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普段使いしやすいキャンピングカーがほしい! 乗用車+ポップアップルーフに注目の「ジャパンキャンピングカーショー2024」レポ

2024年2月2日~5日 開催

年に数回のアウトドアレジャーであれば乗用車の機能を残したままのライトな装備のキャンピングカーが向いているかも

 日本RV協会は年間通じて全国各地でキャンピングカーの展示会を開催しており、そのスタートイベントが千葉県・幕張メッセでの「ジャパンキャンピングカーショー」である。今年は「ジャパンキャンピングカーショー2024」を2月2日~5日の4日間の日程で開催した。

千葉・幕張メッセで毎年開催しているジャパンキャンピングカーショー。毎回、多くの来場者が訪れる。展示車の販売も行なっているので、購入希望者は目当てのクルマを手に入れるため初日の朝一番から会場入りしている
今回は日産自動車もブースを展開。キャラバンMYROOOMとキャラバンマルチベッドを展示した
昨年発表したキャラバンMYROOM。2024年夏に発売予定
高品質な木材をセンスよく使った居室の作り。シートからベッドへの展開やテーブルの使用法など車中泊に限らず、部屋としていろいろ使えるのが特徴
キャンピングカーと聞くと想像するのがこのタイプではないだろうか。トラックの荷台部分に居室を載せたキャブコン。居室の快適さを優先する場合はこのタイプがオススメ
ハイエースやキャラバンといった大型バンをベースにしたバンコン。日本の市場で人気があるのがこのタイプだ
キャンピングトレーラーは牽引免許不要のモデルも多く、セダンやSUV、スポーツカーを所有しているユーザーからの注目度も高い
ソロでの利用を中心に根強い人気の軽キャンパー。排気量は小さいがターボモデルであれば山越えのルートであってもストレスなく走れる
フィアット プロフェッショナル「デュカト」の人気が高い。この車両はキャンピングカーアワード2024のアワード車。トイファクトリーが製造する「DA VINCI 6.0」
キャンピングカーアワード2024はタレントの小山慶一郎さん(NEWS)が受賞していて、1年間DA VINCI 6.0が貸与される

 キャンピングカーは数日間に渡る旅に対応できるような車両であるが、日本のキャンプスタイルは1泊というケースが多く、さらにはオートキャンプ場やRVパークなどが目的地となる傾向なので、機能としての優先順位は就寝スペース→空調→調理の順だし、泊まった場所がキャンプ場であればたき火を含めて調理は屋外でやることも多い。食を目的にする人であれば現地のお店に食べに行くこともあるだろう。

 そんなわけで、日本のキャンプスタイルでは車内調理の機能がなくても困らないことも多いので、キャンピングカーには就寝スペースやキャンプギアを展開する際の基地的な機能があれば十分という声も少なくない。

 ということで、今回の記事では就寝の機能をメインとしたライトなキャンピングカーを中心に紹介していくが、こうしたモデルは車両の改造度合いが低く済むことから、内装を大きく変更できない(しない)乗用車ミニバンがベースになる傾向だ。

 乗用車ミニバンであれば乗り心地や静粛性も高いし、自動ブレーキなどの予防安全機能のほか、前走車追従型クルーズコントロールやレーンキープアシストなど高度な運転支援機能も装備しているので、クルマとしての魅力も高い。乗用車ミニバンベースのキャンピングカーは、キャブコンやバンコンとは違う価値観で選べるクルマと言えるだろう。

ミニバンは子育て時代に選ばれるクルマでもあるので、小さい子供がいてアウトドアレジャーをしたいという世帯にとってはベース車にぴったり
装備が充実しているし、予防安全機能や運転支援機能がついているところもミニバンベースを選ぶ理由の1つ

乗用車+ポップアップルーフで普段使いとレジャーを両立

 キャンピングカーショー2024の展示車のなかで、乗用車キャンパーの展開に一番力を入れていたビルダーが「ホワイトハウス キャンパー」だ。こちらでは数台のミニバンキャンパーを展示していたが、そのなかで注目を集めていたのがホンダの新型N-BOXをベースにした「N-BOX Camper Neo」。

 N-BOX Camper Neoにはサブバッテリーなどキャンピングカー的な装備が付いたグレードも用意されているが、展示していたのはノーマル車にポップアップルーフと車内LED照明だけ装着したベーシックな「POP」というグレード。

 本格的なキャンピングカーが並ぶ会場では地味に見える車両かもしれないが、ポップアップルーフテントという非日常的な場所での就寝体験ができつつ、N-BOXの便利さ、室内の快適さはそのまま使える姿に魅力を感じた人も多いのではないだろうか。

ホワイトハウス キャンパーが出展していた「N-BOX Camper Neo」。新型N-BOXが持っている車内の広さや便利さはそのまま、ポップアップルーフが付くことで「寝る」も快適にこなせる
軽自動車では寝るスペースを作るために居室の機能が犠牲になることも多いがポップアップルーフ付きであれば室内はそのまま
取り付けにはルーフの加工を行なう。大人2名が就寝できるスペースができる

