地元誌編集長の「ハワイ現地発」

【ハワイ現地発】ローカルが通うカフェ・ダイニング。地元流の楽しみ方

 ハワイのカフェ・ダイニング事情は今や広く知られるようになった。SNSで話題の店はすぐににぎわう。

 ただ、ローカルの友人たちと「どこかいい店、見つけた?」という話になるとき、出てくる店名はそれとは少し違う。観光客に人気の店でも「実はこう使う」という地元流があったり、ローカルエリアの穴場だったりする。

 今回紹介するのは2軒。1軒はワイキキのど真んなかの有名店だが、地元の常連が知っている使い方がある。もう1軒は地元の人が集まるエリアの小さなカフェ。どちらも「また来たい」と思わせる理由が、ちゃんとある。

アイランド・ヴィンテージ・ワインバー(Island Vintage Wine Bar)
フィグ&ジンジャー・ホノルル(Fig & Ginger Honolulu)

常連の裏技があるワイキキの超有名店「アイランド・ヴィンテージ・ワインバー」

 常に行列ができているロイヤル・ハワイアン・センター2階の「アイランド・ヴィンテージ・コーヒー」。毎日焙煎する100%コナコーヒーに加え、アサイーボウルやポケボウルなど何を食べても外れがない。観光客にもローカルにも人気の理由は、その安定したクオリティにある。

ロイヤル・ハワイアン・センター2階にある「アイランド・ヴィンテージ・コーヒー」
隣接する「アイランド・ヴィンテージ・ワインバー」はロイヤルハワイアンの中庭を臨める

 とはいえ、行列に並ぶのがちょっと……という気持ちは否めない。そんなときにローカルが利用するのは隣の「アイランド・ヴィンテージ・ワインバー」。ここでまったく同じメニューをオーダーできるのだ。しかも「太平洋のピンク・パレス」と呼ばれるロイヤルハワイアンの緑豊かな中庭に面した席でゆったりとした時間を過ごせる。ランチタイムを避ければ、待たずに座れるので、知っているだけで体験がまるで変わる。

 お勧めは14時ごろの遅めのランチ。キッチンマネージャーでもあるクリスティーン・リー・シェフの腕とセンスは秀逸で、和牛バーガーなど数々の看板メニューを生み出してきた。どの料理も新鮮なハワイの野菜が添えられていることも特徴的。例えばハワイでロコモコを頼めば、ご飯にハンバーグと目玉焼き、グレービーソースで茶色一色の皿が出てくるのが定番だが、ここは違う。

右はカフェのシグネチチャーのヴィンテージ・コナ・モカ(8.95ドル)。後ろのケールとアサイーのスムージー(13.95ドル)なども人気
人気の和牛バーガー(25.95ドル)は自家製パテにワサビを効かせたアイオリソースを合わせ、ブリオッシュのバンズではさんでいる

 着席したら、まずはヴィンテージ・コナ・モカ(8.95ドル)で始めたい。ヘルシー志向の常連の間で人気なのが、オレンジ&チキンサラダ(23.95ドル)。オーダーの裏技があり、通常のパン粉焼きチキンを、「ローストチキン」にできる。ジューシーなオレンジとパイナップルとの相性が際立ち、オリジナリティあふれるサラダを堪能しよう。たっぷりのオーガニック野菜に自家製バルサミコドレッシングとビーガンランチアイオリソース、ガーリックブレッドも付く。

オレンジ&チキンサラダ(23.95ドル)。野菜とチキン、ガーリックトーストになます(酢漬け)が添えられているのもハワイならでは

 私が毎回オーダーするのは、ポケボウル。今回はスパイシーポケ(25.95ドル)を。フレッシュなマグロをスパイシーなアイオリとプチプチのまさご、シーアスパラガス、アボカドと和えている。海苔、ガリ、グリーンの野菜も添えられ、「ポケとご飯だけを食べ続けると飽きる」ということが一切ない。オーダーの際に、白米、キヌア、ソバ(1.50ドル)などから選べるので、ぜひ五穀米を。もっちりとした炊き上がりで「米だけ売ってほしい」と言われるほどだ。

