旅レポ

これぞ非日常! 南国タヒチのラグーンでお魚と戯れる休日。意外と知らない絶品グルメ&夕日の見えるリゾートホテルで癒やされた

タヒチの見どころを巡るプレスツアー。後編は海アクティビティ、グルメ、ホテルについてレポートする

 タヒチ観光局とエア タヒチ ヌイは、2泊4日にわたりプレスツアーを実施。約3年7か月ぶりの運航再開となったエア タヒチ ヌイの日本路線(成田~タヒチ線)に搭乗し、自然アクティビティやグルメを体験してきた。

美しいラグーンに感動! サンゴ礁に集まるお魚たちと触れ合い、エイ&サメタッチにも挑戦

モーレア島の北西部にあるシュノーケルスポットへ

 滞在2日目は、タヒチ島・パペーテ港から高速船で約30分の「モーレア島」を巡る行程。山での絶景アクティビティを楽しんだあと、いよいよクルーズ船に乗り換えラグーンへ向かった。

 サンゴ礁で囲まれたラグーンの海は穏やかで水深が浅く、まさに天然のプール。年間平均水温も約25℃とマリンアクティビティにはちょうどいい。

 特にモーレア島の北西部にあるシュノーケルスポットは、潜ると目の前にカラフルな熱帯魚が群れを成し、アカエイやサメが多く生息。攻撃性のない種類なので、触れたり一緒に泳いだりすることもできる。

浅瀬のラグーンにはエイやサメが多く生息。シュノーケルを楽しむ観光客も多い
iPhoneで水中のようすを撮影してみた
CORALLINA TOURSの海コースではクルーズ船でラグーンを巡り、マリンアクティビティをサポートしてくれる
CORALLINA TOURSの船長。休憩タイムには船上でフルーツが振舞われた。キンキンに冷えたモーレア産パイナップルとマンゴーが絶品!

 マリンアクティビティとはいえ、泳げなくても安心。水の透明度が高いので、船上からでもサンゴ礁や生き物を観察できるし、運がよければアオウミガメと遭遇することも。ビーチ沿いに点在する水上バンガローやカフェ、切り立つ山々の風景を海から眺められ、タヒチらしい写真を収めるのにはぴったりのロケーションだった。

 また、ラグーン内ではシュノーケルのほかにもカヌーやカイトサーフィン、パドルボーディング、ラグーン外の深瀬ではダイビングやドルフィンウォッチングなどのアクティビティが楽しめるという。

船の上からラグーンの景色を堪能
アオウミガメを発見!
水が透きとおっているので、船の上からでも生き物を観察できる
モーレア島北西部には、ラグーン直結のバンガローや貸別荘が集まる。写真のような空中ブランコやリクライニングチェアも
場所や日の当たりによって、エメラルドグリーンやマリンブルーの色合いがどんどん変化して美しい
子供たちが水辺で大はしゃぎ!
カヌーやパドルボーディングを楽しむ人たち
島内をぐるっと走っている途中にもフォトスポットが
ツアーに同行してタヒチ語を通訳してくれた優オリビエさん
CORALLINA TOURSの代表で、今回のガイドを務めたMaui Ciucciさん
こちらがモーレア島のフェリーターミナル。タヒチ島へ戻る高速船のなかでは、モーレア島のパイナップルをお土産にしている人もいた

タヒチ名物「ポワソン・クリュ」ってどんな味? 実はシーフードがとにかく美味しい島だった

タヒチを代表する料理「ポワソン・クリュ」

 滞在中、特に驚いたのがどれを食べても美味しい“グルメな島”であるという点。タヒチ料理と言えば何か?と聞かれてピンとくる人はそう多くないだろう。ステーキでもハンバーガーでもなく、実は新鮮な魚を使ったシーフード料理が名物。

 今回ランチやディナーで訪れたレストランでは、どの店でも「ポワソン・クリュ」というポリネシア・タヒチの郷土料理が提供されていた。

こちらも「ポワソン・クリュ」。店によって具材の違いを楽しめる
モーレア島産エビを使ったタイプの「ポワソン・クリュ」

 ポワソン・クリュは、鮮魚の刺身(主にマグロ)をぶつ切りにして、トマトやキュウリ、タマネギなどの角切り野菜とともにココナッツミルクで和えたもの。甘いわけではなく、ライム果汁やスパイスが効いてさっぱりとした味わい。付け合わせにライスかフライドポテトを選べるのが主流。