 乗用車ミニバンは構造上、シートの変更などできないので、貨物車ベースのバンコンと比べるとオリジナリティを出しにくい面もあるが、それでも就寝前の歯磨きなどに便利なシンクが備えてあったり、テールゲートを開けると引き出し式のテーブルが出てきたりといろいろな工夫が盛り込まれている。

 そのためキャンプ地では外に展開するイスやテーブルといったギアとあわせて使う基地的な存在となり、調理をしないと割り切ることで車内は快適な寝泊まりを第一考えた作りにできるのだ。

 テントではなく車内で寝るなら天候の急変でも慌てないで済むし、獣が寄ってくるなどの異変があっても安全性は保たれる、また、入浴やトイレなどでサイトを離れるときは貴重品などクルマに入れてロックできるので防犯面でも優れていて、プライバシー保護の効果も高いなどメリットが多い。

ホワイトハウスキャンパー製の「DECK ONE」。ホンダ ステップワゴンがベース。「JOY」というトップグレードではサードシートを外してスペースにギャレーを設けている
フロント回転シートは全グレードに装備可。セカンドベンチシート(フラットベッド)を装備しているモデルもあり、こちらは車内でも快適な車中泊ができる
N-BOX同様、室内ノーマルでポップアップルーフのみ付けるグレードもある。クルマをギア運搬+テントとして使いたい人ならこのグレードが最適かも。なお、ホワイトハウスキャンパーのポップアップルーフはテント部の生地に凝るなどほかとの差別化も行なっている
バンテックが出展していた「MR」というモデル。トヨタのノア&ボクシーをベースにして、FFヒーター、ビルトイン電子レンジ、サブバッテリーなどキャンピング設備を備える。ベッドスペースは1900×1100mmと広く、ベッドをしまうと5名で乗車できる
乗用車用シートの上にベッドを設けているので天井までが近くなるのも乗用車ミニバンベースの特徴。それゆえポップアップルーフが使いやすい
ポップアップルーフはオプション。就寝スペースとして便利というだけでなく、上げていると車内でまっすぐ立つこともできるので、着替えがしやすい。また、キャンプ地でポップアップしたスペースを荷物置きとする使い方もある
トヨタモビリティ神奈川の「ボクシー アルトピアーノ」。ポップアップルーフを装備した特別仕様車。ノアバージョンもある
室内はノーマルなので普段の利用にまったく不都合はない。ノア、ボクシーの快適さはそのままだ。ルーフ後方にポップアップルーフのスペースへの入口がある
ラゲッジも広いのでキャンプギアを多く運べる。また、ポップアップルーフだけでなく、車内でも寝たいという人向けにオプションでベッドキット+段差マット2枚の用意もある
デリカD:5のサードシートを取り外し、新たにフレームを追加。それにより2名分の就寝スペースが作れるベッドキットを装着したモデル
ベッドは2080×1360mmと広い。オプションとしてサブバッテリー、クーラーなどの電装品からFFヒーターなどが付けられるため、ベーシックな車中泊仕様から装備充実のキャンパー仕様までスタイルが選べる
ケイワークスのデリカD:5 クルーズ Camperエディション。車内の就寝人数は2名だがオプションのポップアップルーフを付けると就寝人数は4名になる
オプションとしてFFヒーター、12Vクーラー、リチウムイオンバッテリーなどが付く。ポップアップルーフもオプション。デリカD:5というタフなクルマをキャンピングカーにすると行動範囲はグッと広まりそうだ
コンパクトながら広く使い勝手のいいホンダ フリード+の室内をリビング&ベッドスペースにしているロッキー2のフリード+MV。ソロ、もしくは2名で使うのがちょうどいいクルマ
1800×1270mmのベッドスペースが作れるだけなく、対面対座のシートスペースにもなるので車内で快適に過ごしたい人向き。サブバッテリー、走行充電、インバーター、FFヒーターなども装備できる
トイファクトリーが発売するトヨタ ランドクルーザー70用のベッドキット装着車
大人2名が就寝できるサイズのベットが作れる。ラゲッジ部にスチール製フレームを組み、セカンドシートをたたんでその上にマットを敷く
ベッド下に収納スペースも作れる。ただ、天井は近いので食事や着替えは車外でやる方がよさそう

電動車をベースにしたキャンピングカーの魅力

 日産の電動車技術であるe-POWERや三菱自動車のPHEVなど、駆動用の大きなバッテリーを搭載している車両では、サブバッテリーを積んだキャンピングカーのように、車中泊やオートキャンプの際、電気まわりを改造したりせず、もともと持っているクルマの電気で消費電力の大きな電気製品を動かしたり、煌々と照明を点けたりといったことが可能だ。

 そのため、今回取り上げているようなライトなキャンピングカーの仕様であっても電動車でのキャンプや車中泊はグッと便利になる。

 また、電動車は運転支援機能など、最先端なものが使われる傾向にあるので、ほかのクルマとは違った移動の快適さも味わえたりする。人とは違うキャンピングカー、車中泊仕様車に乗りたいと思うのなら電動車をベースにしたモデルを選ぶのはアリだ。

