地元誌編集長の「ハワイ現地発」

【ハワイ現地発】次のハワイで飲みたい、ビール10本。2026年秋

 ハワイのビールが、ますますおもしろくなっている。ローカルのブリュワリーから個性豊かなビールが次々と登場。店頭に並ぶ缶のデザインには、それぞれにブリュワリーの思いが込められていて、思わず手に取ってしまうのも魅力の一つ。

 もちろん、味わいもさまざま。ハワイらしいトロピカルなものから、麦芽の香ばしさ、ホップの華やかな香りを楽しむものまで。ひと口飲めば、ハワイの景色が浮かんでくるようなビールにも出会える。

 今年も、ビールとビーチをこよなく愛する私が選んだ、お気に入りの10本。さらに今回は、ローカルの友人が米本土から持ってきてくれた、日本ではなかなか味わえないビールもおまけに紹介したい。

 いつだって、異国のビールは楽しい。次のハワイで選びたい一杯を、ぜひ見つけてほしい。

パイナップル・チチ(マウイブリューイング・カンパニー)

パイナップルチチ。限定リリースだが9月現在は各スーパーマーケットにあり!
パイナップルとココナツの味で暑い季節にトロピカルな空気に包み込まれる

 まずはハワイらしいトロピカル系の代表格はこちら。パイナップルとココナツを使った、まさにハワイらしい1本。トロピカルな香りとまろやかな口当たりで、ビールというより、南国のカクテルを思わせる味わい。苦味は穏やかで、ビールが苦手な人にも試してほしい。ハワイの定番カクテル「チチ」をイメージしたような、遊び心のあるビール。アルコール度数を示すABVは4.8%でそれほど高くないので、ぜひ昼間に味わってほしい。私はこの夏、日曜のランチタイムはほぼコレだった。

メロウ・ウェイブス(アロハ・ビア・カンパニー)

メロウ・ウェイブス。サンセットを思わせるデザイン。中はヘイジー(濁り系)

「ビールの苦味がちょっと苦手」という人にオススメしたい。オレンジピールを使ったベルジャン・ホワイト系の独特の味わいのビールで、明るい柑橘の香りと柔らかな口当たりが特徴。缶のデザインとともに味も少し変わったように感じるけれど、苦味を示すIBUはわずか5。軽やかで爽やかな味わいなので、暑い日の夕方にゆっくり楽しむのにもぴったり。「ブルームーン」というビールのように、オレンジスライスを乗せて飲むのがさらに美味しく飲む裏ワザ! ABVは5.2%。

アロハ・ラガー(アロハ・ビア・カンパニー)

アロハ・ラガー。デザインの愛らしさについつい手をのばしてしまう
ヤシの木、ゲコー、ハイビスカス、ココナツにホップも描かれている

 缶のデザインがなんともハワイらしい!と手に取った1本。Webサイトによると、米を使ったラガーで、キリッと、そして後味はドライというが、すっきりしながらもやわらかな余韻が残るところが魅力だと思っている。個人的にはラガービール独特の苦味があまり好きではないのだけれど、このラガーはそれを感じさせない。仕事のあとの一杯にもぴったりだし、汗をかいた日などにも飲みたいタイプ。ABV 4.8%、IBU 22。

アロハ・ブロンド(アロハ・ビア・カンパニー)

アロハ・ブロンド。黒を背景に波とプルメリアによるデザインがユニーク

 アロハ・ビアのなかでも軽やかなスタイル。麦芽のやさしいコクをベースに、ホップの香りをほんのり効かせ、すっきりと仕上げている。苦味も強くなく、クラフトビールを飲み慣れていない人の最初の一杯にもお勧め。ハワイの気候に合う、ちょうどいいゴールデンエール。ABV 4.8%、IBU 20。

ダ・ハワイ・ライフ(マウイブリューイング・カンパニー)

ダ・ハワイ・ライフ。「Lite=単に味が薄い」ではなく、IPAのような味を感じさせるめずらしいライトビール
描かれているのはマウイのイベント「エピック・スイム・ハワイ」で、そのオフィシャルビールとなっている

「軽いビール=味も薄い」とは限らない!と驚いたライトビール。このライト・ラガーは、CitraとMosaicというホップを使い、柑橘の香りとクリーンな飲み口を実現したという。110カロリー、ABV 4.2%と軽やでありながら、麦芽の風味もしっかりして、IPAのような味を感じられる。「このアルコール度数だし!」と言い訳をしながら気軽に何杯でも楽しんでしまう。なお、缶のデザインは同ブリューイングがスポンサーとなっているマウイ島を泳いで1周する「エピック・スイム・ハワイ」。IBU 15。

ローラル・コンパス(ホノルル・ビアワークス)