スパイシーポケ(25.95ドル)。いわゆる地元のポケ丼とは一線を画している。それなりの値段だが、一度食べると納得のクオリティ

 すでに満腹だったが、この日は季節限定のライチのアサイーボウルも登場していると聞き、追加。ライチの瑞々しさとココナツアイスクリームの組み合わせは、これまでにないアサイーボウルの味わいだった。旬のものは多少ムリをしてでも食べるべきだと実感した。

アサイーボウルはアサイーも自家製グラノーラもオーガニック(各種15.25ドル~)。期間限定のライチ・ハウピア・モアナ・ボウルは21.20ドル。片手で持ちきれないほどのボリュームだった

「美味しかった~」という満足感と、開け放たれた窓から風が入る快適さ、明るくフレンドリーな接客が、今回も「また来よう」と思わせてくれた。ワイキキに勤める知人は、仕事帰りにカウンターで一杯だけ飲んで帰るというので、私も次回は「おひとりさま」をしてみようと心に決めている。

今回サーブをしてくれたピアソンさん。さわやかで丁寧な接客がより一層食事の時間を豊かにしてくれた

ローカル色が強いエリアの隠れ家カフェ「フィグ&ジンジャー・ホノルル」

 このカフェを知ったのは、ローカルの大先輩からの誘いがきっかけだった。早朝から働く彼女から「元気? お茶しよう」とメッセージが届き、朝9時に待ち合わせた。

 場所はワイキキから歩ける距離にありながら、集まるのはほぼ地元の人というマッカリーショッピングセンター内。ドアを開けると、そこに広がるのは白を基調としたナチュラルな空間。騒がしさがなく、ワイキキとは別の時間が流れている。

白と淡いブルー、ベージュなど優しい色合いで統一された店内

 女性2人で経営するブランチカフェで、一言で言うなら「ちょうどいい」店。清潔で静かで、一人でも複数でも居心地がいい。毎回異なるデザインのコーヒーカップで提供されるなど、こまやかな気遣いも心地がよい。メニューはローカル価格で、駐車場が目の前にあり、営業は14時まで。朝も昼も気軽に立ち寄れ、3週連続で通ったこともある。最近ランチタイムは混み始めているので、早めの時間に行けばゆっくりできる。

毎回違うコーヒーカップに出会え、食器へのこだわりを感じさせる(アメリカーノ5ドル)
ハート形のスプーンがコーヒーに添えられてきたことも!(ラテ6ドル)

 決まってオーダーするのはブレッド系。マッシュドアボカド(17ドル)は、ほどよくトーストされたパンに完璧なポーチドエッグ、オランデーズソースがとろりとかかったアボカドトースト。オーシャン(18ドル)は、スクランブルエッグの上に幾重にも重なるスモークサーモン、ディルクリームといくらをトッピングしたトースト。どの一皿も彩り鮮やかなプレゼンテーションで登場する。

野菜もトッピングされているマッシュドアボカド(17ドル)
少量に見えるがどっしりボリュームのあるオーシャン(18ドル)
エッグベネディクトでサーモンをチョイス(不定期メニュー)
シンプルで絶品のハム&チーズを挟んだバゲット(不定期メニュー)

 一見すると量が少なく見えるが、女性にはちょうどいい。食べきれず、持ち帰ることもあるのだが。

 もう一つ知っておきたいことがある。実はここ、本来はチーズやシャルキュトリーなどの盛り合わせプレートの専門店。チーズ、フルーツ、クラッカーなどを華やかに詰めたボックスを作ってくれるのだ(ミニ・グレイズ&ゴーボックス20ドル~。24~48時間前までにオンラインで注文)。小さなパーティやディナーのアペタイザーとして最高の一皿になる。

 ローカル流の使い方は、予約注文しておき、カフェでブランチを楽しんで、帰りにピックアップ。ワイキキのホテルに泊まっているなら、ラナイにワインとこのボックスを持ち込む夜を、ぜひ一度試してほしい。

友人が、食事を終えて「オーダーしておいたの!」と言って受け取ったミニ・グレイズ&ゴーボックス(20ドル)
大澤陽子

ハワイで発行している生活情報誌「ライトハウスハワイ」編集長。日本ではラジオアナウンサー、ライターとエディターとして活動。2012年にハワイへ移住。新聞やハワイのガイド本などの編集に携わる。ハワイのビーチとビールをこよなく愛している。