旅レポ

ロープウェイで久能山東照宮へ! うなぎの名店も。JR東海「どこ行く家康」キャンペーンで静岡へ

日本平夢テラス

 JR東海が「どこ行く家康」キャンペーンを展開している静岡市で、プレスツアーに参加してきた。本稿では旅の2日目の様子をお届けする。

 2日目は、朝から日本平夢テラスで南アルプスのパノラマビューを堪能し、ロープウェイで久能山東照宮を訪れた。この日は天候に恵まれたため、徒歩で下山。掛川市まで足を延ばし、うなぎの名店でひと息ついた後は、掛川花鳥園でたくさんの鳥と触れ合った。久能山の麓にはいちごを販売している店が多くあり、ふらりと立ち寄れるスポットになっていたので、こちらもレポートしていく。

日本平夢テラスで絶景を堪能しながらひと休み

日本平夢テラスに入館して右側に見える日本庭園

「日本平夢テラス」は、富士山や駿河湾、静岡市街地など、360度すべての眺望を楽しめる展望施設。新国立競技場の設計も担った隈研吾建築都市設計事務所が手がけており、建物自体を見に訪れる観光客も多いという。

建物は隈研吾建築都市設計事務所が手がける

 1階では、日本平の歴史や文化、地形の成り立ちを、タッチパネルやプロジェクションマッピングによって知ることができる。2階には静岡県産のお茶などを提供するカフェがあり、展望フロアは3階だ。3月終わりから4月上旬にかけては、富士山や清水港、桜による明るい景色が完成するため、お勧めの時期となっているそう。気温が上がってくると霞が強くなってしまうため、富士山が見えることの多い冬場に訪れるのもよいだろう。

1階では日本平についてタッチパネルやプロジェクションマッピングで知ることができる
カフェ
お土産にぴったりなお茶も揃っている

 2階のカフェも大きな窓で囲まれており、展望フロアまで上がらなくても日本平の景色を眺めることができる。暑い季節や冬の間は、展望フロアで遠くの景色を眺める前にひと休みできるのが嬉しい。今回訪れたタイミングも、春の陽気に恵まれていたので、アイス抹茶ラテ(750円)を注文してみた。さっぱりとした甘みのあるお茶がミルクと絡み合い、ほどよく染み渡っていく。風景や気候と相まって、静岡に到着してから出会ったお茶のなかでも格別だった。

 館内は一方通行となっていたが、入場料は無料なので、何周もして景色や建築を堪能してから休憩するのもお勧めだ。

自然を眺めながら抹茶ラテでひと息

日本平ロープウェイで久能山東照宮へ

日本平夢テラスからすぐの場所にロープウェイ乗り場がある

 カフェでひと休みできたので、駐車場を挟んですぐそばにあるロープウェイ乗り場へと向かった。この「日本平ロープウェイ」で、久能山東照宮まで約5分で行くことができる。

 ロープウェイを降りて竹林を進むと、久能山東照宮の社殿が現われた。1日目に訪れた浅間神社も日光と関連づけられる点を有していたが、久能山と日光も、東照宮を有する土地として深い関係を有している。

久能山東照宮

 東照宮とは、東照大権現としての徳川家康を祀る神社のこと。現在も100以上残っている東照宮のうち、日光東照宮、久能山東照宮、鳳来山東照宮が日本三大東照宮とされる。日光東照宮にも家康のお墓があるが、家康の亡骸が埋葬されたのは久能山東照宮だ。日光東照宮が民間人も参拝できる場所であったのに対し、久能山東照宮は長く徳川家のプライベートな場として閉ざされていた。

 現在は誰でも訪れることができ、家康のプライベートな持ち物を数多く所蔵している久能山東照宮博物館も併設されている。

徳川家のプライベートな場所として長い間閉ざされていた
久能山東照宮博物館

 本殿の裏にある石段をさらに40段ほど上ると、家康が埋葬されている神廟がある。石造宝塔のなかで家康が西を向いて土葬されているという話は有名だが、この久能山東照宮から西方向には、家康の母である於大の方が子授け祈願をした鳳来寺が、さらにその先には家康が誕生した岡崎城が位置している。平和な国の礎を築いた家康だが、1人の人間としての生き様や生と死のつながりを感じられるエピソードだ。

神廟

 今回は、昇殿参拝もさせていただき、家康のご遺訓を音読する体験をした。生涯をかけて国を治めた家康の人生から滲み出された言葉であり、当然の内容に見えても実行するのは難しいだろう。

