車中泊の拠点 RVパークを訪ねる
グランピングドームもある群馬・赤城の林間キャンプ場RVパークに行ってきた。新しくて設備充実なのに格安
RVパーク 赤城 ときわぎの森キャンプ場
2023年12月3日 00:00
RVキャンプ泊(キャンプ寄りの車中泊)にぴったりの宿泊ができる施設
群馬県の有名な温泉地、伊香保温泉からも近い渋川市赤城にあるのが「RVパーク 赤城 ときわぎの森キャンプ場」(群馬県渋川市赤城町持柏木1000)で、名称から分かるようにここはキャンプ場で、2023年7月にオープンした新しい施設。
主体はテントサイトだが、一部区画をRVパークの条件に対応するよう整備して日本RV協会に公認を受けている。
ときわぎの森キャンプ場は、三育社という企業が運営しているが、三育社の系列は埼玉県越谷市で約70年続いている保育園(社会福祉法人)。こちらでは保育園が2か所、小規模保育所が1か所、学童保育は3施設運営している。
そして現在の社長の代になってから、子供たちに「今以上にいろいろなことを体験してもらうこと」を目的に、約40年前に群馬県渋川市赤城に野外活動センターを開設したのだった(ときわぎの森キャンプ場はこの施設のそばに作った)。
この野外活動センターは親元から離れて生活する体験や、冬季はスキー教室の合宿所などさまざまに利用されてきたが、そんな野外活動の魅力を子供だけでなく、保護者を含めた大人まで広く体験してほしいという考えから作ったのが赤城 ときわぎの森キャンプ場ということだ。
そうした考えがあるので、施設はアウトドアレジャーを初めて体験する人にとって間口が広くなるよう、テントサイトのほかにグランピングサイトも設定している。RVパークを取り入れた理由も、車中泊という入口を含めたかったからとのことだった。
そして設備も子供連れファミリーユースを重視した作りになっていて、各サイトのサイズは大きめでトイレやシャワーの数も多い。また、管理棟の近くには子供たちが遊べる広いスペースを設けている。
特徴的な点として、木材などを使うもの作り体験プログラムの展開にも力を入れている。このプログラムではもの作りを通じて、工夫をすること、諦めない気持ちを育てること、不便であれば自分で作り出せばいいなど思考の成長に貢献することを狙いとしているそうだ。これらの体験プログラムは子供たちだけでなく大人も楽しめるものなので、施設利用者では親子で体験していくパターンも多いという。
ちなみにRVパーク利用者でも(子供がいないorソロでも)体験プログラムは利用でき、今後は火起こしなどブッシュクラフトの体験プログラムも開催していく予定だとのことなので、興味のある人は予約時に問い合わせてほしい。
RVパークは5台分。ときわぎの森キャンプ場の作りと設備を紹介
ときわぎの森キャンプ場のRVパークは5台分のスペースがあり、利用料金は3000円~と安価な設定。それぞれの区画には100Vの電源があって、この利用料も含まれている。
チェックインは14時~17時でチェックアウトは8時~11時の間となっている。
区画のサイズは縦の長さが9mで、横が4.5mと大型車にも対応。地面は若干の傾斜があるが頭の位置を上側にすれば気にならないレベルだ。それでも水平傾向を望むならタイヤの下に敷く板などを用意しておくといい。
ちなみにキャンピングカーユーザーは、訪れた先の駐車スペースごとに異なる地面の水平具合を調整するため、板を使うのは一般的なことのようなので、RVキャンプ泊ユーザーも持っていく道具のなかに傾き調整のための板を追加しておくといいかもしれない。
あと、山あいの施設なので冬季の積雪が気になるところだが、ときわぎの森キャンプ場周辺は雪があまり降らず、降ってもクルマの走行に支障が出るような積もり方はしないそうなので通年で利用できるということだ。
RVパーク以外のサイトも紹介
ここからはRVパーク以外のサイトを紹介していこう。なお、ときわぎの森キャンプ場はすべてのサイトにクルマを駐められるので、RVパークが満車だったりしたときはテントサイトに泊まるという手段もある(料金は6000円~)。
