車中泊の拠点 RVパークを訪ねる
神奈川・宮ヶ瀬湖に近く都心から好アクセス。浴槽・シャワー・サウナの充実した入浴施設のRVパークに行ってきた
RVパーク中津川
2023年10月29日 00:00
キャンピングカーで旅する人が安心して宿泊できる場として展開しているRVパークだが、キャンピングカーに乗っていなければ利用できないというわけではない。
ミニバンや軽バンなど車種は問わないし、オートキャンプ場的に外へのテーブル展開やタープを張ることも可能な施設もあるので「旅の途中に寄るところ」ではなくて、キャンプ行為+車中泊を楽しむことを目的にしてもいい。
都内から行きやすい穴場的RVパーク
さて、今回紹介するのは、神奈川県愛甲郡にある「RVパーク中津川」(神奈川県愛甲郡愛川町半原125-1)。
こちらはもともとは会員制のキャンピングカー向け車中泊施設だったが、2019年5月にRVパークとして営業を開始。
代表の青山氏はこの施設のほかにも福島県にトレーラーハウスがあり、子供たちの情操教育になるよう来場者が利用できる畑なども備えた大規模なキャンプ場を作っていたが、オープンを間近に控えた時期に東日本大震災が発災。福島第一原発の事故の影響で立ち入り禁止となってしまった。しかもオープン前だったので補償を受けることができず、結局幻のキャンプ場となってしまったという。
都内からは中央道~圏央道と進み、相模原愛川IC(ETC専用)で降りて約30分ほど走ると到着。都心から行きやすい場所にある施設だ。思い付いたらパッとでかけるというような気軽な利用もできるところと言える。
相模原愛川ICから施設へ向かう国道412号線にはコンビニエンスストアが何件もあるし、RVパーク中津川の手前には「たからやフレサ半原店」というスーパーマーケットもあるので、食料品の調達に不便はないと思う。
RVパーク中津川は計6台が利用できる空間を用意しているが、そのうち3台分は「RVパーク中津川サイト」というスペースで、こちらは車外のテーブル、イス展開、外調理、たき火などのキャンプ的行為は不可なので、車内で調理など完結できる車中泊スタイル向けだ。
利用料金は1泊3000円。電源使用時は別途500円。お風呂(もしくは外のシャワー)の利用は中学生以上が500円、3歳以下は250円で、すべての支払いは現金のみ。利用時間は13時~翌10時。全長7mのキャンピングカーまで駐車可能だ。
筆者が利用したのは、「RVパーク中津川プレミアムサイト」というスペースだ。こちらは駐車区画の川側にウッドデッキがあり、イスやテーブルの展開が可能で、スペース内ではコンロなどの利用やたき火(たき火シート、たき火用バット、たき火台使用)がOKなので、キャンプ的な楽しみもできるところ。
眺望に関しても中津川や後ろの山が見えるので、いまの時期であれば清流の流れと紅葉をあわせて楽しめる。
施設の脇道を抜ければ中津川の河原まで歩いて行けるので、夏場は川遊びする人も多いという。なお、清流ということで釣りをしたくなる人もいるだろうが、釣りについては地元の相模川業業協同組合が設けたルールがあるのでそちらを確認してほしい。
「RVパーク中津川プレミアムサイト」の利用料金は5000円(電源使用料込み)、管理費として別途大人1人あたり500円、小学生は1人あたり250円。お風呂(もしくは外のシャワー)の利用は、中学生以上が500円で3歳以下は250円。薪や炭、たき火台、テーブルなどの有料レンタルもあり、肉や野菜などの食材の用意も依頼できるので、希望する人は予約時に注文しておくこと。こちらも料金の支払いは現金のみ、利用時間は11時~翌10時だ。
シャワーにお風呂にサウナまである入浴設備自慢のRVパーク
続いては場内の設備を紹介しよう。まず入浴施設だが、お風呂とシャワーがある。お風呂の場合は1回の利用が対象だが、シャワールームは複数回使えるので、滞在中、何度か体を洗いたい人はシャワーを選ぶといい。
