス街であるダウンタウンの中間に位置するエリアだ。かつてはハワイの王族が暮らしていた場所であり、ハワイを統一したカメハメハ1世もこの地に住居を構え、宗教儀式なども多く行なわれた活気ある場所だったようだ。そんなカカアコもハワイ最大の繁華街であるワイキキの発展と大きく関わりを持つ。
1900年以前は水田や養魚池だったワイキキもその後は観光地として整備が始まり、1959年にハワイがアメリカの50番目の州として制定されるころには、多数の観光客を受け入れられるよう急ピッチで発展していく。同じころにはアラモアナショッピングセンターの建築工事も始められ、大型貨物船が入港するホノルル港とワイキキの中間に位置することから、カカアコ地区は物資や機材を保管する倉庫が多く立ち並ぶようになる。
カカアコエリアの地図
その立地的な優位性からカカアコ地区は今後、オアフ島で最も発展の見込みがあるとされ、2012年2月から政府主導で再開発プロジェクトがスタート。ショップやレストランといった飲食店から映画館などのレジャー施設、また高層コンドミニアムの建設などによって新たな街に生まれ変わる予定だ。
特に高層コンドミニアムは2027年ごろまでに50棟近くが建設される予定であり、多くの観光客や住民の拠点になると期待されている。ほか、オアフ島西部のカポレイからダニエル・K・イノウエ国際空港(旧・ホノルル国際空港)を通り、アラモアナまでを結ぶ、ホノルル市営鉄道「ホノルル・レール・トランジット」が計画されている点も付け加えておこう。
アラモアナからダウンタウンに向かって実際に街を歩いてみると、アラモアナに近い場所ではすでに完成したショップやコンドミニアムが見られるが、ワード・アベニュー通りを過ぎたあたりからは倉庫や電設会社、クルマの整備工場、建設途中の建物が多く見られ、街の再開発が現在進行形で進んでいるのが分かる。
さまざまな場所の壁に描かれているアート作品だが、特にボフカイナ・ストリート、アウアヒ・ストリート周辺が作品数も多いので、初めて訪れる人にはお勧めと言える。こちらのアート作品は「POW! WOW! HAWAII」が呼び掛けて始まったものであり、毎年春のフェスティバルには多くの人が訪れて盛り上がるそうだ。
作品は倉庫の壁や建設現場の仮囲いに描かれていて、倉庫の取り壊し、完成による撤去などにより無くなってしまうため、期間限定作品となっている。多くのアーティストが参加しているので、作風は実にさまざまでバリエーション豊富。お気に入りの作品の前で自撮りをする女性の観光客も多く見られた。
POW! WOW! HAWAII
Webサイト:POW! WOW! HAWAII
もし歩いて回るのが大変であれば、レンタルサイクルで周遊するという手段もある。最近サービスが始まった「Biki」は、アロハタワーからワイキキまで150カ所に自転車が駐輪されたステーションが用意されており、クレジットカードで決済してレンタルするというものだ。30分以内の利用なら1回3.50ドル(約392円、1ドル=112円換算)、20ドルを支払えば300分間(約2240円、回数制限なし)利用できる。ほか、サイトに登録することでマンスリー利用できるプランもある。
Biki
Webサイト:Biki
アート作品を堪能して食事やお茶がしたくなったら、近くにある複合施設「SALT」が便利。アウアヒ・ストリート、コーラル・ストリート、ケアウェ・ストリート、アラ・モアナ・ブールバードに囲まれた場所にあり、人気のレストラン「Moku Kitchen」や、日本でもおなじみの「スターバックス コーヒー」、ほか多くの飲食店やショップ、アートギャラリーが入居している。施設のいたるところでは今後オープンを控えたショップが工事を進めているなど、今後さらに賑わいを見せるエリアになることだろう。
ハワイというと、どうしてもリゾートスポーツやリラクゼーションがメインとなってしまうが、ハワイならではのアート作品を鑑賞する旅もなかなか面白いもの。ワイキキに飽きたら、少し足を伸ばしてカカアコを訪れてもらいたい。きっと新しい発見があるはずだ。