旅レポ
ベトナムでハノイ・ハロン湾の旅。魅惑のニンビン、最初の独立王朝ホアルーへ
2023年11月22日 06:00
こんにちは、フォトグラファーの深澤明です。今回、ベトナム航空が企画した、世界遺産を含む「ハノイ・ハロン湾」視察研修旅行に参加してきました。本稿はその2日目の模様です。
ハノイ市街にある五つ星高級ホテル「グランド メルキュール ハノイ」で目覚めた朝、6時から朝食をいただきました。さすがは五つ星のホテルだけあって、ビュッフェ形式の料理やフルーツ、パンなど充実の品揃えです。欧米人の利用者も多く見受けられました。
魅惑的な場所ニンビン
チェックアウトを済ませてバスに乗り込み、この日は紅河デルタ地帯に位置するニンビンを目指します。ニンビンはハノイからおよそ90km南です。移動中もガイドのタイさんの話がもおもしろく車内は明るい雰囲気に包まれていました。2時間ほどでニンビンに到着しました。
まずはヴァンロン自然保護区で手漕ぎボートのツアーを体験しました。ニンビンを訪れる日本人はまだそれほど多くなく、ハノイからも近いこともありとてもオススメだと感じました。石灰岩の山々がそびえ立ち、自然豊かな川沿いをゆっくりと手漕ぎボートから見る経験は楽しいです。
地元では「陸のハロン湾」として知られている魅惑的なエリアです。鍾乳洞のなかまで入り込ん折り返してくるなど、風光明媚な景色を眺めながらの60分のツアーでした。写真を撮るにしても、都会の喧騒を忘れてただひたすらに景色を眺めにしても、どちらにせよ特別な体験になることに間違いはありません。
少数民族「サパ」の料理に舌鼓
昼食はレストランでベトナムの少数民族の「サパ」の料理をいただいた。
ベトナムには54の民族が暮らしていると言われていますが、サパはベトナムと中国の国境地帯である東南アジア最高峰のインドシナ山脈に暮らす民族です。テーブルクロスのカラフルな刺繍はサパの特徴を表わしています。
昨夜いただいたベトナム料理とは異文化な感じがして、出てくる料理の見た目も味も新鮮でした。ディナーの時間には欧米の方も多く訪れるというこのレストラン。日本人が訪れたことがめずらしかったということで、今後の参考として味の感想を求められました。とても探究心と好奇心、向上心が感じられて、素晴らしいと思いました。
食べた印象は素材そのものに大地の栄養が感じられて、とても濃厚な味わいでした。正直にいえば味付けはとてもあっさりしているのに不思議な感覚です。蓮根などの具沢山の鍋などは日本の筑前煮を思わせる味わいで、とても美味しかったです。また、竹の筒のなかに白身魚と生姜を入れ込んで蒸された料理は、ほのかに竹の風味も相まって、薬膳料理を彷彿とさせるものでした。店員の皆さんの愛想もよく、楽しいランチになりました。
ベトナム最初の独立王朝ホアルーへ
ホアルーはニンビンが誇るベトナムの古都です。10世紀から11世紀の間、ハノイに遷都される前の数十年間のみではありますが、ここはベトナム最初の独立王朝である都でした。
橋を渡り入口になっている門を潜ると、広場になっていました。水牛がいてとてものんびりした雰囲気が漂っています。広い道を突き当たりまで行くと左側にあるのがディン・ティエン・ホアン寺院です。ホアルー丁朝の建国者であるディン・ティエン・ホアンが祀られています。本堂へのまっすぐに延びたアプローチの左右にある池は絵画的な雰囲気でした。
ベトナムにはこのような寺院などは日本のように数多く残っているわけではありません。戦争という悲しい歴史のなかで、多くが爆撃され、破壊されました。そういう意味ではこのような当時の歴史を感じさせてくれるディン・ティエン・ホアン寺院などは、とても貴重なものといえます。
ニンビンは2014年に古都ホアルーの遺跡群やチャンアン&タムコックの景勝地、ビックドン寺などの洞窟寺院を含む景観が世界遺産に登録されています。