日産ピーズフィールドクラフトが展示していた新型セレナe-POWERベッドスペースの「セレナP-SV」。ポップアップルーフは標準装備。室内のアンダーベッドや100V1500WのAC電源はメーカーオプション
セレナP-SVのインテリア。展示車には回転シートが付いていたので2列目と向かいあわせのダイネット展開となっている
テント部はフルクローズのほか、メッシュ、オープン、そしてレインカバーと使い分けることができる
西尾張三菱自動車販売が窓口になるMDFエクイップメントのアウトランダーPHEV E:POP。ポップアップルーフが標準装備。駆動用バッテリーが満充電であればエンジンを掛けずにエアコンが約8時間使える
オプションのベッドキットを追加すると車内にも奥行きが1800mm、幅が1100~1300mmのベッドスペースが作れる
ポップアップルーフへの入口は広く取られている。ルーフテントには大人2名が就寝できる

会場で気になったアイテムも紹介

 ジャパンキャンピングカーショー2024ではキャンピングカーのほかに用品、部品のブースも出ていた。そこでここからは気になったアイテムを紹介していこう。まずは旅には欠かせないカーナビから。

 最近の純正ナビは高機能なので社外ナビに変える必要もないと思う人もいるが、社外ナビは車内で映像などや音楽を楽しむことに進化しているのでキャンピングカーやレジャーに使うクルマには選ぶメリットは多い。

 最初に紹介するのはパナソニックのカーナビステーションF1X。この機種はBlu-rayディスクが再生でき、表示部は有機ELディスプレイなので高画質な映像再生が楽しめることが特徴。また、ディスプレイのサイズも10V型と大きい。

 そしてディスプレイは左右への首振りに加えて、上下にも動かせるのでベッド展開をした状態でも見やすい位置に調整ができる作りだ。なお、キャンピングカーではカーナビをサブバッテリーの電源で動かせるような電装の改造も行なうことが多いので、キャンプ地で映像を楽しみたい人はその仕様にしておくといいだろう。

パナソニックストラーダF1X。10V型有機ELディスプレイを採用するハイエンドモデル。ディスプレイに外光が当たっても視認性がよく、斜めから見ても見やすい。Blu-ray再生機能も装備
ディスプレイは薄型軽量にこだわった作り。ボディの材質はなんとマグネシウム。複雑な動きをガタ付きなく、そしてスムーズに動かせるヒンジの作りも絶品。機械好きが作りのよさで選んで買っても納得できる製品

 次はパイオニア カロッツェリア サイバーナビ AVIC CQ912III-DC。こちらはネット機能が充実しているのが特徴。ネットワークスティックというドコモ回線のデータ通信機器を使うことで(定額使いたい放題。1年間無償使用権付き)スマートフォンをつながずにYouTubeなど見ることができ、さらに自宅のレコーダーの映像をクルマからリモート再生できる。

 また、車載テレビチューナーでは電波がつかまらない場所であっても、自宅のレコーダーがネット対応でテレビにつながっていれば、レコーダー経由でテレビを見ることもできるのだ。それにサイバーナビ自体がWi-Fiスポットになるので、Wi-Fiの電波が飛んでいない場所であっても乗員はデータ通信を行なうことができる。

パイオニア カロッツェリア サイバーナビ AVIC CQ912III-DCはデータ通信機能面に強い機器。出先でもデータ通信に不便を感じたくない人はこれ一択か
フロントディスプレイ+フロントスピーカー。それにリアディスプレイ+リアスピーカーをそれぞれ分けて映像と音声を出力できるので、車内で違う映像が楽しめる
ここからは写真で紹介していく。ホワイトハウスキャンパーが取り扱う「Takibi」ブランドのエアベッド。内部に「柱」のような構造があるのでエアベッドにありがちな不快な沈み込みや折れ、変形がない。ミニバンのシートを倒したような段差がある条件には特によさそう
シングルは2000×1000m、ダブルは2000×1500cm、キングは2000×1800mmで厚みはすべて200mm
充電式電動ポンプが付属(左)。空気入れだけでなく空気を抜くこともできるので展開、撤収も楽
TCLが扱う初期消火用の消火具「ファイヤー ショーカ スティック」。欧州のキャンピグカーでは高い装着率になっているという
先端をマッチのようにこすって使用。噴射時間は100秒(ロングタイプ)と長く、手を離しても噴射が続くので、火元の近くに置いてから安全な位置まで避難もできる
ロングドライブではシートの性能次第で疲れが大きく変わる。クッション性はもちろん、カーブで身体が横にずれないホールド性のいいシートにすると身体によけいな力が入らないので疲れにくくなる。日本のスポーツシートメーカー「ブリッド」が出展していた「ディーゴIIIライト クルーズ」はキャンピングカーに人気のシート