ローラル・コンパス。大量のドライホッピングによる香り高い1本
ハワイの海の守り神、ホヌ(アオウミガメ)が描かれている

 ホップにこだわる人へのお勧めはこれ。名前の「Loral」はホップの品種名。このビールは、そのLoralホップを大量にドライホッピングすることで、苦味を強くし過ぎず、香りを引き出しているのだとか。「ホップが強い=苦いビール」ではないということを教えてくれた1本。口にすると軽い柑橘感が広がり、続いて花や草を思わせる香りが。IPAほど苦くないのに、ホップの魅力をしっかり感じられる、クラフトビール入門としても最適。ABV 5%、IBU 20。

レッド・ツェッペリン(アロハ・ビア・カンパニー)

レッド・ツェッペリン。昔ながらの苦いIPAを知るなら迷わず選びたい

 ビール好きなローカルの友人たちが大好きなのがこれ。以前は「アロハ・ビア・カンパニー」の店でしか飲めなかったのが、スーパーマーケットで缶が販売されているのを見て即買いした。「Old School IPA」とは、近年人気のジューシーで苦味控えめなIPAとは対照的な、昔ながらの力強いIPAのこと。「本来のIPA」を楽しみたい人にお勧め。カラメルのような麦芽のコクに、柑橘、花を思わせるホップの香り。しっかりした苦味だけではなく、コクと香りのバランスも楽しめる。ABV 6.2%、IBU 62。

PGB(ホノルル・ビアワークス)

PGB。女性たちが造った、ストーリーのあるビール
発売当初はすぐに売り切れたことから、定番化された

 以前は名前を省略せずに販売していたが、略語となって再登場(正式名は結構インパクトがあるので控えておくことにした……)。でも実は女性たちが醸造し、女性のビール業界を支援するために生まれたビールなのだとか。Extra Pale Aleは、IPAに近いスタイルで、柑橘や松、ストーンフルーツ、草を思わせる香りが特徴。しっかりホップの苦味を感じ、後味はドライ。名前の背景まで知ると、さらに味わい深く感じられる。ABV 6%、IBU 38。

オクトーバーフェスト(セント・アーノルド・ブリューイングカンパニー)

オクトーバーフェスト。秋の収穫を祝うためのこの季節だけの1本

 毎年各ビールメーカーが「秋の収穫を祝うビール」として作るオクトーバーフェス。これはテキサスのビール。私の飲み仲間であるローカルの友人が、家族でテキサスに引っ越したのが7年前。彼が今年ハワイに戻ってきてからは、テキサスのビールを飲む機会が増えた。今もテキサスに家があるのでしょっちゅう向こうに行っては「テキサスのブリュワリーベスト」を調べて買ってきてくれる。なかでもこの1本は、飲んだ瞬間、その豊かなコクが美味し過ぎて興奮してしまった。3種類のミュンヘン系麦芽を使い、キャラメルのような風味と、ほんのり甘みのある丸い味わいに仕上がっている。苦味は控えめで、しっかりしたボディ。ハワイで秋を感じる1本だった。ABV 6.6%、IBU 18。

クロフォード・ボック(カーバック・ブリューイングカンパニー)

クロフォード・ボック。「テキサスのビール」+「野球文化」というアメリカらしさを楽しめる

 テキサス州ヒューストンのカーバック・ブリューイングがメジャーリーグのヒューストン・アストロズとのコラボレーションとして球場文化をイメージして造るビール。アストロズの球場ビールとしても親しまれているという。「球場で買うと高いよ~!」と友人が教えてくれた。味わいはモルトの香ばしさにキャラメルやナッツのような風味が重なり、ほのかに柑橘のニュアンスも。苦味は穏やかで、しっかりしたコクがありながら飲みやすい。ABV 4.5%、IBU 15。

おまけ

おまけ。昨日、コストコで見つけたオクトーバーフェスト。これは今夜グピっといく予定!

 味わい、缶のデザイン、ブリュワリーのこだわり……。知れば知るほど楽しくなるのが、ビール選び。例えば、今回紹介したマウイ・ブリューイングは、保存料や風味を加えるための添加物を一切使っていないと記載されているのも、うれしい発見だった。

 冷蔵庫を開けると、色とりどりのビールが並び、冷えたグラスが出番を待っている。その光景を見るだけで、ちょっと幸せな気分になる。そして、私が気を付けているのは、同じビールを続けて飲まないこと。味に慣れてしまうと感動が減ってしまうから。今日はこれ、次はあれ……と選びながらビールライフを楽しもう!

大澤陽子

ハワイで発行している生活情報誌「ライトハウスハワイ」編集長。日本ではラジオアナウンサー、ライターとエディターとして活動。2012年にハワイへ移住。新聞やハワイのガイド本などの編集に携わる。ハワイのビーチとビールをこよなく愛している。