旅レポ

ガルーダ・インドネシアで行くジャワ島旅。中部のボロブドゥール寺院、東部のブロモ山と人気観光地を巡ってきた

ガルーダ・インドネシア航空で常夏の島・ジャワ島へ出発

 これから盛夏を迎える前に一足早く、ガルーダ・インドネシア航空主催の南国・ジャワ島視察ツアーに行ってきた。

 インドネシアは赤道近辺に1万7000を超える島を抱えた世界最大の群島国家であり、首都であるジャカルタがあるのがジャワ島だ。日本人の渡航先として人気があるのはバリ島だが、ジャワ島にも多くの人気観光地があり、今回は中部の古都であるジョグジャカルタとインドネシア国内で大人気のブロモ山を見て回った。その模様を数回に分けて紹介する。

 ちなみに筆者はバリ島にしか行ったことがなかったので、かなり楽しみにしていた。

地図で見ると改めて驚く、広大で多数の島を抱えるインドネシア。東西約5100kmはアメリカの東西(アラスカ、ハワイ除く)よりも長い。タイムゾーンも3つに分かれている
ジャカルタからジョグジャカルタまでは国内線、ジョグジャカルタからスラバヤまでは鉄道、スラバヤからブロモ山のあるマラン近郊まではクルマで移動した。ジャワ島だけでも東西の長さは約1000km!

ジャカルタまではガルーダ・インドネシア航空のGA875便で移動

 最初の目的地であるジョグジャカルタへは日本からの直行便はないので、ジャカルタなどを経由することになる。ガルーダ・インドネシア航空では、羽田~ジャカルタ(GA875/GA874便)、成田~デンパサール(GA881/GA880便)がデイリーで運航しており、今回はGA875便を使って、まずはジャカルタに飛んだ。

ガルーダ・インドネシアの日本路線(2025年夏季スケジュール)

・羽田~ジャカルタ・スカルノハッタ
GA875便: 羽田(11時45分)発~ジャカルタ(17時35分)着、毎日運航
GA874便: ジャカルタ(23時25分)発~羽田(翌08時50分)着、毎日運航

・成田~デンパサール・ングラライ(バリ島)
GA881便: 成田(11時00分)発~デンパサール(17時25分)着、毎日運航
GA880便: デンパサール(00時20分)発~成田(08時50分)着、毎日運航

他社とは違う“重量制”を採用している無料受託手荷物とスポーツギアの1セット無料

 ガルーダ・インドネシア航空はインドネシアの翼として創立76年を数えるフルサービスキャリアで、SKYTRAXのエアライン・スター・ランキングの最高評価である5スターに認定されている。アライアンスはスカイチームに属している。

 ベストキャビンクルー賞を6回受賞するなどクオリティには定評があるが、ガルーダならではのサービスとして紹介したいのが「無料受託手荷物の個数制限ナシ」だ。国際線のファースト・ビジネスクラスは64kgまで、エコノミークラスは46kgまでであれば、いくつでも可能というもの。他社が個数でも制限(超過分は追加料金)をかけてるのに対し、なんとも太っ腹。それに加えて、23kg以内(自転車は30kg以内)であればゴルフセット、サーフボード、ダイビングセットなどスポーツギア1セットも無料というのだから驚く。そういえば、その昔は機内で入国審査もできてしまう便利なプログラム(IBO)も提供していたなぁ。

羽田のチェックインカウンターは、第3ターミナルのLカウンター
無料受託手荷物は重量制
スポーツギアは1セットが無料

電子訪問ビザ「e-VOA」をはじめとした渡航に必要な書類を忘れずに

 さて、搭乗する前に現在のインドネシア入国に際して必要な書類も紹介しておこう。最近のデジタル化は各国同様に進んでおり、インドネシアも事前に電子申請できる訪問ビザ「e-VOA」を導入している。これを取得しておけば、顔認証による自動化ゲートを使ってスムーズに入国することができる。料金は50万ルピア+手数料1万9500ルピアの計51万9500ルピアで、申請時のレートでは日本円で4757円だった。クレジットカードで決済して申請が通ると、QRコードが付いた書類が発行されるのでプリントするかスマホなどに保存しておく。

