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空手発祥の地に「沖縄空手会館」がオープン
3月4日の落成記念式典には翁長知事らも臨席
2017年3月7日 16:26
- 2017年3月4日 開館
沖縄県は3月4日、空手に特化した施設「沖縄空手会館」を豊見城(とみぐすく)城址公園跡敷地内に開館した。
沖縄空手会館は約3.8ヘクタールの敷地に、4面の競技スペースを確保できる道場施設、空手の歴史を学べる展示施設、首里城を彷彿するシンボル施設・特別道場のほか、鍛錬室や研修室、空手関連グッズを販売するショップや沖縄そばなどを味わえるレストランを備えている。
開館当日は多くの関係者を招待して、落成記念式典が行なわれた。
沖縄空手会館
開館日:2017年3月4日
所在地:沖縄県豊見城市豊見城854-1
敷地面積:約3.8ヘクタール
延床面積:約7810m2(道場施設5917m2、展示施設1803m2、特別道場91m2)
アクセス:那覇空港からクルマで約14分(約5.5km)
落成記念式典は沖縄県知事の翁長雄志氏、内閣府特命担当大臣の鶴保庸介氏、沖縄伝統空手道振興会の理事長である喜友名朝孝氏や、県議会、豊見城市からの代表者などが参加。記念植樹では全日本空手道連盟、沖縄の空手・古武術保存会、少年少女空手代表らも交えて、8本の記念樹が植えられた。
沖縄空手会館の施設内でもひと際目を引くシンボル施設、朱色の特別道場では、演武奉納が行なわれ、空手歴50年以上を誇る伝承者たちによって、力強く重みのある演武が奉納された。
続いて道場施設や鍛錬鍛錬場、研修室などを有するメイン棟前に場所を移し、翁長知事を中心に、来賓、関係者、総勢11名によるテープカットが行なわれ、さらに棟内に移動して、泡盛甕入れセレモニーと記念切手贈呈式が行なわれた。
泡盛甕入れでは、翁長知事や沖縄県酒造組合会長の玉那覇美佐子氏ら5名が参加。この甕で泡盛は熟成され、祝いの席などで振る舞われる予定だという。大きな貯蔵甕は組合からの贈呈品で、「泡盛の女王」の友寄美幸さん、中石美奈子さんがアテンドした。
沖縄空手会館落成記念切手は沖縄空手会館内の売店でのみ販売され、1シート1200円。プレゼンターとして日本郵便 沖縄支社長の本間裕二氏が登場し、翁長知事らに贈呈された
メイン棟の向かいには展示施設があり、空手に関するさまざまな資料が展示され、空手の歴史を学ぶことができる。県内の継承者らから寄せられた貴重な資料が並び、鉄下駄などの鍛錬道具の体験コーナーもある。
翁長知事、喜友名理事長へのインタビューでは、翁長知事が「沖縄の伝統文化である空手を世界に広める拠点ができて本当にうれしい。涙が出る思い」とコメント。町道場とも連携し、2020年東京オリンピックの事前準備の場所としても広く活用してもらえるのではと期待を述べた。
喜友名理事長は、「沖縄空手会館にまずは『行きたい』、そして『ここで演武したい』、さらには『沖縄の文化を知りたい』と思ってもらえたらうれしい」と話した。
そのあと道場施設で落成記念式典が行なわれ、関係者に加え海外からのゲストも参加。用意されたアリーナの900席はほぼ満席のうえ、スタンド席にも参加者の姿があったので、1000人近くが参加したと思われる。
正午に合わせ、舞台では三線の音が響いた。3月4日は「さんしんの日」のため、それに合わせての計らいだ。そして祝いの舞「かぎやで風」が舞われた。
続いて、沖縄県 文化観光スポーツ部長の前田光幸氏から説明があった。沖縄空手会館の建設地にこの地を選んだのは、景観や周辺環境のよさ、那覇空港からの近さといった交通の便、沖縄県立武道館との連携が取りやすい距離などを考慮したとのこと。名称は、シンプルで海外の人にも発音がしやすいということで決定された。
翁長知事は、「沖縄県民はもとより、国内外多くの人が待ち望んだ開館。空手発祥の地、沖縄を世界に発信する拠点ができた」と喜びを語るとともに、2018年にここを会場にして、第一回沖縄空手国際大会を開催することも発表した。
さらに内閣府特命担当大臣の鶴保庸介氏ら来賓の5名が祝辞を述べたあとには、2016年の世界空手道選手権大会で金メダルを獲得した男子団体形のほか、8名の個人演武などが披露された。
式典のあとには、空手シンポジウムが行なわれた。基調講演は、「沖縄の歴史と空手」をテーマに沖縄県立博物館・美術館館長の田名真之氏が登壇。空手の歴史を分かりやすく説明した。
パネルディスカッションでは、元沖縄県立芸術大学学長の宮城篤正氏をモデレーターに、7名のパネリストが登壇。「現在、空手人口は世界で190の国と地域に、1億人いるが、空手発祥の地である沖縄は、空手愛好家にとって憧れの場所。そこに空手の殿堂ができたことでさらに空手界が発展していくだろう」「空手に馴染みのない人でも楽しめる場所だ」「展示施設で歴史を知ると興味がわいてくる。興味がわくと、試合を見る際の心持ちも変わってくる」「2020年東京オリンピックで空手競技が見られることがますます楽しみだ」といった意見が交わされた。