旅レポ

成田からセブ島までダイレクトに飛べるユナイテッド航空の新しい路線が登場。初便で行ってきた

ユナイテッド航空が成田~セブ線を新たに開設

北米からの接続を意識した成田~セブ線

 ユナイテッド航空は、定期旅客便として成田~フィリピン・セブ線を10月27日に新規就航した。フライトは週7往復のデイリーで運航し、使用機材はボーイング 737-800型機(ビジネスクラス16席、エコノミークラス150席)を使用する。今回、初便に搭乗する機会を得たので、その模様をお伝えする。

ユナイテッド航空の成田~セブ線(2024年10月27日~)

UA32便: 成田(17時30分)発~セブ(22時05分)着、毎日運航
UA33便: セブ(09時30分)発~成田(15時15分)着、毎日運航

 同社の北米路線(ロサンゼルス、ニューアーク、サンフランシスコ、デンバー、ヒューストン)は15時~16時の時間帯に成田に到着するので、スムーズにセブ行きのUA32便に乗り継げるようになっている。逆もしかりで、北米路線の成田出発はほとんどの便が17時台(サンフランシスコ行きのUA838便は16時45分)であることから、フィリピン発北米行きでも使いやすいフライトになっている。もちろん、日本国内からマニラを経由せずにセブ島に直行便で行けるメリットも大きい。

出発を待つUA32便。使用機材はボーイング 737-800型機で、以遠権(到着後、第三国へ運航できる権利)を使用して運航していることから、ロサンゼルス~成田便と同じ便名を使っている
出発前に行なわれた記念撮影
乗客にはフィリピン政府観光省のトートバッグ、ユナイテッド航空のポーチが贈られた

5時間ほどで到着するセブ島行きのナイトフライト

 今回は初便に搭乗したが、路線への期待からかほぼ満席状態で幸先のよいスタートとなった。機内では離陸してから1時間ほどで機内食とドリンクの提供が始まり、メニューはメインがトマトソースのパスタ、鶏肉(唐揚げ)&ライスの2種類から選べた。食事の時間が終わると機内の照明が落とされるので、ゆっくりと休みたい人にとってはうれしい。アナウンスされた飛行時間は4時間39分。ナローボディ(通路が1つ)の機体であることからトイレ渋滞が起きやすいので、食事後などはタイミングを見て利用したい。

ほぼ満席状態の初便
セブ島までは約3200km
機内で提供されたトマトソースのパスタ

 撮影画像のチェックや原稿を書いている間もUA32便は順調に飛行を続け、21時53分にセブ島の「マクタン・セブ国際空港」に着陸した。スポットに到着すると消防車が歓迎のウォーターキャノンで迎えてくれて、民族衣装をまとったスタッフが記念のネックレスを乗客にかけていた。路線網が充実しているユナイテッド航空への期待がここでも感じられた。

消防車によるウォーターキャノン
駐機場では多数のスタッフがお出迎え。想像以上に大勢いてビックリした
女性スタッフが到着した乗客に記念のネックレスをプレゼント

成田行きの初便では出発前にセレモニーを開催

 翌28日はセブから成田に向かうUA33便の初フライトになり、マクタン・セブ国際空港では就航セレモニーが開催された。ユナイテッド航空の地域ディレクターやフィリピン政府観光省の地域ディレクターが展望や祝辞を述べ、テープカットなどを行なった。

出発前のセレモニーではテープカットなどを行なった
出発前のUA33便

 同社の日本・ミクロネシアのセールスを担当する支社長の桐山謙一氏は、昨年就航したマニラ~サンフランシスコ線も含めて「飛んでいないデスティネーションに路線を伸ばしていくことを通じて、どのお客さまでも目的に合ったデスティネーションまで飛んでいけるというところを弊社は目指しています。成田~セブ線もその一つとして就航させました」と、今後も日本・北米とアジア・大洋州各地を結ぶ路線を積極的に開設していくと話す。

 すでに発表されているとおり、2025年夏ダイヤでは成田からウランバートル(モンゴル)、高雄(台湾)、コロール(パラオ)の3都市をつなぐ新規路線を開設する予定だ。

ユナイテッド航空 日本・ミクロネシア地区営業担当 支社長 桐山謙一氏

リニューアルされたセブ空港から成田行きに乗る

 セブ島を数日見て回ったあとは前述のUA33便を利用して帰国の途についた。セブ空港でユナイテッド航空が使用しているのは第2ターミナルだが、2018年にリニューアル工事が終わり、建物の外観や内装はかなりキレイだ。しかも、セキュリティもかなりしっかりしている。ターミナルに入る際に航空券とパスポートチェックが行なわれ、カウンターで並んでいる際も「セキュリティです。荷物について~」と保安スタッフから質問された。

 極め付きは搭乗ゲート前でも荷物についてセキュリティチェックが入る念の入れようだった。それだけ荷物絡みのトラブルに巻き込まれる事案がフィリピンで起きていたのが背景にあると思われるが、逆に言えば「セブ島ではトラブルを起こさせない」という空港の強い意思をひしひしと感じた。

木材をアーチ状に組み上げた姿が美しいマクタン・セブ国際空港
午前の出発便は少ないので人もまばら。混み合っていないので空港内をのんびりと散策できる

エコノミープラスはシートピッチが広くて快適

 往路も復路もシートピッチの広い「エコノミープラス」だったので、快適に過ごすことができた。エコノミー席のシートピッチが76cmのところエコノミープラスでは86cmあって、この10cmの差が大きい。

 帰りの機内食はトマトソースのポテト(と言っていたと思う)、ナスの天ぷらとライスから選べた。天ぷらと聞こえた瞬間からどんなものかと興味を引かれたので迷わずにチョイスした。アルミホイルをはがすと、甘辛タレにくぐらせたナスの天ぷらとライスがドーンと鎮座していた。そう、天丼がそこにあったんですよ。ライスは長粒種ながら意外にもしっとりとしており、ナス天と美味しくいただけた。

地上スタッフが手を振ってお見送り
セブ島ともいよいよお別れ
シートピッチが86cmあるエコノミープラス
身長170cmの筆者だとだいぶ余裕があると感じた
ナスの天ぷらは“サクッ”というより“ザクッ”という感じに近い食感だがとても美味。マンゴーソースのサラダが南国らしい

 筆者が乗ったUA33便は順調に飛行を続け、成田空港に15時03分に到着。出発が9時47分だったので、1時間の時差を考慮すると4時間16分ほどのフライトだった。機体はユナイテッド航空の北米行きがズラリと並ぶスポットの一画に駐機し、降機後は何人かの乗客がトランジットの案内板がある方に向かっていた。2時間ほどの待ち時間で乗り継げるのは、この便の大きなメリットであることは確かだ。

成田空港の第1ターミナルに到着。31番スポットで出発準備を進めているのは、サンフランシスコ行きのUA838便

 ここまではユナイテッド航空の新設路線である成田~セブ線にフォーカスしてレポートした。次回からは老舗や新設された高級ホテル、セブ島ならではの観光スポットなど、魅力あふれるセブ島の今を紹介する予定だ。

野村シンヤ

IT系出版社で雑誌や書籍編集に携わった後、現在はフリーのライター・エディターとして活動中。PCやスマートフォン、デジタルカメラを中心に雑誌やWeb媒体での執筆や編集を行なっている。気ままにバイク旅をしたいなと思う今日この頃。