「でも、シャワーだけじゃ……」と思うかもしれないが、こちらの施設のシャワーブースはなかなかに豪華。通常のシャワーのほかに体の温め効果が高いオーバーヘッドシャワーも装備されているし、ブース内には腰掛けてシャワーを浴びるためのベンチまで付いている。もちろんブース内も脱衣所もきれいだ。ただ1点、脱衣所には暖房がないので、冬場の利用は寒暖差に注意したい。
次はお風呂だ。RVパークに限らずアウトドア施設では浴槽付きのお風呂を設置しているところは少数派だが、RVパーク中津川は足を伸ばして入れるバスタブに、広い洗い場をもったバスルームを用意している。
しかも1組入浴が終わったら清掃とお湯の入れ替えを行なうので、次の人はきれいなお湯でお風呂に入れる。見知らぬ人が利用したお風呂に入るのが苦手な人であっても、これなら問題ないだろう。
お風呂を使う場合は受け付け時に入浴の時間指定を行なうが、予約の時間がきたらすみやかにお風呂に入るのがルール。まれに予約時間が夕食の時間と被ってしまい、入浴をあとまわしにしたがる人もいるそうだが、それは不可。あとの時間を予約している人に迷惑をかかるからだ。
余談だが、RVパーク中津川に限らず、ほかのRVパークやキャンプ場でもたき火や夜間の会話マナー、消灯時間、ゴミ処理など、施設ごとに「ローカルルール」がある。利用者同士が気持ちよく過ごすためのものだが、それ以外にも施設近隣への配慮も含まれている。
家族連れにお勧めのトレーラーハウス
RVパーク中津川ではトレーラーハウス泊のプランも用意している。トレーラーハウス泊の料金は1泊2万2000円(管理費は別途1人1000円)だが、5名までこの料金で宿泊ができるので、家族やグループで利用すればリーズナブルにトレーラーハウス泊が楽しめるのだ(寝具は4名分が基本、追加1名分は別途1000円)。
トレーラーハウスにはお皿、グラス、包丁、まな板などの備品があり、ウッドデッキにある東屋も使用できる。ここにはバーベキューコンロやイスなどがあるし、肉や野菜など食材などのオーダー(事前予約)もできるようになっている。
ちなみにこのトレーラーハウス、家族連れで利用するだけでなく、お父さんはひとりの時間を楽しむためにプレミアムサイトを借りて車中泊、家族はトレーラーハウスに泊まる、というスタイルの利用もあるそうだ。また、RVパーク中津川の側にはバス停があるので、電車、バスできてトレーラーハウスに泊まるというグループもいるし、お風呂の環境もいいので泊まりの女子会の場として利用されることもあるという。
ロケーションがよくて設備も充実しているRVパーク中津川は、おそらく一度の利用では施設を堪能しきれないという印象だったが、実際リピーターも多いという。都内からも近いので、それこそ思い付いたらすぐに行けるのもいいところだ。
そして秋から冬にかけての早朝には、ウッドデッキから見える中津川に朝霧がかかって幻想的な光景も見られるというので、筆者も楽しみにしていたのだが、実は今回は施設に泊まることなく帰宅しなければならない状況になってしまった。
撮影や青山氏への取材、雑談を終えてN-VANに戻り、夕食のためにコンロでお湯を沸かしていたが、ちょっとした油断からぐらぐらに沸いた熱湯を右足にざばっとかけてしまった。
慌てて靴やソックスを脱いで冷水で冷やしたが広い範囲で深めの火傷を負ってしまったのだ。
急きょ病院へ行き処置を受けてRVパーク中津川へ戻ったが、火傷はあとから痛みが増えることもあるし、感染症の心配もあるので宿泊は断念。そのためお風呂の利用もできてないので、お風呂の感想も書けないし、朝霧の撮影もできずと消化不良なレポートになってしまったことは、記事を読んでいただいた方には大変申し訳ないと思っているが、予想外のトラブルだったのでどうかご了承いただきたい。
アウトドアレジャーはケガの確率が高いことは理解していたはずなのに、まんまとやらかしてしまった今回。痛い思いはしたが、「火やお湯を使うことには注意」ということを改めて思い知ったのは、いい経験になった。慣れない道具を使うことも多いだけに、慎重にやろうと思えたのも、今後のことを考えると収穫と言える部分だと捉えている。この記事を読んでいる方にたいして偉そうに言えるわけでもないが、アウトドアではケガや事故がないよう、くれぐれも気をつけていただきたい。