週末駅弁

岡山駅「岡山肉美味(うま)わっぱめし」

岡山肉美味(うま)わっぱめし

 岡山駅ではお肉を使った駅弁がたくさん売られていて、いつもどれにするか迷うのですが、今回は「岡山肉美味(うま)わっぱめし」を選びました。

 この駅弁を選んだ最大の理由は、これ1つに牛肉、豚肉、鶏肉のすべてが詰め込まれている、というものです。お肉を使った駅弁を選ぶときに迷うのは、大抵の場合1種類のお肉が主役となっていることが多いためです。しかしこの駅弁なら、1つで牛肉、豚肉、鶏肉を楽しめるのですから、お肉好きにとって、とても幸せな駅弁と言っていいでしょう。

 そして、そのお肉は、すべて岡山県産のものが使われています。岡山県のブランド肉というわけではないようで、その点はちょっと残念な気もしますが、岡山県産の食材が豊富に使っているという点は、岡山駅の駅弁としてポイントが高いと言えます。

牛肉、豚肉、鶏肉は、いずれも岡山県産を使っている

 わっぱめしということで、曲げわっぱを模した丸いパッケージが使われています。そして、蓋を取ると主役のお肉が目に飛び込んできます。

 お肉のなかで特に目立っているのが、豚肉と鶏肉です。豚肉は竜田揚げふうの唐揚げに、鶏肉は照り焼きに仕上げられています。

 豚肉の唐揚げは、醤油風味がしっかりしています。ちょっと歯応えが強めの食感ですが、豚肉特有のくさみがなく、噛むたびに豚肉旨味が口の中に広がっていきます。

 鶏肉の照り焼きは、甘みが強めの味わいです。こちらは豚肉に比べると柔らかな仕上がりです。肉だけでなく皮からも鶏肉の旨味がしみ出してきて、ご飯が進みます。

わっぱめしということで、曲げわっぱのような容器を使用。蓋を取ると3種類のお肉が目に飛び込んでくる
豚肉は竜田揚げふうの唐揚げ仕立て。歯応えは強いがくさみはほとんどなく、噛むたびに甘みの強い豚肉の旨味が広がる
鶏肉はやや甘みの強い照り焼き仕立て。豚肉より柔らかく、肉と皮から旨味がしみ出してくる

 そして牛肉ですが、こちらは佃煮風となっています。とはいっても醤油の風味ばかりが全面にくることはなく、甘みも比較的強いこともあって、佃煮というよりはすき焼きに近い印象の味わいです。もちろんこちらも、ご飯との相性抜群です。

 お肉の下には、白ご飯ではなく、お出汁で炊き込んだご飯が敷き詰められています。ご飯だけ食べてみると魚介の風味が感じられるので、魚介のお出汁で炊いたご飯のようですが、お肉と一緒に食べると双方の旨味が交わって、美味しさがより高められると感じます。

牛肉は佃煮風とのことだが、すき焼き風味に近く、ご飯との相性抜群
ご飯は出汁で炊きあげられていて、肉の旨味を高めてくれる

 また、お肉のまわりに添えられている山菜の煮物やにんじんの煮物、筍、玉子焼きなどは比較的あっさりとした味わいで、濃いめの味付けのお肉とうまく調和します。お肉の引き立て役としてだけでなく、それぞれが十分美味しいのもうれしい部分です。牛肉、豚肉、鶏肉を使った、お肉が主役の駅弁なのは間違いありませんが、お肉一辺倒というわけではなくて、とてもバランスの取れた駅弁だと感じました。

添え物の山菜やにんじんの煮物、筍などはあっさりとした味わいで、濃いめの味の肉とバランスが取れている
玉子焼きは甘めの味付けで、こちらもかなり美味しい

 お肉好きはもちろんですが、お肉を食べたいけどどのお肉にするか決められない、というときには、ぜひ手に取ってもらいたい駅弁です。

「岡山肉美味(うま)わっぱめし」

価格: 1480円
販売駅: JR岡山駅
購入場所: JR岡山駅改札内 三好野 おみやげ街道晴れの国店
購入日: 2024年7月23日