旅レポ

北欧の童話の世界へようこそ♪ あけぼの子どもの森公園

 北欧の雰囲気とムーミンの世界を体験できるテーマパーク「Metsa(メッツァ)」が2017年にオープン予定の埼玉県飯能市(詳細記事はこちら)。ムーミンの作者トーベ・ヤンソンさんの故郷フィンランド以外でムーミンの物語の世界を体験できる施設はこの「Metsa(メッツァ)」が世界初ということで、来年のオープンが今から待ち遠しいところですが、そんな埼玉県飯能市でもう一つ、北欧ムード漂うとっても素敵な公園「あけぼの子どもの森公園」をご存知でしょうか。

【追記】当レポート掲載後に、メッツァのオープン日について新しい発表がありました。当初予定より遅れ、2018年秋から2019年春にかけてのオープンとなるようです。詳しくは文末の関連記事をご覧ください。

窓越しにきのこの家を眺めるの図

「あけぼの子どもの森公園」は1997年に“北欧の童話の世界をモチーフにして”造られた公園です。私がこの公園を知ったのはインターネットでした。見事なオレンジ色に紅葉したメタセコイア並木、絵本に出てきそうなおもしろい形をした建物、まさに童話の世界そのままのような写真に感動して、昨年(2015年)の12月上旬に初めて訪れてみたのでした。そして先日、今年も紅葉のシーズンに2度目の訪問をしてきましたので、そのときの様子をご紹介しようと思います。

西武池袋線の元加治駅から2km弱、ゆっくり歩いて20分です

 あけぼの子どもの森公園は飯能市が管理する入園無料の小さな公園です。「Metsa(メッツァ)」と同じ“有名なあの童話”の公園だと勘違いされていることがしばしばあるようですが、それは間違い。あくまでも“北欧の童話の世界観”をイメージして造られた自然豊かな公園なのです。

 最寄り駅は西武池袋線の元加治駅。終点となる飯能駅の1つ手前の駅になります。池袋駅から約45分、駅からはゆっくり歩いて20分ほどで到着します。園内にはレストランやカフェなどはありませんので、駅から少し歩いたところにあるコンビニに立ち寄ってから行くといいでしょう。ただしゴミは各自持ち帰ってくださいね。南東側が山になっているので、冬場は日が昇るのが遅い場所。日が陰るのも思っている以上に早く、夕方は冷え込みますので防寒対策はしっかりとして行くことをオススメします。

途中、入間川に架かる西武線の鉄橋が見えます
公園は体育館や球場などの施設の奥にあります
木々の紅葉が始まっているようです。ワクワク♪
オレンジ色に紅葉したメタセコイア。和名は曙杉です
秋になるとこのように赤褐色に紅葉して落葉する針葉樹です

 昨年訪れたときより20日ほど早い今年の訪問。紅葉の進み具合はどうなのかとドキドキしながら着いてみるとご覧のとおり。

 葉に緑の部分がだいぶ残っていて、まだ全体が燃えるようなオレンジ色になってはいませんでした。でもこのグラデーションもまたステキ! まだまだ今年の紅葉は楽しめそうですよ。

昨年と同じアングルで撮ってみました。20日ほど早いのでまだ緑の部分が多いのが分かります

 到着してまず目に飛び込んでくるのが「きのこの家」と呼ばれるなんともかわいらしい建物です。残念ながら現在は空調設備の改修工事中ということで中に入ることができませんでしたが、外から眺めるだけでも十分、童話の世界にまぎれこんだような気持ちになれます。ちなみに中は“家”をイメージした造りになっていて、1階には暖炉がある「いこいの広間」があります。

名前のとおり巨大なキノコみたいな建物。ところどころに開いた窓がかわいい♪
きのこの家の中はこんな感じ。窓から外を眺めることができます

 きのこの家から少し歩くと、とんがり帽子のような青い屋根の建物が見えてきます。池の上に造られていて、欄干は人気の撮影スポット。きのこの家を通り過ぎて振り向いたところから見える風景は、ここ「あけぼの子どもの森公園」の代表的な景色といっていいでしょう。

公園のすぐ裏にある山全体も、これからだんだん色づいていきます
太陽の光が当たると一段と美しいメタセコイア
園内には小川が流れています
こんなモニュメント的なベンチも
いたるところにベンチがあるので、ゆっくり景色を楽しみながらお弁当を食べたりも

 とってもかわいらしくて絵になる園内は、写真を撮っている人でいっぱい。一眼レフカメラ率も高いです。ほかの人が写り込まない写真を撮りたかったら開園と同時に入りましょう。ちなみに雪が降った翌日の晴れた朝は、また格別の美しさなんだとか。秋の紅葉シーズンもよいですが、そんな幻想的な冬の景色も見てみたいですね。寒い時期に早起きできるかどうかが問題ですが。

デジタルカメラのホワイトバランスを変えるだけでも、これだけ雰囲気が変わります。いつもオートだけという方は、色々変えて楽しんでみるといいかも
ワンちゃん連れがとっても多い園内。こんなかわいい柴犬ファミリーに出会いました
手前は「わんぱく池」
池への映り込みも絵になります
「わんぱく池」を回り込んで進むと、緩やかな山道に

 園内には遊具のようなものはほとんどありませんが、唯一あるのが木を組んで造られたこちらの「樹上の家」。すぐ後ろの森と調和しているのが分かります。「あけぼの子どもの森公園」は、生き物や草木を大切にしながら、子供たちの豊かな遊び場にすることを目指して造られているのだそうです。

「樹上の家」。私も童心に返って登ってみました
カタツムリみたいな形の「見晴らし橋」は高台にあります
こちらは「森の家」
「森の家」の2階は読書コーナー。木のぬくもりを感じられる空間です
木造のホール「子ども劇場」の屋根に、ポップでかわいい煙突とオブジェを発見

 いかがでしたでしょうか。園内を流れる小川をジャンプして渡ったり、メタセコイアの木でかくれんぼしたりして生き生きと遊ぶ子供たち。大人は森林浴を楽しみながらゆっくりと散歩する……。「あけぼの子どもの森公園」は十人十色の楽しみ方ができるとっても素敵な公園なのです。

 お気に入りの本を持っていって童話の世界のなかでゆっくり読書もいいですし、お弁当を作っていって景色を楽しみながらランチもいいですね。もちろんデートにもオススメですよ。

 かわいらしい建物のほかにはなにもないけれど、いるだけで幸せな気持ちになれる、それがこの公園の最大の魅力だと私は思います。あとは自分の想像力で童話の世界にまぎれこんでしまった者勝ち! 皆さまも晩秋の「あけぼの子どもの森公園」に遊びに行ってみてはいかがでしょうか。

あけぼの子どもの森公園

所在地:埼玉県飯能市大字阿須893-1
開園時間:9時~17時
休園日:毎週月曜日(祝日の時はその翌日)年末年始(12月28日~1月4日)
駐車場:あり(無料、約250台、ただし隣接施設と共用)
その他:「きのこの家」は空調設備改修工事中は立ち入りできない(期間は2016年11月17日~2017年1月頃を予定)
Webサイト:あけぼの子どもの森公園(飯能市Webサイト内)

四季折々の自然を楽しめる公園です

ゆきぴゅー

長野生まれの長野育ち。2001年に上京し、デジカメライター兼カメラマンのお弟子さんとして怒涛の日々を送るかたわら、絵日記でポンチ絵を描き始める。独立後はイラストレーターとライターを足して2で割った“イラストライター”として、雑誌やWeb連載のほか、企業広告などのイメージキャラクター制作なども手がける。