 ポワソン・クリュのメニュー名は店によって、「Traditional Tahitian raw fish」や「Tahitian raw fish marinated with lime and coconut milk」などと記載されている。

今やグローバル料理の刺身。メニューには「Tuna Sashimi」と書かれていた
マグロのタルタルも定番タヒチ料理のひとつ
白身魚を香ばしくふっくら揚げた料理
ココナッツミルクとムースの甘いデザート

 ほかにもマグロのタルタル(Tuna TarTar)や刺身(Tuna Sashimi)、カルパッチョ(Tuna Carpaccio)などが定番で、地元で養殖が盛んなエビ(Crevettes)やサーモン(Saumon)を使った料理が豊富。どれもサラダ感覚で食べられるヘルシーさがありながら、1皿で十分メインディッシュになるボリューム感。

 ローカル店であれば、価格は1皿2000~3000CFP(2700~4000円/18~27$)なので、シェアしていろいろ注文してみるのがお勧めだ。

滞在ホテル「TE MOANA TAHITI RESORT」のオーシャンビューレストランでいただいた昼食
タヒチ島の地元ダイニング「ブルーバナナ」でいただいた夕食。窯焼きピザやステーキが人気

 ちなみにタヒチの公用語はフランス語とタヒチ語。道案内や飲食店のメニューには英語で補足説明されている場合がほとんどで、“Sashimi”のように日本語が浸透している言葉もある。

 通貨はCFPだが(露店などを除く)ほとんどの観光施設や飲食店でクレジットカード決済が使え、チップも米ドルでOK。

 また、タヒチ旅行で欠かせないグルメといえばパン、フルーツ、ヒナノビール。さすがフランス領とあって、機内食やホテルの朝食、レストランで料理の付け合わせに出てくるパンは特にどれも絶品だった。

エア タヒチ ヌイのビジネスクラス機内食。あたたかいパンや、タヒチの食文化を活かしたフレンチコースを味わえた
滞在ホテル「TE MOANA TAHITI RESORT」の朝食ビュッフェにもさまざまなパンがすらり

 南国フルーツはバナナやマンゴー、スイカ、グァバなど種類豊富で、なかでもモーレア島が名産地のパイナップルは、芯まで食べられるほどやわらかく、甘くてジューシー。そのままいただくのはもちろん、ドリンクやデザートの素材として味わえる機会が多い。

最終日の夜、5つ星ホテル「インターコンチネンタル タヒチ リゾート&スパ」のレストランで会食。島のフルーツを使ったシグネチャードリンク「ピニャコラーダ」でマヌイア(乾杯)!
帰国日の朝も、滞在ホテル「TE MOANA TAHITI RESORT」の朝食ビュッフェを堪能。オレンジジュースとトロピカルジュースの2種類あって、どちらも濃厚でフレッシュな味わい
もはやフルーツがサラダ代わりといったラインアップ。欧米人の滞在客が多いこともあってか、朝から本格的なフランスパンや卵料理、多彩なチーズ、ハモンセラーノなどが並ぶ
この日の朝はみずみずしいパッションフルーツやスイカ、芯までやわらかいパイナップルなど

 そしてタヒチを代表するドリンク「ヒナノビール」は、淡麗でさっぱりとした喉ごしが美味。シーフードや肉料理にも合い、多くの店でドリンクメニューにラインアップしている(ローカル店なら650CFP前後)。お酒好きならぜひ、ヒナノビールの瓶や缶をお土産にチョイスしてはどうだろう。

タヒチといったら「ヒナノビール」。レストランや土産ショップ、スーパー、空港ラウンジなど至るところで手に入る

人気の水上バンガローは予約争奪戦! とはいえ街の海沿いホテルでもたっぷりリゾート感を味わえる

今回宿泊したタヒチ島の「TE MOANA TAHITI RESORT(テ モアナ タヒチ リゾート)」。海がすぐ目の前のインフィニティプールが名物

 モーレア島では、これぞタヒチ!という水上バンガローの風景をたくさん見てきたが、実はハワイなどに比べてタヒチは宿泊施設が少なく、水上バンガローを有する人気宿や5つ星ホテルともなれば、1年以上前から押さえる必要があるほど予約困難という。

