今回紹介するRVパークは富士五湖の1つ、山中湖の近くにある「Hygge Yamanakako(ヒュッゲヤマナカコ)」(山梨県南都留郡山中湖村平野1409)だ。
ヒュッゲヤマナカコは今年の9月にオープンしたばかりの新規RVパーク。山中湖から相模原方面に抜ける道志道(国道413号線)沿いにあるので、大型のキャンピングカーでも利用がしやすい立地にある。また、近隣にはコンビニと日帰り温泉もある。
ペットを連れての利用もOKだがRVパーク内はリードを付けておくことが条件。後述するが併設しているカフェにドッグランがある。
利用料金はACなし区画で平日3300円、土日祝は4400円。AC電源あり区画が平日4400円、土日祝は5500円。ハイシーズンはそれぞれ+1100円だ。現在(2024年11月時点)はオープンキャンペーン中でAC電源なし区画が平日1650円、土日祝が3300円。AC電源あり区画が平日3300円、土日祝4400円に設定されている。キャンペーン期間中かどうかは予約サイトにて確認を。
テニスコート施設跡を利用しているため、広いのはもちろん地面は平らで、敷地内への乗り入れもしやすい。クルマを停めた際に傾きが気になることもない。なお、敷地は併設のカフェ「Yamanaka Terrace(ヤマナカテラス)」を利用する人の駐車場としても使われているが、敷地が広いので窮屈感を感じるものではない。
チェックインは12時から17時。17時を過ぎる場合は要連絡。チェックアウトは11時まで。入口ゲートは24時間開いているので早朝出発も可能だ。
国道413号線沿いの入口。山中湖側から来ると左側にある。 敷地の全景。右の建物の奥がRVパークのA区画、左側、フェンスに白い板が取り付けられているところがB区画 併設カフェ「ヤマナカテラス」。ニュージーランドテイストが全体のテーマで、そこに独自の取り組みとしてアメリカンな焼き菓子の提供をしている。なお、建物は著名な建築家がデザインしているので、建築に興味のある方も楽しめる RVパークとして設定している区画は現在12区画。現状、すべての区画は電源なしだが、共有スペースがある建物には外部電源があるので、建物から近い区画であれば延長コードを持参することで電気を得ることは可能。ここが暫定的なAC電源区画となっている。
山側が「A区画」でここには6台分のスペースがある。そして反対のフェンス側に「B区画」があり、こちらも6台分用意している。
路面の状況はA区画が土の上(部分的に背の低い草は生えている)なのでキャンプ場のイメージ。ただ、土なので雨の日にはぬかるむ箇所もある。対してB区画は砂利引きとなる。大型のキャンピングカーで雨の日利用の場合、足元の安定度的にB区画の方が安心できそうだ。
区画のサイズはAもBもすべて共通。長辺が8m、短辺が5mあるので大型のキャンピングカーでも問題なく停められる。なお、区画に関して今後利用者の意見を聞きながら、数を増やしたり隣り合う区画同士の間に空間を設けたりなど、居心地のいい場所に改良していく予定とのことだった。
国道とは反対側からA区画を見る。スペースは6つあるが停める場所は先着順(RVパーク利用自体は事前予約が必要) 間口は5m。普通車であっても端寄せて停めればタープを展開できる 奥行きは8mある。区画の前がカフェ利用者の駐車場なので、人目が気になるならテーブルやイスをクルマの後方に展開すればよい A区画のうち、共有設備がある建物に一番近い区画は「仮の電源付きサイト」。延長コードがあれば電気を引ける。今後、電源設備のあるサイトを新設していく予定とのこと こちらがB区画。どこに停めるかは先着順。路面が砂利引き。フェンスの後ろは閉鎖しているテニスコート サイズはA区画と同じ。こちらも端に寄せて停めてみた 砂利引きなので雨天のときにも足元がわるくなり過ぎない 長期滞在のことを考えた設備がある
RVパークの設備を紹介しよう。A区画の並びにある建屋内が共有スペースとなる。建物内はどうなっているかというと、横開きのドアを開けると砂利引きの土間があり、そこに3つのシンク、テーブルがある。そして小上がり部分には電子レンジ、ポット、家庭用冷蔵庫(冷凍品も保管できる)、食事できるテーブルとイス、長期滞在者が食器などをしまっておくための収納棚を用意している。
