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NEXCO東日本、常磐道と圏央道の開通効果について解説

4月度定例会見より

2015年4月22日実施

 NEXCO東日本(東日本高速道路)は4月22日、4月度の定例記者会見を開催。2015年3月の営業概要の説明と3月1日に全通した常磐道と、3月29日に開通した圏央道の久喜白岡JCT(ジャンクション)~境古河IC(インターチェンジ)の開通効果について説明が行なわれた。

東日本高速道路株式会社 代表取締役社長 廣瀨博氏

 冒頭にNEXCO東日本 代表取締役社長 廣瀨博氏より、常磐道 常磐富岡IC~浪江IC間の開通 1カ月の交通量と整備効果についてと、圏央道 久喜白岡JCT~境古河ICの開通後1週間の状況について説明が行なわれた。

 「常磐道の常磐富岡IC~浪江IC間に関しては、4月17日の発表にもありますが、交通量の速報値としては平日で1日あたり平均7600台、同じく休日で平均9900台、全日で平均8200台の交通量がありました。なお、2014年に開通した区間は1日あたり平均1万台です。常磐富岡IC~浪江ICと平行する国道6号は、1日平均1万1600台から8000台に交通量が減少しており、それに対し、常磐道と国道6号の合計では同1万1600台から1万6200台と4600台の増加となりました。また、3月11日に東北道で大雪があり、通行止めが発生した際には常磐道への交通の転換が見られました。これは常磐道が全線開通したため、東北道や国道6号の交通が常磐道に流れるというネットワーク効果が出ているからだと考えています。また、福島県浜通地域での企業立地の増加や浜通地域の高校生の求人の有効倍率も全国平均の2.5倍前後となっております。さらに常磐道を利用した高速バス路線の運行開始などのニュースもあります。引き続き常磐道の全通が福島県の復興に寄与できればと考えております」と廣瀨氏は述べた。

 続けて「圏央道については、4月20日に交通動向を発表していますが、久喜白岡JCT~幸手ICの開通後1週間の交通量は1日平均で5300台、幸手IC~五霞IC間は同4300台、五霞IC~境古河IC間は同2600台という状況です。すでに開通している白岡菖蒲IC~久喜白岡JCT間は同6800台から同9200台へと増加しています。開通区間に平行する道路では交通量の減少が見られており、開通した区間への転換が進んでいます。交通混雑緩和の効果が現われています。沿線には物流施設や工場などの投資が進んでおり、地域経済の活性化効果も期待されています」と述べた。

東日本高速道路株式会社 取締役兼常務執行役員 管理事業本部長 山内泰次氏

 3月の通行台数、料金収入の速報値は、通行台数が1日平均約279万台(対前年比4.8%減)で、料金収入が669億8000万円(同17%増)となった。通行台数の要因として、NEXCO東日本 取締役兼常務執行役員 管理事業本部長 山内泰次氏は「通行台数の減少要因として、4月に実施された料金割引制度の見直しなどの影響によるものと考えています。また、料金収入に関しても同じく割り引き制度の見直しによるものと考えています。特に平日の朝夕割引について、従来の通勤割引と異なり、割引前の料金が料金収入として計上されているため、今年度の料金収入の対前年比が大きくなっています」と解説した。

東日本高速道路株式会社 取締役兼常務執行役員 事業開発本部長 鹿島幹男氏

 また、SA(サービスエリア)/PA(パーキングエリア)の売上高は115億4400万円(対前年比10.3%減)。分野別では飲食・商品販売が約84億5000万円となって対前年比6.7%の減少、ガソリンスタンド部門は約31億円で同18.9%の減少となっている。この要因としてNEXCO東日本 取締役兼常務執行役員 事業開発本部長 鹿島幹男氏は「飲食販売部門に関しては、前年に比べて休日が2日少なく、3連休が無かったのが売上減少の原因だと考えます。ガソリンスタンド部門に関しては、前年と比べてハイオク、レギュラーの給油数量が減少したことと、リッター単価が18円前後下落したことが売上高の減少要因です」と述べた。

ゴールデンウィークの渋滞や2014年度の雪氷対策について

 ゴールデンウィークの渋滞予測と「春の交通安全キャンペーン」、昨年度の雪氷対策業務の概況について山内氏より以下の説明があった。

 ゴールデンウィークの渋滞予測はすでに発表されている(http://travel.watch.impress.co.jp/docs/news/20150327_695036.html)が、4月25日~29日の期間は、4月29日の「昭和の日」が水曜日となるため休日が連続せず、交通が分散して渋滞は少ない。対して後半は5連休になるので渋滞が多くなり、下りのピークは5月2日~3日、上りのピークは5月4日~5日になる。10km以上の交通集中が原因の渋滞の発生回数は全体で115回と前年よりも13回増加すると予測。最大の渋滞は下りで5月3日、上りで5月4日に発生すると推定される。山内氏は「いずれも事故や故障車、天候の影響は考慮しておらず、ゴールデンウィーク中はどの日も混雑するため、リアルタイムの渋滞情報を確認し、渋滞を避けて欲しい。また『渋滞予報ガイド』をWeb(http://www.c-nexco.co.jp/odekake/)から参照できるので活用して欲しい。この時期は不慣れなドライバーや、長距離運転するドライバーも多いので思わぬ事故が発生する可能性が高く、普段にも増して安全運転に心がけて欲しい。疲れを感じる前に休憩をしっかり取っていただきたい」と語った。

 5月11日~20日に「春の全国交通安全運動」が開催される。なお、重量超過などの法令違反に関しては、積極的に啓発活動をしていくとのこと。

 2014年度の雪氷対策の概況として、2014年度は暖冬で少雪傾向だったため、関東での雪による通行止めはゼロ、その他の地域でも前年比20%減となった。2013年度の大雪に基づいて「首都圏の大雪対策プロジェクト」を準備し、1月15日、22日の大雪警報発令時に大雪に対応できる体制を構築した。2月5日には通行止めの恐れがある道路には事前に情報を提供するアクションを行なったが、いずれも結果として雪が少なく、通行止めにはならなかった。

編集部:柴田 進