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関越道と東北道を接続する圏央道 桶川北本IC~菖蒲PA間を事前公開
10月31日開通。菖蒲PAは圏央道初のガソリンスタンド設置
(2015/10/19 00:00)
- 2015年10月16日 事前公開
- 2015年10月31日 開通
国交省 関東地方整備局とNEXCO東日本(東日本高速道路)は、建設が進められていた圏央道 桶川北本IC(インターチェンジ)~白岡菖蒲IC間が10月31日に開通ことを発表した。同時に同区間内の桶川加納IC、菖蒲PA(しょうぶパーキングエリア)も開通する。開通時刻は未定で、追って発表される。
同区間の開通で、東北道との久喜白岡JCT(ジャンクション)~関越道との鶴ヶ島JCT間が全通。これまでに開通していた区間と合わせ、東名高速道路~中央自動車道~関越自動車道~東北自動車道が圏央道で繋がることになる。
10月16日に桶川北本IC~菖蒲PAの間が報道陣に事前公開されたので、その様子をお届けする。桶川北本IC~白岡菖蒲IC間は、延長10.8kmで区間全体が4車線での開通となる。
見学会で詳細に公開されたポイントは、開通区間の中間に位置する桶川加納ICと、JR東日本 高崎線と交差する部分、JR東日本 上越・北陸新幹線と交差する高架部分、そして菖蒲PAだ。
開通区間の西端となる桶川北本ICは国道17号上尾道路(暫定開通)と接続。2010年3月28日に開通済みで、ここから西側の関越道 鶴ヶ島JCTまで繋がっている。
桶川北本ICから新たな開通区間となる東側に向かうと、ほどなくして高崎線と交差する。このあたりは、堀割構造となっていて、既存の線路や道路の下を高速道路が走っている。線路や道路を使っている状態で工事は進められた。おおよそ7mほど掘り下げられている。
国道17号との交差部分は、非開削トンネルを「ハーモニカ工法」と呼ぶ、小さなトンネルを隣接させて掘り進めて大断面トンネルにする工法を使い、交通を確保したまま作られた。
桶川加納ICでは、IC料金所ゲートが公開された。桶川加納ICは、県道12号川越栗橋線と接続し、桶川駅方面へ少し走ると国道17号と接続していて、利便性の高いICとなっている。
桶川加納ICから白岡菖蒲IC方面に向かっていくと、高架となって上越・北陸新幹線の上をまたいで交差する。新幹線交差部分の防音壁は部分的に透明になっていて、周囲が見えるようになっていた。このあたりの高架は、バタフライウェブ橋と呼ばれる、蝶型のウェブパネルを使っている。これにより軽量化と工程短縮をしている。
圏央道初のガスステーションや商業施設を備える「菖蒲PA」
桶川加納ICと白岡菖蒲ICの間には、菖蒲PAがある。内回りと外回りの両方からアクセスする集約一体型のPA。圏央道全体のほぼ中央に位置する。
商業施設として、「SHOUBU 花見 CHAYA」が入る。フードコートには、埼玉県川越市の人気ラーメン店「頑者」による「GANJA RAMEN」(高速道路初出店)と、気軽な定食や丼、麺類を販売する「菖蒲のごはん屋さん」が入る。ショッピングコーナーも広くとられ、沿線の人気お土産が並ぶ。
販売コーナーは「定番」「限定」「地産」「旬」などと分類されていて分かりやすい。花菖蒲をイメージしたペンダントライトがあしらわれていて、華やかなイメージだ。パンとコーヒー、ソフトクリームなどのテイクアウトコーナーもある。
敷地内には、圏央道では初となる24時間営業でスタッフ給油によるフルサービスの給油所も併設される。
最後に、圏央道沿線に企業立地が盛んになってきている例として、大規模な物流倉庫「プロロジスパーク北本」の見学があった。プロロジスは、複数の企業向けに物流倉庫スペースを賃貸する国際的な企業で、多数の物流施設を抱えている。これまでの圏央道開通により、都心に入ることなく地方間のモノを運ぶ需要が、確実に増えてきていると説明していた。
今回の開通で、圏央道が東名高速~中央道~関越道~東北道と繋がったことにより、沿線開発にさらに弾みがつくと思われる。圏央道の開通が進むことで、暮らしを支える物流も大きく変わってきていることが感じられた。
地方間の物流が都心に入らないことにより、都心の渋滞が緩和される効果もすでに起きている。NEXCOと首都高による平日の渋滞損失時間データによると、2013年から2015年で首都高中央環状線内の損失時間は約5割減り、外環道内の周辺部で約2割減ったそうだ。今回東北道とも繋がったことにより、さらなる渋滞緩和が期待される。
また、今回の開通により観光地間の周遊性向上も見込まれている。東名高速~東北道が結ばれることによって、日光、那須高原~箱根、伊豆、富士山への観光での移動が格段に便利になる。さらに今後、圏央道が東関東道まで開通すると、成田空港とも繋がり、訪日観光客も観光地周遊がしやすくなると期待されている。