家康公御遺訓

人の一生は重荷を負て遠き道をゆくが如し 急ぐべからず
不自由を常と思えば不足なし
心にのぞみおこらば困窮したる時を思ひ出すべし
堪忍は無事長久の基
怒りは敵と思へ
勝事ばかり知て負くる事をしらざれば害其の身に至る
己を責めて人をせむるな
及ばざるは過ぎたるよりまされり

今回は昇殿参拝もさせていただいた

久能山の麓にはいちご屋さんがたくさん

「早川農園&cafeいちご畑」いちごソフト

 静岡県のいちごは、全国4位にランクインするほどの収穫量を誇る。静岡市内でも、「紅ほっぺ」「章姫」「きらぴ香」が生産されているが、関西への出荷がメインで関東ではなかなか販売されないのだという。

 徒歩で下山してすっかり喉が渇いていたので、麓に軒を連ねるいちご屋さんを素通りするわけにはいかない。海が臨める場所に建つ可愛らしいピンクの建物に惹かれ、「早川農園&cafeいちご畑」にお邪魔した。

 店内にある食券機で、いちごソフトを購入。甘いのに酸味がほどよく、フルーツとしてのいちごをしっかり感じられる味わいだ。イートインでは、ボリューム満点のパフェやパンケーキが提供されているらしい。

 お土産として、大きなパックにたくさん入った生のいちごや、自家製のいちごジャムも買うことができる。筆者も大粒のいちごといちごジャムを購入したのだが、いちごはやはり甘みと酸味のバランスがよく、紅茶と一緒にちょっとしたおやつとして食するのにぴったりだった。いちごジャムは砂糖の甘さも感じられて粒もしっかり残っているので、いちご風味のフレーバーティーに入れてロシアンティーのように楽しんだ。

徒歩で下山した

創業70年の歴史を誇る名店・うな助! ふわふわの焼き加減に伝統のタレがマッチ

炭火焼うなぎ「うな助」

 お昼近くなり、バスで掛川市に移動した。最初の目的地は、炭火焼うなぎの老舗「うな助」だ。おしゃれなコンテナハウスのようなモダンな建物で、一見するとうなぎ屋とは思えない佇まい。1階席のほか、30人ほど入れる2階席も用意されているので、大人数でのランチも楽しめる。

 今回食したのは、うな重の「特上」。うな重は「中」「上」「特上」というメニュー展開だが、特上ではかなり大きな鰻が丸々1本使われているのだという。うなぎはふわふわに焼き上げられており、うなぎの皮とタレがとろとろと舌に絡んでくる。ボリュームがありすでに満たされているにもかかわらず、白米と合わせてもっと食べたくなってしまう味わいだった。デザートとしてメロンがついてくるのも嬉しい。豪華な見た目だが、あっという間に完食してしまった。

うな重 特上

掛川花鳥園でのんびりハシビロコウの「ふたば」ちゃんと出会う

掛川花鳥園

 旅の最後に訪れたのは、「うな助」からもほど近い掛川花鳥園だ。さまざまな花が咲き誇るなか、鳥が過ごしている園内で存分に触れ合える。餌を購入して持っているだけで、すぐに鳥たちの人気者になれた。

餌を持っていると鳥たちが集まってくる

 掛川花鳥園でスター的存在である、ハシビロコウのふたばちゃんにも会うことができた。ハシビロコウは動かない鳥として有名で、野生では数日間動かないこともあるという。しかし、ふたばちゃんはのんびりしながらもハウスの外まで出てきて姿を見せてくれた。大好きな飼育員さんにはよく「お辞儀」のようなそぶりを見せるそうで、餌をねだっている姿が愛らしい。

ハシビロコウのふたばちゃん。大好きな飼育員さんにはお辞儀をして餌をおねだりする

 園内では、バードショーも1日に数回行なわれている。普段なかなか目にしない鳥の不思議な習性に遭遇したり、ペンギンが客席まで遊びにきてくれたりと、鳥がメインのテーマパークである掛川花鳥園ならではのショーが楽しめる。全体が温室のような空間で屋根に覆われているので、旅行の目的地としてはもちろん、雨の日の新たなお出かけ先としても最適だ。

 なお、鳥たちの表情がデザインされたカラフルなクリームソーダやクレープなど、めずらしいかわいさのメニューが揃うカフェスペースも設けられている。

カフェスペースでは鳥たちをイメージしたメニューが楽しめる

 今回の旅はここまでだが、静岡市周辺には、駿府城公園や清水魚市場、静岡おでん横丁といった観光・グルメスポットがまだまだある。大河ドラマの世界観に浸りながら、自分や家族の好きなものを存分に取り入れたプランを組んでみてほしい。

編集部:大竹菜々子