テントサイトなので当然テントを張ることもできるので、RVキャンプ泊、車中泊ばかりしている人であれば気分を変えてテント泊のキャンプをしてみるのもいいかも。テントを持っていなくてもときわぎの森キャンプ場にはレンタルテントもある。
各サイトはファミリーキャンプを意識して広めに取っているが、サイトのカタチはそれぞれで違うので、何回来ても配置を考えるおもしろさがある。ちなみにサイトのカタチが違うのは生えている木の配置を重視したためとのこと。林間キャンプ場ならではの事情だ。
もう1つがグランピングサイトで、料金は大人2名の利用で1万8000円~。定員は5名で大人1人追加ごとに3000円、子供1人追加ごとに2000円となる。
断熱材入りのドーム内部の広さは十分で、杉林が見える大きな窓もある。エアコンや冷蔵庫も設置されているし、コンセントの数も多いので、定員一杯で利用してもスマホの充電などに困ることはない。
デッキにはタープやテーブル、チェアがあってこれも利用できるし、サイトにはクルマ1台分の駐車スペースもある。トイレやシャワーは共用だが、設備から見るとここも安い料金設定のように思える。家族をグランピングサイトに泊めて、お父さんはRVキャンプ泊やテント泊で1人の時間を楽しむという家族利用もいいかも。
以上がときわぎの森キャンプ場の紹介だ。内容を見ても分かるようにオープン間もないながら、かなり人気で週末の予約は取りにくくなっている。ただ、ファミリー向けということで子供が休みでない平日になると空いているのだ。
取材も平日に行ったが利用者はほかに1組だけ。この施設を人があまりいない状況で利用できるのは贅沢な感じなので、平日に休みが取れるなら平日の利用をお勧めする。
ところで……
電源やトイレが整備されていてお風呂やシャワーが施設内や近くにあり、快適に安心して車中泊ができる場所がRVパークなのだが、その形態はワンパターンではない。
そもそもRVパークはキャンピングカーで旅をしている途中の宿泊地として設定されたものなので、1台分の駐車スペースを貸し出しする(車外へのテーブルやイスの展開は不可)というのがベーシックな形態としてまずある。
調理や食事、休憩、就寝などが車内でできてしまうキャンピングカーであれば、電源が取れる駐車区画だけあれば事足りてしまうので、これで十分と言えば十分。
そしてもう1つが、キャンプ行為もできるタイプのRVパーク。こちらは車外にテーブルやイスが出せて、さらに調理やたき火もできるといった特徴があるので、テント泊キャンプのような過ごし方ができる。
クルマもキャンピングカーに限らず、それこそ寝られるのならどんなクルマでもいいので、利用の間口はグッと広くなる。そして実際にRVパークではこの形態が主流であり、人気も高い。
屋外へのギアの展開の程度は施設によってそれぞれのルールがあるが、とにかくキャンプ寄りの車中泊ができるRVパークは「旅の途中に寄る」という利用でなく「レジャーの目的地として」として選ばれるので、ひと言で「RVパークでの車中泊」といっても前者と後者ではニュアンスが違っている。
この企画ではRVパークのなかでも「キャンプ寄りの体験ができる施設を主体に紹介しているので、車内で過ごす割合が多い車中泊とは表現のイメージを変えたいところ。なお、キャンプ寄りの車中泊に近い言葉にはオートキャンプという呼び名もあるのだが、オートキャンプではクルマをサイトに乗り入れつつも寝るのはテントの割合も多いなど、呼び名が示す内容が広いのでこれを使うのも少し違うようだ。
そんなことからRVパークを使うキャンプ寄りの車中泊のことをほかの車中泊と区別するため、記事のなかではこの手の車中泊を「RVキャンプ泊」と書いてみた。とはいえ「今後はこの呼び名にしよう!」など、威勢のいいものでなく、あくまでも記事中の表現をイメージしやすくするためなので、ツッコミはご勘弁をお願いします(笑)。