若林直樹のトラベルフォトギャラリー

秋のチャツボミゴケ公園(群馬県)

 群馬県中之条町「チャツボミゴケ公園」は、1966年まで鉄鉱石の露天掘りによる採鉱が行なわれていた場所で、強酸性の鉱泉が湧出する。公園内にはその環境を好む「チャツボミゴケ」が自生し、日本最大級のコロニーを形成している。このコケ類がバクテリアの働き(バイオミネラリゼーション)で、鉄鉱石を何万年もかけて作っているというから驚きだ。

 採掘跡は「穴地獄」と呼ばれ、2015年に芳ヶ平湿原群「穴地獄」としてラムサール条約に登録。2017年には「六合チャツボミゴケ生物群集の鉄鉱生成地」が、国の天然記念物に指定されている。

 標高1200mに6200m2あるこの地は、四季をとおして見応えがあるが、なかでも紅葉・清流ともにチャツボミゴケが深く澄んだ緑の様は、ほかでは見ることのできない絶景だ。秋の訪れが早く9月末には色づき始め、10月には見事な紅葉になる。

 チャツボミゴケ公園へのアクセスは、関越道 渋川伊香保ICや上信越道 碓氷軽井沢ICから約1時間45分。公園内はクルマの進入が禁止となっている。

 手前にある受付で入園料を支払い、専用の送迎バスで1.3km先まで移動、そこから300mほど歩くと穴地獄の入り口がある。木道が整備されているが、歩きやすい靴で行くとよいだろう。

 もっとハイキングを楽しみたい人には、日光白根山の北側に広がる「芳ヶ平」まで約12kmのハイキングコースがある。秋を感じながら軽いハイキングを楽しむのにお勧めの場所だ。

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若林直樹(STUDIO海童)

雑誌、広告等の仕事の傍ら、ライフワークとして自然や癒される空間を求めて国内外を旅している。撮影対象はICチップからアフリカ象まで幅広い。デジタルカメラは1995年からコンパクトからプロ機までテストレビューに携わる。自宅ではフェレットをこよなく愛し、現在2匹と暮らしている。いつかフェレットの写真集を出そうと企み中。
Webサイトはhttp://kaido.sub.jp/