【イベントレポート】

【関空旅博2017】門外不出の巨匠たちの絵画に出会えるオランダとベルギー、四季のある芸術の国

オランダ政府観光局/ベルギー・フランダース政府観光局がセミナー

2017年5月27日~28日 開催

オランダとベルギー・フランダースについてのセミナーを開催

 世界各国から航空会社や政府観光局などが集まり、“世界に一番近い旅の博覧会”をうたう「関空旅博2017」が、5月27日~28日に関西国際空港で開催された。各企業・政府観光局のブースや飲食ブース、ステージイベントが見物だが、隣接するホテル日航関西空港では、旅行者向けの本格的なセミナーも実施していた。

 ここでは、「オランダとベルギー・フランダース地方の魅力2017」と題して、オランダ政府観光局/ベルギー・フランダース政府観光局が行なったセミナーを紹介する。

「リピーター&個人旅行にお勧め」を掲げるオランダとベルギー・フランダース

オランダ政府観光局/ベルギー・フランダース政府観光局 塚越友美氏

 登壇したのはオランダ政府観光局/ベルギー・フランダース政府観光局の広報を務める塚越友美氏。まずは両国の見どころを「絵画」「四季」「グルメ」の3つのテーマで解説した。

 オランダは日本でも著名なゴッホやレンブラント、フェルメールといった画家を輩出しており、彼らの生家や暮らした場所がミュージアムになっていたり、絵のモチーフになった場所に実際に行くことができたり、所蔵した美術館から門外不出になっている作品を見ることができたりと、現地に行かなければ経験できないことは多い。一方ベルギーは、アニメ「フランダースの犬」でネロとパトラッシュが最後に見たルーベンスや、現在東京都美術館で「バベルの塔展」が開催されているブリューゲルなどを輩出している。

ゴッホ、フェルメール、エッシャーなど日本人にもなじみのある絵画の巨人たちの絵を見ることができる。ミッフィーの作者、ディック・ブルーナはオランダ出身。「フランダースの犬」でネロが見たかったのはベルギーの画家、ルーベンスの絵
日本のようにしっかりと四季がある。オランダとベルギー(の北部)は海抜が低めで、水辺が美しいという

 ベルギーの食といえばチョコレートとビール。「プラリネ」と呼ばれる型に入れて作るチョコレートは王室御用達の「ノイハウス」が発明したといわれており、世界的に有名な「ゴディバ」ももちろんベルギー生まれのチョコレート店だ。ベルギービールは2016年にユネスコの無形文化財に指定されており、1500種類以上があるという。

 オランダの食は健康志向が強めで、国民食のニシンの塩漬けをたくさん食べるほか、大きなホワイトアスパラガスも春の味覚として知られている。また、ゴーダの街のチーズ(ゴーダチーズ)とワッフルはぜひ食べてほしいとのこと。

ベルギーといえばチョコレートとビール、元祖フライドポテト「フリッツ」。オランダはニシン、チーズで知られる
オランダとベルギー・フランダースのまとめ。街が小さいので徒歩で観光できるのが魅力。鉄道網も整備されている

 最後はオランダとベルギーの最新観光スポットを紹介した。なかでも印象的だったのはオランダ・ロッテルダムで、英語圏で著名な旅行ガイドブック「ロンリープラネット」で「世界の旅したい都市10」に選ばれており、2014年にできたオランダ最大の屋外マーケット「マルクトハル」はMVRDVという建築家集団の手掛けた非常に変わった建築で、一見の価値あるふしぎな外観になっているという。

 また、ベルギー・フランダースでは2018年~2020年を「フランドル絵画年」として、ベルギー生まれの画家たちの作品と、その画家に影響を受けた現代の作品までを取り上げる美術イベントを敢行する。2018年はアントワープとルーベンス、2019年は没後450年のブリューゲル、2020年は修復の終わる祭壇画で知られるフーベルトとヤンのファン・エイク兄弟にスポットを当てる。

オランダは美しい建物と水辺を彩る観光スポットがたくさん
2017年の夏から2018年にかけて行なわれるイベントのほか、マグリット、ルーベンス、ブリューゲル、ヤン・ファン・エイクらの美術展・イベントも開催される