車中泊の拠点 RVパークを訪ねる

夜は20℃。猛暑を逃れて快適な時間を過ごせる長野・白馬のRVパークに泊まってみた

RVパーク 白馬キャンプ場

長野県北安曇郡白馬村にあるRVパーク 白馬キャンプ場。白馬の夏は短く、お盆過ぎから気温が下がり過ごしやすくなるという。猛暑にウンザリしている人は白馬でいち早く秋を感じてきてはいかがだろうか

「RVパーク 白馬キャンプ場」(長野県北安曇郡白馬村北城5629)のある白馬村は標高約600mの高地にある。そのため猛暑日が続くこの夏であっても日中の気温は30℃前後と都市部よりかなり低い。そして夜になると気温はグッと下がって20℃前後と涼しい環境になる。東京で夜の気温が20℃になるのは10月に入ってからだと思うので、東京に住む筆者から見ると白馬キャンプ場は猛暑の夏をワープした地域である。

 ここ数年の暑さを経験するたびに「避暑」の必要性を感じているだけに、こうした気候の地域に出かけることはなんというか「助かった」という気持ちになったりする。暑さにウンザリしている状況であるならば、気持ちを切り替える意味でも涼しさが約束される白馬村へ出かけてみてはどうだろう。

 さて改めて、今回は長野県安曇郡白馬村で2024年6月にオープンしたRVパーク 白馬キャンプ場へ行ってきた。上信越道の安曇野ICからは約50kmの一般道を走る必要があるので交通の便がいいとは言えないが、走っていくほど景色が山のものになっていくのは「遠くに来た」という感じがしてわるくない。ドライブが好きな人であれば楽しく走れると思う。

標高約600mの場所であり、北アルプスの山々が眼前に広がる眺望
山側に道路から施設を見た様子。夏でも夕方から涼しくなって夜は20℃を下回る。寝るときはエアコン要らずどころか、春秋用のシュラフや掛け布団が必要だ
白馬駅前。ここから約2kmほど山側へ行くと白馬キャンプ場がある。メインストリートであり、施設までは直線なので走りやすい
白馬キャンプ場がある場所は白馬村の中心近くにあり前の道はJR白馬駅から八方のホテル、旅館が建ち並ぶエリアへと向かう県道322号線(白馬岳線)なので、大型の車両やトレーラーを牽引していても走りやすい。

 白馬キャンプ場はクルマ用の施設ではあるがオートバイや自転車での利用もOK。そしてサイト内であればテントを張って泊るのもOKだ。サイトの地面は砕石を固めて敷いてあるのでペグは丈夫なものでないと挿さらないし、打ち込むハンマーも大きめのモノがいいだろう。

 いろいろな乗り物で利用できるので、荷物を多く持ってこられない利用者のためにキャンプ用品のレンタルも始めるという。そのほかにも利用者が便利になるサービスを順次増やしていくということなので最新情報は公式SNSなどでチェックしてほしい。

管理人の峠諒司さん。地元に顔が広く、自らもスノーボードやMTBなどやる方なのでいろいろな情報を持っている。白馬での過ごし方を相談してはいかがだろうか

 場内には12台分のサイトがあり、サイズは長さが約9.5m、幅が約8mと大型の車両でも余裕がある。スペースの配置は県道沿いに1~6番で、7~12番が山側となる。人気は山側の眺望がいい9番と10番、そして山側の眺望もありつつトイレがある管理棟に近い12番とのこと。

 料金はすべてのサイト共通で平日と日曜が4400円。金曜、土曜、休日前が5500円。予約は電話かネット予約で。支払いは現地で行ない、現金のほかカードなどに対応している。詳細や連絡先はクルマ旅のWebサイトで確認してほしい。

 スーパーマーケットやコンビニは近隣にあり、日帰り温泉も550mほどのところにあるので徒歩でも十分行ける。あと、もしものケガや体調不良への対応だが、白馬村には数件の病院があり、そのなかには救急対応もできる病院がある、また夜間の救急の場合は隣町の大きな病院が受け入れるという。

 消防署も近いので救急車を依頼しても早くに来てくれるし、登山やスキーでのケガや事故もある地域なので緊急性が高い場合はドクターヘリでの搬送もあるという。こうした面が充実しているのは安心できる。

