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東北道とつながる圏央道 久喜白岡JCT~境古河IC間が開通
埼玉県東部と茨城県がつながり、経済効果にも期待
(2015/3/30 14:48)
- 2015年3月29日15時 開通
国土交通省とNEXCO東日本は3月29日15時、圏央道 久喜白岡JCT(ジャンクション、埼玉県久喜市下早見)~境古河IC(インターチェンジ、茨城県猿島郡境町西泉田)間19.6kmを開通した。車線数は暫定2車線、幸手IC、五霞IC、境古河ICの3つのICが開通し、接続する道路は惣新田幸手線、新4号バイパス、国道354号バイパス。
地元国会議員や茨城県、埼玉県の両県知事、久喜市、白岡市の両市長ほか、工事の関係者など、多くの来賓が参列するなか、開通時刻前に盛大な開通式典および開通セレモニーが行なわれた。
冒頭の挨拶では、埼玉県知事 上田清司氏が、「このたびの開通で埼玉県東部地域と茨城県が直接結ばれることになった。物流をはじめ多くの事業にて、地域のみならず関東エリアの経済発展につながると信じている。首都圏の渋滞解消という目的だけでなく、関東エリアが相互に横に結びつく輪になるのが、圏央道なのだと思っている。また、災害時にも支援が圏央道を通じて広がり、リスクヘッジにもつながる。早期に全線開通を目指したい」と述べた。
次いで挨拶した茨城県知事 橋本昌氏は「茨城県は東日本大震災そして原発事故の後、人口が減ってしまった。そういったなか、少しでも元気な県を取り戻すためにも圏央道はとても重要。茨城と埼玉の交流だけでなく、沿線での企業誘致も活発になりつつある。また、別に北関東道水戸線も延びてきていて、さらに成田空港へのアクセスが良くなることが期待できる。災害時にも大きな役割を果たすはずだ。もし東京直下地震が起きたら、茨城の港や飛行場が活用できるはず。そのアクセスにも重要。境古河から先も積極的進めていただくことを期待したい」と述べた。
国土交通省 道路局長 深澤淳志氏は「現在、首都圏三環状道路というものを整備している。これは、慢性的な渋滞の解消、効率的な物流ネットワークを整備するもの。先日3月7日には、首都高中央環状の最後の部分がつながり輪になった。圏央道については全体の約7割が完成。来年度末にはこれがほぼ完成する。これにより沿線の経済が動いている。これからの元気な日本を支えるためにも、圏央道の一日も早い完成を目指していきたい。こういったインフラ整備を芝居の舞台に例えている。舞台を作って、その上で民間の方々に演じていただきたい。圏央道の完成が近づいてくると、料金が問題になってくる。圏央道の内側を通行するより、圏央道を使ったほうが便利になるような料金体系を検討中。早ければ来年度から一部導入していきたい。今回の開通では、1400名の地権者のご協力を頂いている。これから一日も早い全線開通を目指したい」と述べた。
事業報告として、国土交通省 関東地方整備局 北首都国道事務所長 石川雄一氏が「今回開
通した区間は、国土交通省と北首都国道事務所とNEXCO東日本関東支社埼玉工事事務所の共同事業で進めてきた。圏央道 久喜白岡JCT~境古河IC間については、平成6年度から着手して21年を経て埼玉県と茨城県がつながることになった。今日の開通で圏央道の約220kmが開通した。圏央道には『経済(沿線企業が立地、民需拡大)』、『くらし(渋滞緩和、事故削減)』、『命(緊急時の援助活動拡大)』、『歴史・文化(観光の利便性向上)』の4つの道の機能がある。圏央道開通に伴いこれらが波及していくものと思われる。今回の開通はもとより、圏央道沿線に多くの企業が立地または立地を予定している。また成田空港へのアクセスが格段に強化される。今回の開通はそれの第一歩。圏央道により都心を経由しない新たな広域ルートが形成され、人、モノの交流が活発になり地域経済の好循環が期待される。3月26~27日にかけて国道4号春日部古河バイパスも全線4車線化された。これにより圏央道へのアクセスがよくなる。多くの人に期待されている道路だと実感した。今後も必要な道路を全力で整備していきたい」と報告があった。
ほかにも地元国会議員など多数の来賓の祝辞があった。
最後にお礼の挨拶として、NEXCO東日本 代表取締役 社長 廣瀬博氏が「今回開通の19.6kmの区間は平成14年度に工事が着手された。NEXCO東日本として平成23年(2011年)6月に事業許可を得て以来、国土交通省と鋭意工事を進めてきて、開通の運びとなった。関係各位のご尽力のたまものであり、深く感謝申し上げる。この圏央道が地域の皆様に愛され、活用される道路となるよう努力するとともに、残る区間も早期開通に向け整備を進めていく。安全、安心、快適、便利にご利用いただけるよう、万全の管理に努めていくとともに、高速道路の効果を最大限に発揮させることにより、地域社会の発展と暮らしの向上をより支え、日本経済全体の活性化に貢献する所存。関係各位に重ねて御礼を申し上げる」と述べ、式典を締めくくった。
開通式典の後には、五霞ICにてセレモニーと「通り初め」があり、式典に参加した関係各位や地元小学生代表、地元の「ゆるキャラ」達によって、「はさみ入れ」と「くす玉開き」式が同時に行なわれた。
その後の「通り初め」では、茨城県警の誘導車両に続いて、ヤクルトのトラックを先頭に、JAのトラック、自衛隊や消防車両、埼玉クラシックカークラブによる往年の名車が続いた。
一般通行の開通となる15時に合わせ、今回開通する各ICで“一番乗り”として、インターネットで事前応募した先着5名(各IC入口毎。合計20名)に通行認定証と記念品を渡すセレモニーが、料金所ゲート前で行なわれた。境古河IC入口の開通前には、ゆうに100台を超える車列ができていて、今回の開通に対する期待の高さがうかがえた。
最後に、境古河ICから入って久喜白岡JCTにて東北道に入る路線を走行してみた。ほぼ片側1車線で暫定2車線部分がある。あいにく雨が降ってきてしまったが、車内から撮影した写真を掲載する。