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スキージャンプの“レジェンド”葛西紀明選手、フィンエアーで欧州トレーニングへ出発

2009年から続くフィンエアーのサポートは8シーズン目に

2016年6月21日 会見

2016~2017年シーズンに向け欧州へのジャンプトレーニングへ出発したTeam Tsuchiyaの4選手。左から小林陵侑選手、葛西紀明選手兼監督、伊藤有希選手、伊藤将充選手

 6月21日、スキージャンプ界のレジェンド葛西紀明選手兼監督率いるTeam Tsuchiyaの選手たちが、フィンエアーにて2016~2017年シーズンに向けた欧州でのジャンプトレーニングへ出発した。

 トレーニングはクオピオ、ユヴァスキュラ、そして世界選手権が行なわれるラハティへと移動する。参加選手はTeam Tsuchiyaの葛西紀明選手兼監督をはじめ伊藤有希選手、小林陵侑選手、伊藤将充選手の計4人。フィンエアーは2009年から葛西選手およびTeam Tsuchiyaへのサポートを続けており、今回で8シーズン目となる。

 4選手は11時発ヘルシンキ行きのフィンエアーAY74便搭乗のため、9時20分に成田国際空港第2旅客ターミナルへ到着。葛西選手兼監督、伊藤有希選手がチェックインカウンター前で報道陣に今シーズンの意気込みを語り、定刻より5分早い10時55分にフィンランドへ出発した。選手一行はヘルシンキで乗り継ぎ、クオピオ空港へ向かう。

笑顔で成田空港に到着する選手一行
フィンエアーのチェックインカウンターへ向かう葛西選手兼監督
1972年生まれで今年44歳になった葛西紀明選手兼監督

――ジャンプトレーニングに向けて抱負は

葛西選手兼監督:我々のチームのコーチがフィンランド人ということもあり毎年恒例となった、フィンランド合宿へ行ってきます。今シーズン初飛びですので、まずは怪我なくしっかりと飛んでいきたいと思っています。また、2017年2月にノルディックスキー世界選手権がフィンランドのラハティで行なわれますので、まずはそれに向けていいイメージ作りができればと思っています。

――最近サッカーでは三浦知良選手のJリーグ最年長得点記録の更新、野球ではイチロー選手の日米通算最多安打記録の樹立と、ベテラン選手の健闘が話題となっています

葛西選手兼監督:もちろん刺激を受けています。競技は違うものの、ライバルとしてがんばっていきたいと思っています。一方で40代アスリートの引退の話も耳にし、寂しい気持ちもありますが、僕がまた好成績を収めれば、同じ世代の選手がまたがんばってくれると思うので、一生懸命やっていきたいと思います。

――今シーズンへの意気込みは

葛西選手兼監督:自分の目標は金メダルを獲ること。まだ獲っていない金メダルを世界選手権で、そして平昌オリンピックでは妻や娘の見ている前でそれを獲得するのが一番の夢であり、目標です。

1994年生まれ、22歳の伊藤有希選手

伊藤有希選手:いつもこのフィンランドでの合宿から本格的なジャンプトレーニングが始まるので、ここで自分のジャンプの方向性を固められればいいなと思っています。ビッグゲームのあるシーズンを戦い抜くためには、なによりシーズンをとおしての安定力が重要だと感じているので、その安定力を高い次元で維持するようなトレーニングを、この合宿でできればいいなと思っています。

 葛西選手が監督に就任した2009年からサポートを継続しているフィンエアーは、欧州への「最短最速」の移動時間を活かし、選手達に良好なコンディションで練習や試合で臨めるような環境を提供。それによってもたらされる好成績によりスキージャンプ界の活性化、そしてスキーを通じてもたらされる日本と欧州のさらなる深い交流を期待しているとのことだ。

4選手を乗せヘルシンキに向かうフィンエアーAY74便が、雨の成田空港を飛び立っていった