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10月6日はタイでMotoGP! 日本では味わえない視界のよさ、10万人超の盛り上がりで最高峰オートバイレースを体験しよう!

2019年10月4日~6日 開催

「MotoGP PTT Thailand Grand Prix」が10月6日、いよいよ開催(写真提供:タイ国政府観光庁)

 2019年10月4日から6日にかけての3日間、タイ東部のブリーラム県にあるチャーン・インターナショナル・サーキットでオートバイレースの最高峰「MotoGP PTT Thailand Grand Prix」(MotoGPタイグランプリ)が開催される。2018年に初めての開催となったMotoGPタイグランプリは、決勝当日だけで10万人を超える入場者があり、大成功に終わった。

 2年目となる今回は、レースイベントとしてますます洗練され、昨年以上に盛り上がることは間違いない。大規模な展示ブースや視界の開けた観戦しやすいサーキットなど、日本のMotoGPとはまた違った楽しみ方ができるMotoGPタイグランプリの観戦のポイントをチェックしてみよう!

最高峰のオートバイレースMotoGPの見どころ

時速350kmに達する最高峰のオートバイレースMotoGP(写真提供:タイ国政府観光庁)

 MotoGPは、オートバイのロードレースカテゴリーにおける最高峰のイベント。2019年は排気量などで4つのクラスに分けられている。そのうちメインとなるのがMotoGPクラスで、日本のホンダ(本田技研工業)、ヤマハ(ヤマハ発動機)、スズキをはじめとするオートバイメーカーがしのぎを削って開発する排気量990ccのレース専用マシンで争われ、コースによっては最高速は時速350kmにも達する。

 このほか、同600ccで争われるMoto2クラス、同250ccで争われるMoto3クラス、そして2019年から新たに加わった電動バイクのMotoEクラスのレースが行なわれている。今回のMotoGPタイグランプリでは、MotoEを除く3クラスが開催される予定。10月4日は練習走行、10月5日は予選、10月6日は決勝レースがそれぞれ実施され、MotoGPクラスの決勝では20台以上が一斉にスタートし、1周約4.6kmのチャーン・インターナショナル・サーキットを26周して順位を争う。

2018年のMotoGPタイグランプリのスタートグリッド

 年間全19戦あるMotoGPにおいて、15戦目となるMotoGPタイグランプリはシーズン後半ということもあり、チャンピオン争いを左右する重要な局面となる可能性が高い。(2019年8月時点で)4連覇に向けチャンピオンシップをリードするホンダのマルク・マルケス選手が、昨年のタイグランプリと同様に優勝するかどうかが、2019年のチャンピオンシップの行方を決定づけることにもなりそうだ。

2018年MotoGPタイグランプリで優勝したマルク・マルケス選手

 このほかの注目ライダーとしては、世界的なスターで日本でも人気が高い現役最多勝利数の記録を持つヤマハのバレンティーノ・ロッシ選手や、2018年のMotoGPタイグランプリでマルケス選手と最終ラップ、最終コーナーまで争ったドゥカティのアンドレア・ドヴィツィオーゾ選手が挙げられる。MotoGP参戦初年度でありながらトップ争いにたびたび加わるファビオ・クアルタラロ選手など、ルーキーの活躍にも注目したい。

 また、タイグランプリの2週間後にはMotoGP日本グランプリが控えている。現在日本人として唯一MotoGPにフル参戦している中上貴晶選手は、予選で上位に食い込むことも増えてきており、母国グランプリに向けた前哨戦として期待がかかる。2019年の第9戦、初のポールポジションを獲得した佐々木歩夢選手らMoto3クラスに参戦する若い日本人選手たちの戦いも見どころだ。

MotoGPにフル参戦している中上貴晶選手

現地までは航空機で楽々。宿泊や観戦席もまだ空きあり

チャーン・インターナショナル・サーキット

 チャーン・インターナショナル・サーキットは、タイの首都バンコクから東へおよそ400km行ったブリーラム県中心部の市街地近くにある。アクセスの方法としては航空機、クルマ(レンタカー)、バス、列車などがあるが、お勧めは断然航空機だ。クルマでは場合によっては片道7~8時間かかるが、航空機ならドンムアン空港からブリーラム空港までわずか約40分で到着する。そこからは無料のシャトルバスやタクシーで30分も走ればサーキットだ。

 2018年のMotoGPタイグランプリを前にリニューアルしたブリーラム空港は、バンコクとの間で1日4~6便ほどの定期旅客便が運航するようになった。日本からバンコクまでの6時間半程度の移動時間を加えても、だいたい半日余りで現地に到着できる計算になる。2018年のMotoGPタイグランプリのレースウイーク中は、サーキット周辺でも大規模な渋滞は見かけることがなく、移動もスムーズだった。1日10万人以上を集めたイベントでありながらストレスのなかったレース運営は、とても初開催とは思えない洗練度合いだったが、2019年もこの状況は変わることはないだろう。