白馬キャンプ場から一番近いスーパーマーケット。距離は約1km
山側へ500mほど行くとコンビニがある。筆者は夜のアイスクリームが食べたくなり歩いて行ってみたところ5分ちょっとで着いた
コンビニの先に「八方の湯」という温泉がある。ここも歩いて行ける。また、八方の湯とは逆方向にも「みみずくの湯」という温泉がある
支払いは現地で行なう。現金のほか各種決済に対応
サイトの配置図。6番サイト、10番サイトが広め。6番は約14×9m。10番は約10×9m。
入口からサイト側を見たところ。右側手前から1番、2番~と並び、奥に見える建物の下が6番サイト。そこから左へ向かって7番、8番~と続く
県道沿いの1~6番サイト。ひときわ大きい6番以外は約9.5×8mで広さは十分
歩道側からサイトを見た様子。植木は植えて時間が経っていないのでまだ背が低い
県道脇には湧き水が流れる農業用水路があり、1~6番サイトにいると十分な水量の水が勢いよく流る音が聞こえてくるので聴覚的に涼しい
この建物は「グリルこうや」。オムライスなどが美味しいと評判のお店。小さいお店だそうで少人数での来店が基本。そしてこの店舗沿いが6番サイト
6番サイトは角地で壁沿いなので、その分サイズは大きめ。サイズは約14×9m。唐松岳、五竜岳方面の山がきれいに見える
7番、8番サイトの眺め
11番サイトの10番サイト寄りからの眺め
山側のサイトからは長野オリンピックで使われたスキージャンプ台が見える
今回は12番サイトを借りた。景色は素晴らしいが、晴れていたらなお絶景という
12番サイトから6番サイト方面を見る。山に詳しくないのでどれがどれとは言えないが、見えているのが白馬三山のようだ
すべてのサイトに100Vの電源がある。電源利用料は無料。電源ボックスの脇には夜になると点灯する照明がある
1つの電源ボックスに2サイト分のコンセントがある。サイトが広いので延長コードは持っていった方がいいと思う
たき火台を使ってのたき火はOK。薪の販売もあるし薪の持ち込みもOKとのこと

 水まわりの設備としては管理棟にトイレ、シャワー、炊事場がある。トイレは男性用が1つ、女性用が1つ、男女兼用が1つで、シャワールームは1つ。

 洗い物ができる水道、シンクは建物外に3つ(屋根と照明はある)。そして建屋内に給湯器付きのシンクが1つある。シンクはどれも深さがあり横には洗い物を置けるスペースがあるので使いやすかった。

 また、管理棟内には電子レンジと電気ポットがあり、24時間利用できるので食事を簡単に済ませたい場合も便利。ただし、トイレやシャワーでほかの利用者も使うので、管理棟内での飲食はNG。必ずサイトまで持ち帰って食べること。

管理棟。白馬キャンプ場利用者は自由に出入りできる
利用料金にゴミ処理代が含まれているので、白馬キャンプ場利用時に出たゴミは引き取ってくれる。チェックイン時に専用の燃えるゴミ用の収集袋が渡される
ゴミは分別回収なのでチェックアウト時は燃えるゴミ、ペットボトル、缶、ビンを分別してそれぞれの回収ボックスへ入れる
屋外の炊事場。シンクは3つある
センサーライトなので夜間は人が来ると自動で点灯。消灯も自動
室内には給湯器付きシンクがある
電子レンジとポット
右から男性用トイレ、男女兼用トイレ、女性用トイレと並ぶ
トイレは毎日きれいに清掃される。便座は温水洗浄式
奥にシャワールームがある
シャワールーム。ボディソープ、シャンプー、トリートメントは常備している
夕方になるとずいぶん涼しくなった。この日はホンダ純正アクセサリーのテールゲートカーテンで「車外の居場所」を作った。涼しい気候なので車外が気持ちいいのだ
夜の様子。付近に民家があるので車外での会話などは20時ごろまでにする。それ以前の時間であっても静かな環境のなかで話し声は考えているより通るので注意したい
あいにくの曇り空だったがとりあえず撮ってみた。雲の隙間からでも多くの星が写ったので、雲のない夜はさぞかしきれいな星空が見えるのだろう
夜中に雨が降り出して朝まで残った。山あいの地域なので天気予報どおりにいかないことが多いという
雨が降ったおかげで気温もさらに下がった。寝ているときも寒いと感じたが、連日の熱帯夜を過ごしていただけに全然困るものでなかった(笑)

 開設して間もない施設だが、白馬という人気の観光地にあり、大型のキャンピングカーでも利用しやすいためか、お盆までは予約がかなり入っているのことだった。

 そのため夏休みの利用は難しそうだが(とはいえキャンセルもあるので問い合わせる価値はある)、8月も後半になれば状況も変わる。

 そして冒頭でも書いたがお盆を過ぎると秋めいてくるということなので、混んでいる時期をずらしつつ、ひと足先に秋を感じに白馬村に行くというのはいいと思う。残暑疲れがリフレッシュできるだろう。

ここからは周辺の模様を少し紹介。白馬村にはアウトドア系の大型店舗が多く出店している。こちらはスノーピーク。ほかモンベル、ノースフェイス、パタゴニア、好日山荘、フルマークスなどがある
白馬のシンボル的な施設と言えばスキージャンプ台。入場料を払うとジャンプ台の上まで行くことができる。一番下からはリフトで上り、途中からエレベーターでノーマルヒル、ラージヒルまで行ける
ラージヒルの頂上に展望スペースまで行けるのだが、そこへは階段で行く。しかも屋外にあって雪が積もりにくいようメッシュの板を使っているので足元を見るとズドーンと下まで見える
ちょうどジャンプの選手が練習をしていた。この競技ができる人はホントにすごい