炊事場、トイレ、シャワーなどは建物内にある。それぞれの部屋に照明があるので夜間でも安心して利用できる 建物横に薪の販売所(無人)がある。1束500円。支払いはPayPayのほか現金も可 小上がりになったところ冷蔵庫やテーブルがある。ただし、建物内は火災予防のため火気の使用は禁止 電子レンジがあるので惣菜やお弁当を温められる。山中湖ICからの途中にスーパーマーケットもある 長期滞在に対応するため洗濯機と乾燥機を揃えている。洗剤は持参すること。乾燥機の利用は有料(15分100円) トイレは1か所のみ。ウオッシュレット機能はない。清掃は行き届いている シャワーの使用は無料。シャワールームは2か所あるがまだ、利用者が多くないので1つだけ稼動させている。シャンプー、ボディシャンプーは常備。足拭きマットにドライヤーもある ゴミは基本的に持ち帰ってもらうとのことだが、有料にて処理も受けている。可燃ゴミ、不燃ゴミ(カン、ビン、ペットボトルを含む)の分別は必須。それぞれにゴミ袋は分ける。ゴミ袋は1枚550円だ。ゴミ捨て場は入口付近にある スペース内であれば車外へのテーブル、イス、タープなどの展開はOK。焚き火もOKだが焚き火台の使用が条件。落ち葉の多い時期は爆ぜた火による燃え移りを防ぐため、焚き火シートも併用したい。発電機は使用不可 スペースの後ろのフェンスには人感センサー付きLEDライトがある。車外での食事や作業で便利だった。共有の建物周辺にも人感センサー付きライトがあるので、夜間トイレに行くのに手持ちのライトは不要だった 取材日は雨こそ降らなかったが空には雲がべったり付いていた。そのため星空は見えなかったが、晴れているときは星がきれいに見える 電源がないので今回はポータブルバッテリー(250W)を使用。日が落ちてから23時ごろまで8WのLED電球を4灯(明るさがいらないときは3灯)点けていたが、容量は半分以上残っていた カフェとちょっとした林間散歩コースの紹介
ヒュッゲヤマナカコはカフェのヤマナカテラスの駐車場を兼ねているが、クルマを停めたところからお店までは少し歩くことになる。一般的なお店では駐車場は入口近くにあることが多いので、「歩くこと」に不便に感じるかもしれないが、これはあえて。
ヤマナカテラスは自然のなかにある居心地のいい場所というコンセプトがあり、店舗および周辺は「きれいな景色」であることを熟考した景観になっているという。
駐車場からの小道は森林の横を通る古びた村道なので、少しの時間であっても心地よく歩ける。歩くことでクルマ移動のちょっと張り詰めていた気持ちが和らぐので、お店に着ころ頃にはリラックスした状態になっているはず。そんなことも考えた作りなのだ。
前や足元だけでなくちょっと立ち止まって林のほうを見てみるといいだろう 小道から店舗まで結構な坂を登るが、景色を見ながらゆっくり行こう。これもお店側の演出だ 建築に興味のある人が見学に訪れることも多いという建物。敷地自体は旧大蔵省の保養所があったところ。敷地内には当時の石垣なども残っている 設計は著名な建築家が担当。その方の手掛けた建築物を見たオーナーが自身の作りたい店のイメージに合うと感じて依頼したという 正面が大きなガラス張りの店内は少しの照明だけでも十分明るい。ちなみに屋根一面がソーラーパネルで建物はオール電化だ コーヒー類のほか、お店が作るオリジナルの焼き菓子を提供。食事メニューは原則ない。ランチのみカレーを用意する めずらしいニュージーランドのクラフトビールも販売している ヤマナカテラスは朝9時から開いているので、朝食をここで済ませるのもいい。営業時間、営業日は季節によって変更になる場合があるので、事前に公式サイトなどで確認を 支柱とワイヤーで作った造形物。ワイヤー部の上には屋根などなく「張り」のみでカタチを維持している。これも建築家が手掛けたもの ドッグランもあるが斜面を利用しているのが特徴。結構な高低差があるので人が歩くのは大変だが犬にとってはテンションが上がるところのようだ 村道をヒュッゲヤマナカコからヤマナカテラスへ向かう方向と逆に歩いて行くと気持ちのいい林間散歩ができる この道は山中湖村の村道ではあるが、ほぼ通行がなく道は荒れ、倒木もあったりする。ヒュッゲヤマナカコ付近に野生動物はいるが見かけるのは鹿のみだという