ブリーラム空港
空港では伝統舞踊やゾウたちが出迎えてくれた

 こうした大規模イベントで課題となるのが宿泊施設。特定の短い期間に多くの観光客が集まるため、どうしても部屋不足になりがちだ。しかしながらMotoGPの公式サイトで宿泊施設を調べた限りでは、8月現在はまだ多くの空き室が見つかる状況。ホテルや民泊(Airbnb)施設、さらにサーキット隣接のキャンプサイト(テント貸し出し)があり、2泊で1名5000円前後からとリーズナブルな価格で提供されている。今後レースイベントが近づくにつれ部屋が埋まっていくので、早めに確保しておきたいところだ。

サーキットのすぐ近くに設けられたキャンプサイト

 肝心のレース観戦チケットもまだ購入できる。箱庭型のチャーン・インターナショナル・サーキットを隅々まで見渡すことができるグランドスタンドは、単体チケットはほぼ完売となってしまったようだが、コース脇の各所に設置されている「サイドスタンド」だと、およそ8000円(送料除く)ほどで入手可能(8月現在)。こちらも売り切れる前に早めに手配しておこう。羽田発着の4泊5日の観戦ツアーも発売されている。

熱中症対策は万全に。できれば観戦用に双眼鏡も

 観戦にあたって一番注意しておきたいのは、やはり暑さ。10月ではあるものの、日本とは違って常夏のタイは毎日厳しい日差しが照りつける。特にチャーン・インターナショナル・サーキットの敷地内は地面がアスファルトやコンクリートで覆われている部分が多いこともあって、照り返しもあるので万全の暑さ対策が必要だ。強い日差しを遮る帽子はもちろん、水分や塩分をいつでも補給できるように準備しておきたい。

チャーン・インターナショナル・サーキットの展示ブースエリア

 ただし、会場内にはオートバイメーカー、飲料メーカーによる巨大なブースや、フードコートのような広々としたイートインスペースなどがあり、誰でも利用可能な屋根付き、冷房ありの休憩エリアも簡単に見つけられる。できればレース中はスタンドから観戦したいところだが、休憩エリアによってはレース中継する大型モニターを備えているところもあるので、体調を考えてそれらのスペースも有効に活用したい。

オートバイメーカーの巨大ブース。屋根があってエアコンが効いている。中継モニターもあり
涼みつつ、ビールを飲みながらレース観戦できるところも
タイならではのフードも味わえる

 10月のタイは雨季の終わりごろにあたる。日中、突如として激しいスコールが発生することもあるので、気になるなら小さく収納しておける雨合羽なども携帯しておくとよさそうだ。レース観戦では周囲の視界の妨げになるので傘は厳禁。そもそも雨は短時間でやむことが多く、多少濡れたとしてもカラっとした気候のタイでは乾くのも早いから、雨具についてはおおげさな装備は用意しなくても問題ないはずだ。

 熱中症や雨対策のアイテム以外にも、携帯していくと便利なのが双眼鏡。チャーン・インターナショナル・サーキットはアップダウンが少ない箱庭のようなコンパクトなレイアウトで、スタンドからコース全体を眺めやすいのが特徴となっている。なので、レース中のバトルやアクシデントを目にできる機会の多いユニークなサーキット……ではあるものの、やはり遠くの様子は肉眼では確認しにくいのも確かだ。

グランドスタンドから眺めたサーキット
グランドスタンドからならメインストレート付近はよく見えるが、コースの端の方は肉眼だと誰がどこを走っているのか見分けるのは難しい

 そういったときに双眼鏡があれば、先頭争いや気になる選手の動きをいつでも追うことができる。レースの中継映像などを流す大型ビジョンがスタンドから見える位置に設置されるものの、コース全体が見えるようにという配慮であまり大きくできないためか、視認性はそれほど高くない。MotoGPの迫力を間近で感じるためにも、双眼鏡を持っていくのがお勧めだ。

大型ビジョンも設置されているが、スタンドからの距離を考えると小さめ

周辺地域やバンコクでの観光もセットに、レース観戦という特別な体験を

 チャーン・インターナショナル・サーキット周辺の、クルマやバスで気軽に足を伸ばせる距離には、クメール王朝時代の「ムアンタム遺跡」や「パノムルン歴史公園」、織物の染色を体験できる「チャルーン・スック村」など観光スポットも多い。もちろん、経由地となるバンコクでの観光もセットにしやすいだろう。

ムアンタム遺跡
パノムルン歴史公園
チャルーン・スック村の染め物体験

 1日の来場者が10万人規模のレースイベントを気軽に参加できるのは、アジア地域ではここ以外にほとんどない。レースやオートバイへの関心の高さ、熱烈なファン人口は日本以上に感じられるうえ、展示ブースでも子供から大人まで楽しめるものが数多くあって、サーキットの内でも外でも満喫できる。10月はMotoGP観戦という特別な体験をメインに、タイの新たな魅力を発見してみるのはいかがだろうか。

ファンの声援には日本以上の熱気を感じる