 そのほか必要なものとしては、電子税関申告(e-CD)、エムポックス(サル痘)流入防止のための健康状態の質問「SATUSEHAT(サトゥ・セハット)Health Pass」があるので、専用サイトで必要事項を記入して申請しておく。どちらも発行されたQRコードを保存しておく。

 同社のWebにある出入国・乗り継ぎガイドに詳細が掲載されているので、インドネシアに向かう際はチェックしておきたい。

e-VOAは入国審査がスムーズになるので取得しておきたい

特別塗装機でジャカルタへ

 出国してゲートに向かうと、見えてきたのはなんともめずらしいカラーリングの機体。今回のGA875便にアサインされていたのは創立74周年記念の特別塗装機(エアバス A330-300型機)で、レアな機体ということもあり、ものすごく得した気分に。こちらの機体のモチーフとなった「Kembara Angkasa」は、インドネシア語で「宇宙の旅」という意味だそうな。

遠くからでもかなり目立っていた創立74周年記念の特別塗装機
晴れていればもっと映える写真になっていたかと思うと少し残念

 羽田からジャカルタまでは約8時間のフライト。赤道を越えて行くのだから、東南アジアとはいえなかなかの距離だ。楽しみな機内食を味わいながら、機内エンタテイメントやスマホにダウンロードした動画を見てゆっくりと過ごしたい。

 この日は活発な梅雨前線の影響で揺れもあったが、途中は大きく迂回して安全なルートを飛行していた。ガルーダは多少遠回りになっても安全第一で飛ばしているとのことだ。今回はエコノミークラスを使ったフライトだったが、シートピッチが86cmあったので、身長170cmの筆者は窮屈な思いもせずに快適だった。

ジャカルタまでは約5800kmの道のり。ほぼ満席で出発
最初のサービスはミネラルウォーターとお手拭き
知多半島とうっすらと見えるセントレア
梅雨前線を避けるルートを選択
機内食はパスタの洋食をチョイス。美味しくてもちろん完食
食後にはアイスも提供された。機内で食べるアイスがひときわ美味しく感じるのはなぜだろう

巨大なスカルノ・ハッタ国際空港は最新技術で入国審査もスムーズに

 日が落ちるころにジャカルタのスカルノ・ハッタ国際空港に着陸。飛行機は2016年(国際線は2017年)から運用されているターミナル3の国際線エリアに到着した。話には聞いていたが、この空港もデカイ。

 そしてビックリしたのは、自動化ゲートがズラリと並ぶ光景だ(撮影禁止ゾーンなので写真はないが)。すごい台数が並んでいるので、上方に記載されているナンバーを確認したところ50番まであった。さらにその隣には乗務員用?も2台ほど並んでいた。そのような理由からそれほど並ぶまでもなく、入国審査を受けることができた。事前の登録はめんどうだが、スムーズに審査を受けられるメリットはやはり大きい。

ついにジャワ島まで来た!
人口1000万都市のジャカルタ
スカルノ・ハッタ国際空港にタッチダウン!
エアライン各社の機体がズラリと並ぶターミナル3
ついに来ましたインドネシアの中心地・ジャカルタ
消火器の設置場所にはアートが描かれており、思わずほっこりする
案内板には漢字・ひらがな・カタカナで表記した日本語も
広いのでバランススクーターを使って移動する空港スタッフ

2024年末にオープンしたハイアット系ラグジュアリーホテル「ケラトン アット ザ プラザ」

 この日はジャカルタ市内のホテルに1泊するスケジュールだったので、経済発展著しい市街地を眺めながら向かった。宿泊したのは2024年12月にオープンしたばかりの「ケラトン アット ザ プラザ(Keraton at The Plaza)」で、ジャカルタでも人気の高い「グランド ハイアット ジャカルタ(Grand Hyatt Jakarta)」に隣接している5スターホテルだ。

