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世界最高峰二輪レースMotoGPタイグランプリ初開催に向け、日本で会見
実現の立役者となったSUPER GT坂東氏も、タイのサーキットのクオリティをアピール
2018年8月29日 18:09
- 2018年8月28日 実施
タイ国政府観光庁は8月28日、10月にタイで初めて開催される二輪最高峰レースのMotoGP世界選手権シリーズ戦「MotoGP PTT Thailand Grand Prix 2018」(決勝10月7日)を前に、日本国内で記者会見と関係者に向けたレセプションを実施した。
2017年、タイを訪れる日本人観光客が約150万人に達し、自動車メーカーをはじめ多数の企業が拠点を設けるなど、観光だけでなく産業・経済面でもタイとの関わりが深い日本。同イベントは、そうした背景に加えて、二輪やレース観戦の文化も発展している同じアジア圏の国ということもあり、日本から多くの旅行者が観戦に訪れることを期待して実施された。
記者会見ではタイ国政府の要人と、MotoGP開催のある意味立役者となった市販車ベースの四輪レース「SUPER GT」を運営するGTアソシエイションの坂東正明氏が登壇し、開催に向けての意気込み、開催地となるタイ王国ブリーラム県ブリーラム市にあるチャーン・インターナショナルサーキットの魅力などを訴えた。
どこにいてもバトルが見られる整備されたサーキットと、優れたホスピタリティ
記者会見に臨んだタイ国観光スポーツ省 事務次官のポーンパヌ・サウェータルン氏は、タイ政府が近年、観光資源の1つとしてスポーツ産業に注力し始め、同産業が国内総生産の1.43%を占めるまでに成長していることを紹介。MotoGPが歴史の長い二輪レースであることから、「タイにとって大変価値のあるスポーツ産業として、満足のいく収益をもたらすと確信しています」と述べ、レース開催によって入場料だけでなく周辺の観光ビジネス、関連産業においても高い経済効果を生み出すとした。
また、「タイの文化遺産とともに、悠然とたたずむ美しい自然もお楽しみいただけるよう準備しています」と、日本などからの観光客を受け入れるため、万全の体制を整えていることもアピールした。
タイ国スポーツ庁 総裁代理のサンウィアン・ブーントー氏も、MotoGPの開催によって「10億バーツ(日本円で約30億円)以上の収入を創出すると信じている」と経済面での効果を期待。そのうえで、「タイの若者がモータースポーツに興味をもち、好きになる機会となる。ワールドクラスの競技を間近で観戦することで、若者が将来のプロスポーツ選手を目指す際の刺激にもなる」と語った。
MotoGPタイグランプリのタイトルスポンサーとなった、タイの石油・ガス最大手のPTTからは、グループ企業のPTTオイル&リテールビジネス 社長代行兼CEOのジラポーン・カーウサワット氏が登壇。開催地のチャーン・インターナショナルサーキットがF1開催の前提となるFIA Grade 1、およびMotoGPの開催要件となるFIM Grade Aの認定取得に向け、同社が長きに渡って支援を続けてきたことを説明。「10月に開催されるMotoGPが、世界で最もすばらしい1戦となり、皆さまに感動を与え、参戦する選手、主催者らにとって印象深いものになるものと信じています」と付け加えた。
チャーン・インターナショナルサーキットが2014年にオープンした当初から、毎年、シリーズ唯一の海外戦としてSUPER GTを開催してきたGTアソシエイションの坂東正明氏も会見に臨んだ。同氏は、「サーキットのレース運営の質が年々高まっていることを肌で感じている。同時にブリーラム県が年を追うごとに発展しているのを目の当たりにしている。SUPER GTを通じて、タイのレースの運営、地域の活性化に我々が微力ながら貢献できたのではないか」と胸を張り、いよいよ実現に至ったMotoGPの開催について「ここまで我々が努力したきたものが報われれば」と述べた。
また同氏は、日本のレースファンに向けてチャーン・インターナショナルサーキットの魅力も解説。「お客さんがどこにいても全部のコーナーが見える。(そんな風に)どこでバトルしているのか一目瞭然のサーキットは(世界では)非常に少ない。ホスピタリティは日本の富士スピードウェイや鈴鹿サーキットなどにも引けを取らないし、駐車スペースそのほかにおいても整備され、問題があるものは1つとしてない」と、現地の快適な観戦環境を約束。「日本とは異なる環境のなか、タイのMotoGPを見てもらいたいし、SUPER GTというコンテンツを今後も楽しみにしていただければ」と語った。