週末駅弁
茅野駅「昭和百年弁当」
2025年5月16日 12:00
令和7年は、昭和が続いていれば100年となる記念すべき年らしい。そんな年にちなんで生まれたのが今回紹介する「昭和百年弁当」です。
作ったのは、大正7年に創業し終戦直前の昭和19年から駅弁の販売をはじめた老舗の駅弁屋さん「丸政」。これまで山梨県・小淵沢から数々の名物駅弁を販売してきた長い歴史のなかから、4つの駅弁を1つのパッケージに盛り込んだ記念碑的駅弁です。
選ばれたのは「万作弁当」「牧場の牛めし」「元気甲斐」「高原野菜とかつの弁当」の4種。掛け紙にも「丸政ノ人気ノお弁当ヲ食べ比べ」と明記してあります。
まず1つ目は「万作弁当」。栗の乗った山菜おこわです。モチモチの食感のおこわは甘めの味付けでありながら、山菜とのバランスもよくとても美味しくいただけます。
2つ目は「牧場の牛めし」。こちらは普通の白いご飯。上に乗った甘い味付けの牛肉と紅生姜やわさびの相性もよくスッキリといただけます。もち米のおこわと白米の違いも楽しく、ここだけでもいろいろと食べている感じがします。
ちなみにこの2点は丸政のWebサイトには現在紹介されていませんが、ときどき復刻しているようなのでチャンスがあれば食べてみたいものです。
3つ目は「元気甲斐」。1985年にテレビ番組の企画で生まれ今なお人気の駅弁です。もともとの駅弁は地域食材てんこ盛りだけに、すべてを再現できているわけではありませんが、胡桃ご飯にボリュームのある鶏肉の柚味噌焼きの組み合わせはまさに「元気甲斐」。歯応えのある生姜はとてもスッキリとした味と食感です。
4つ目は「高原野菜とかつの弁当」。冷めたときの美味しさを追求したというボリュームのあるチキンカツを中心にケチャップで和えたスパゲティや山菜の醤油煮、コーンが組み合わされています。最大の特徴であるはずの生野菜が見当たらないのは少々残念ですが、歴史のある4つの駅弁の組み合わは、とても味のバリエーションが豊富で楽しく食べられます。
同じ会社の商品を時代を超えて組み合わせる駅弁は、長い間に多くの人に愛され続けてこなければできない企画商品です。それぞれの駅弁に思い出がある人には美味しさだけではない魅力が詰まっていそうです。
ちなみに今回は新宿発6時25分発のあずさ71号を利用しましたが、新宿駅の駅弁屋は6時30分開店とギリギリで購入できません。そのためか近くのコンビニも長蛇の列をなしていてこちらもアウト。8時56分に到着するも茅野駅の駅弁屋の開店は9時30分なのでまだ開店前。駅そばも考えましたが、結局少し待って茅野駅のホームで購入、そしてその場でいただきました。
昭和時代だったら途中の小淵沢駅あたりで窓から駅弁を購入しゆっくり車内で食べられたのかなぁ、なんて便利で快適な現代の鉄道の利便性を享受しながらも、古きよき時代に思いをはせてしまいました。
「昭和百年弁当」
価格: 1280円
販売駅: 茅野駅
購入場所: 茅野駅ホーム売店「駅弁屋」
購入日: 2025年4月19日