エントランスから壮麗な雰囲気が漂う「ケラトン アット ザ プラザ」
エレガントなレセプション

 ハイアットブランドのなかではラグジュアリーの「アンバウンド コレクション」に位置付けられており、「その土地の歴史や芸術、創意工夫の物語をたどる旅へと誘う」のがコンセプト。日本には「ホテル虎ノ門ヒルズ」「富士スピードウェイホテル」がある。

 ケラトンはインドネシアの王宮をイメージした作りになっており、洗練されたデザインときめこまやかなホスピタリティが特徴だ。サービスはオールインクルーシブをコンセプトにしており、138室あるゲストルームはすべてクラブルーム仕様になっている。また、グランド ハイアット ジャカルタのプールやフィットネスルームなども利用できる。

7階にある朝食・昼食・夕食を提供する「クラブ」
プライベートダイニングルームも用意されている

クオリティの高い日本料理を提供できる実力

 今回のディナーはインドネシア料理ではなく、日本料理的なものが用意されていた。北海道産のホタテに味噌バターソースをかけた前菜、シメジ、ホウレンソウ、ユズ、白身魚を使ったスープ、ロブスターのアメリケーヌソース、テンダーロインステーキの林檎味噌添え、〆の食事はホタテとエビを使った炊き込みご飯にアサリの味噌汁というラインアップ。

 これは抱えているシェフの実力に自信がある表われなのだろうと口にすると、納得の味が舌の上に広がった。アサリの味噌汁も非常に上品で、もちろん完食。さすがアンバウンド コレクション。日本大使館もすぐ近くにあるし、力を入れているのだろう。

プライベートダイニングルームでは腕利きのシェフが目の前で調理してくれる
プリプリのホタテと濃厚な味噌バターにまずは先制パンチを食らう
一転、素材の旨味を引き出す薄味仕立てのスープでほっと一息
オーダーした火加減どおりに焼いてくれたテンダーロインにもだえる
じんわりと広がるアサリ出汁と炊き込みご飯の旨さに感服
デザートはフランベしたバナナとアイスクリーム

 ムスリム人口世界一であるインドネシアでは、お酒はホテルやレストラン、観光地にあるバーなど、楽しめる場所は限られている。もちろんケラトンでは世界各国からのゲストに向けたお酒を用意し、シグネチャーカクテルなども提供している。

シグネチャーカクテルは4種類を用意
「ケラトン ネグローニ」
「タマリン サンセット」

客室は最新設備と落ち着きのある空間でとても快適

 今回宿泊したのは1キングベッドルーム。ほかは、2クイーンベッド、コーナーデラックス 1キング、スイートルームが用意されている。天井が高いので開放感があり、中心に置いてあるベッドの左側にはソファ、右側にはデスクが配置されているのでシンプルで使いやすい。

1キングベッドルーム
落ち着いた雰囲気のソファ
仕事もできそうなデスクテーブル
びっくりするほど豪勢なウエルカムフルーツ

 設備面は新しいホテルだけあって、ユニバーサル使用のコンセントやType-CのUSB電源を備えるなど抜かりはない。浴室はバスタブが用意され、シャワーはレインシャワーも備えている。トイレも高機能な温水洗浄便座で使い方に迷うほど。フカフカのベッドと清潔なシーツで快眠も約束されているが、早朝4時30分頃に外からアザーン(イスラムの礼拝を知らせるアナウンス)が聞こえてくることは頭に入れておきたい。

ユニバーサル使用のコンセントとType-CもあるUSB電源
使い勝手も◎なバスルーム
ここがインドネシアだと忘れてしまうようなトイレ
翌日、電動カーテンを開けた先に広がる光景。大都会ですな

 次の記事では、古都・ジョグジャカルタと世界最大級の仏教遺跡・ボロブドゥール寺院、ラグジュアリーな宿泊とアクティビティを提供するプラタラン ヘリテージ ボロブドゥールを紹介する予定だ。お楽しみに。

野村シンヤ

IT系出版社で雑誌や書籍編集に携わった後、現在はフリーのライター・エディターとして活動中。PCやスマートフォン、デジタルカメラを中心に雑誌やWeb媒体での執筆や編集を行なっている。気ままにバイク旅をしたいなと思う今日この頃。