 しかしタヒチ島の街にも、スタンダードなホテルタイプの宿が海沿いに点在し、オーシャンビューの客室やインフィニティプールで十分リゾート感を味わうことができる。

 今回宿泊したタヒチ島の「TE MOANA TAHITI RESORT(テ モアナ タヒチ リゾート)」もそのひとつ。ファアア国際空港や高速船が発着するペパーテ港からクルマで約10分、南国植物が生い茂る敷地に4階建の本館と5つの付属館があり、合計121室の客室を擁する。価格帯は1泊3万~4万円。

南国植物が生い茂る敷地に121室の客室を擁する

 海がすぐ目の前にあり、南太平洋に日が沈む圧巻の夕景も楽しめる。敷地内にある広いプールサイドバーでは、家族連れやカップルだけでなく、1人で読書したりPCで映画鑑賞などしてくつろぐ滞在客も見受けられた。

南太平洋の水平線に沈む夕日をプールサイドの庭で眺める
今回利用した客室は「スイート ラグーンビュー」ルーム。専用バルコニーで美しいサンセットを独り占め

 今回利用した客室は「スイート ラグーンビュー」ルームで、リビングルーム、ベッドルーム、キッチン、バスタブ付きのバスルーム、独立したトイレ、作業用デスク、さらに広い専用バルコニーまで備わるタイプ。

 1人で泊まるには広すぎるほどだが、ほかの客室タイプにもテレビや冷蔵庫、金庫、ドライヤー、アメニティなど必要なものが用意され、長期滞在できる仕様となっていた。建物に併設するランドリーやレストラン、フィットネス、スパなども利用できる。

 ホテルからバスやクルマで約4分の場所にはフランスの大型スーパー「カルフール」があり、滞在に必要なアイテムやお土産も手に入りやすい。また海岸沿いを南に7分ほど走ると「タヒチ島博物館」があり、ポリネシアとタヒチの文化・歴史を学ぶことができる。

フランスの大型スーパー「カルフール」。立ち寄った日はちょうど「BON PLAN」というタヒチの祭日(日本でいうお盆)で、店内セールを実施していた。お酒は販売禁止になる
タヒチらしいローカル文化に触れるなら、食品スーパーやタヒチ島博物館などがお勧め
この日は運航再開した日本からの初便に合わせて歓迎パフォーマンスが行なわれた。タヒチアンダンスや伝統音楽は、モーレア島西部にあるカルチャーセンター「ティキヴィレッジ」などで見学・体験できる

 ただし、滞在で注意したいのが電源と通信環境の問題。タヒチでは「Cタイプ」のコンセントが一般的で、日本の「Aタイプ」は変換プラグがないと使用できない。またホテルや空港などの主要施設では無料Wi-Fiが使えるが、場所によってつながりにくい場合も多く、常に安定しているわけではない。

 ちなみに11月現在「povo2.0」と「ahamo」の海外ローミングはタヒチが対象外。観光の途中や飲食店などで困ったときに備えて、あらかじめレンタルWi-FiやeSIMなどを手配しておくのが無難だ。

タヒチのホテルでは「Cタイプ」のコンセントが一般的
タヒチ観光局 アイテナリー・スペシャリスト Marania TEURU氏(左)と日本のプレスツアー団を歓迎してくれた現地スタッフ

 観光局スタッフや現地ガイドに魅力を伺うと「何もしない贅沢を楽しむのがタヒチ」であると教えてくれた。タヒチでは「あえてSNSやネットを遮断して、個人の時間に浸ってみてほしい」という。

 たしかに都会的な観光施設や免税デパートなどはないが、断崖絶壁を4WDで駆け上がったり、エイやサメと一緒に泳いだり、パイナップル畑で採れたてをかじったりと、大自然のなかで暮らすだけでアトラクションのような充足感。ビーチの日陰でひたすら寝転び、ヒナノやトロピカルジュースを片手にサンセットを眺める1日というのもアリ。

 タヒチのスローライフを存分に味わうなら、1週間以上の余暇をたっぷり使った旅を計画してはいかがだろう。

編集部:白江ちなみ