旅レポ
パリ五輪でも注目! 南太平洋の楽園タヒチへ。ダイナミックな火山島を4WDで駆け上がる、絶景アドベンチャーを体験してきた
2023年11月29日 00:00
タヒチ観光局とエア タヒチ ヌイは、2泊4日にわたりプレスツアーを実施。約3年7か月ぶりの運航再開となったエア タヒチ ヌイの日本路線(成田~タヒチ線)に搭乗し、自然アクティビティやグルメを体験してきた。
ハネムーンだけじゃない! 2024年のパリ五輪に向けて注目が高まるタヒチ
タヒチは南太平洋フランス領ポリネシアに属する島で、首都パペーテのあるタヒチ島を中心に、水上バンガローが有名なボラボラ島、山と海の絶景を楽しめるモーレア島など、大小118の島々からなる。
日本では新婚旅行ブームをきっかけに人気が高まり、タヒチ特産の黒蝶真珠(ブラックパール)のジュエリーはお土産やプレゼントとしても定番に。これぞ非日常!というリゾート感たっぷりの写真がSNSなどで広まり、今ではハネムーンのみならず世界中から余暇を過ごす観光客が訪れる。
さらに2024年夏季に開催されるパリオリンピックでは、サーフィン発祥の地であるタヒチが競技会場に選ばれ、ますます注目を集めている。
タヒチまで直行便で約11時間。昼夜は大きく逆転しないので、意外と時差ボケは少ない
日本から主要空港であるタヒチ島・ファアア国際空港までは、エア タヒチ ヌイなどの直行便を利用して約11時間。そこから国内線や高速船を利用して各島へアクセスできる。
タヒチと日本の時差は19時間ある。たとえばTN87便で20時00分に成田を発つと、タヒチに到着するのは同日11時50分。そのころ日本は翌6時50分なので、昼夜が大きく逆転することはなく、機内でしっかり寝ておけば時差ボケは意外と少ない。ちょっと早起きしたくらいの感覚で、昼間から観光を楽しめる。
ただし今回のプレスツアーのように全4日間の行程でタヒチに滞在できるのは約2日間だけ(到着日の午後+翌1日+帰国日の午前)。
タヒチ観光局のアイテナリー・スペシャリストとして現地に在住するMarania TEURU氏によれば、タヒチを存分に満喫するのであれば、移動日や時差を考慮しても最低1週間、余裕をもって10日間はほしいという。
なおエア タヒチ ヌイ(成田~タヒチ線)の機内サービスや運航スケジュール、往復価格といった詳細は、別途記事で紹介している。
タヒチの年間平均気温は25~27℃。熱帯気候なのに暑苦しくない“常夏の楽園”
赤道に近く、南半球に位置する常夏のタヒチだが、年間平均気温は25~27℃と比較的過ごしやすい暖かさ。また平均水温も約25℃前後なので、1年をとおしてマリンアクティビティを楽しめる。
3月~11月は乾季、12月~2月は雨季に入るものの、弱いシャワーくらいの雨が通り過ぎる程度で、日本の梅雨のように何時間も降り続けるということはない。雨季は熱帯植物や花々が美しく、パイナップルやマンゴー、バナナなどの南国フルーツもより熟れて食べごろとなる。
タヒチには大小118の島があり、それらはソシエテ諸島、ツアモツ諸島、マルケサス諸島、オーストラル諸島、ガンビエ諸島の5つの諸島に分かれている(主要観光地のタヒチ島、ボラボラ島、モーレア島などはソシエテ諸島に属する)。
なかでもタヒチの北東に位置するツアモツ諸島は、太陽の出ている1年の日照時間が3000時間近くと世界でも最長クラス。また、南に位置するオーストラル諸島やガンビエ諸島は赤道から離れているため、タヒチ全体の年間平均気温よりさらに涼しく感じられるという。
旅行するタイミングやこういった諸島ならではの気候に合わせて、滞在する島と宿を選ぶのもお勧めだ。
山の絶景とエメラルドグリーンの海、一度にどっちも楽しめる「モーレア島」へ行ってきた!
今回はタヒチ島にあるリゾートホテル「TE MOANA TAHITI RESORT(テ モアナ タヒチ リゾート)」に滞在。そして観光のハイライトとなる2日目は、タヒチ島・パペーテ港から高速船で約30分の「モーレア島」へ行ってきた。
モーレア島は、タヒチ島から北西へ約17kmほどの最も近い場所にある。その特徴は、切り立つ山々の絶景と、環礁に湛えるエメラルドグリーンの海をどちらも楽しめること。
島は火山活動により隆起したもので、“山”と呼んでいる部分は噴火による窪地(カルデラ)のまわりに残った外輪山を指す。島を案内してくれたCORALLINA TOURS(コラリーナ ツアー)のガイドによれば、「長い歳月をかけて窪地は湖となり、最終的には海のなかへ沈むように消失していく」。
飛行機などで上空から見下ろすと、島のまわりを囲むサンゴ礁の環だけが遺されたラグーン(環礁内の穏やかな浅瀬の海)を確認できる。つまりそこには元々、沈降する前のモツ(小島)があったということが分かる。
モーレア島はタヒチの島々のなかで最も若く山が高いので、島中央の窪地は沈降せずにそのまま残っており、パイナップル畑などの農業地帯が一面に広がっている。
フランスの画家・ゴーギャンがタヒチに訪れた際、海から突き出るようにそびえるモーレア島を見て「古城のようだ」と称したとも伝わる。
そんなモーレア島の成り立ちについてガイドの説明を受けながら、四輪駆動車に乗ってモーレア島随一の景色が楽しめるという3大展望スポットへ向かった。
まずはフェリーターミナルから海沿いを反時計回りに10分ほど走った、島の北東部にある「トアテア展望台」。ここではタヒチらしい水上バンガローが浮かぶ海の景色を眺められる。
正面に見下ろすのは「Sofitel Moorea Beach Resort(ソフィテル モーレア イア オラ ビーチ リゾート)」の水上バンガローだ。
さらに島の北西部まで行くと「マジック・マウンテン」と呼ばれる山がある。断崖絶壁を一気に駆け上がり、山頂を目指す「4WDサファリツアー」はかなりスリル満点で、しっかり掴まっていないとカメラや体が吹き飛ばされてしまうほどの勢い。
クルマを降りて、頂上部の展望台まで歩くと360度の大パノラマを楽しめる。
3つ目はモーレア島の中央部、オプノフ渓谷の秘境にある「ベルヴェデール展望台」。正面にそびえるロツイ山を挟んで、右手にはクック船長が訪れたことからその名が付けられたクック湾、左手には島のシンボルであるモウアロア山とその麓のオプノフ湾が見える。
この日はうっすらと霧がかかり、まるで水墨画のような幻想的な風景を一望できた。
次回はいよいよ、クルーズ船に乗り換えタヒチが誇るラグーンへ! サンゴ礁に集まるお魚たちと戯れ、エイやサメと一緒に泳げる穴場シュノーケルスポットに訪れる。また、意外と知らないタヒチグルメと現地のホテル事情について紹介する。