旅レポ
空の上からオランダを満喫できるKLMオランダ航空、成田~アムステルダム搭乗レポ
プレミアム・コンフォートクラスも日本路線投入
2023年5月5日 06:00
オランダのフラッグキャリア、KLMオランダ航空。2月初旬にアムステルダムで開催中のフェルメール展を見るため、久しぶりに搭乗してみました。コロナ前にリノベーションしていたスキポール空港のビジネスクラスラウンジ、そして2月末から日本路線でも導入されたプレミアム・コンフォートクラスについても紹介します。
人生初の東回りフライトでアンカレッジから北極圏、グリーンランド上空へ
行きのフライトは、成田11時30分発のKL864便、機材はボーイング 777-300ER型機。今回、長い取材人生で生まれて初めての東回りフライトを体験しました! アンカレッジから北極圏を通過して、グリーンランド上空を飛ぶコースです。モニターで見ていると、地球をぐるっと巡っている感覚。所要13時間40分。ロシア上空を飛ばない西回りに比べるとやや短い印象でしたが、エアライン好きとしてはまったく苦ではありませんでした。
ちなみに、KLMのビジネスクラスに搭乗すると、第1ターミナル 第1サテライトの航空会社共用ラウンジ「NARITA PREMIER LOUNGE」を利用できますが、筆者はKLMが加入しているアライアンス「スカイチーム」のエリートプラスのマイレージカードを持っていたので、第2ターミナルのスカイチーム専用ラウンジを利用できました。
コロナ前と同様、豊富な朝食メニューと、朝からテンションが上がるロゼのスプマンテ。コレお勧めです! メニューにチキンカレーも加わっていました。
今回はエコノミークラスでしたが、久しぶりにKLMのちょっとしたオランダっぽいデザインの遊び心を思い出しました。搭乗すると緊急時の説明がモニターに表示されますが、客室乗務員が出演するのではなく、デルフト焼(青と白で知られるオランダの伝統陶器)のタイルに書かれた人物が登場。これはオランダらしくて、思わず写真を撮りたくなってしまいます。
お楽しみの機内食タイム。初めてのKLMではトレイ下に敷いてあったデルフト焼風の紙シートがかわいくて持ち帰ったのですが、今回はサラダ容器の上蓋に風車やチューリップ、KLMロゴがデザインされていて、これも持って帰りたかったほど。
以下は今回の往路KL864便、復路KL863便でいただいた機内食のすべて。鉄板のハイネケン250mLからスタートです。帰国便ランチのトマトソースのペンネ、朝食のクロワッサンチーズ焼きサンドは絶品! チョコレートタルトもペロリ、でした。そうそう、南アの白ワインもなかなかでした!!
機内後方のギャラリーには、各種スナック菓子が用意されていて、飲み物も好きなだけいただけました。常に客室乗務員が数名いて、気さくに対応してくれます。KLMに乗っていていつも感じるのは、ほかの欧米系エアラインに比べて、スタッフが大変フレンドリーであることです。古くから貿易都市として発展してきたオランダは、世界各地から人々を鷹揚に受け入れ、昔からダイバーシティは当たり前の国。そんな国民性もあるのでしょう。
こちら到着後のアムステルダム・スキポール空港。スマホのモバイルSIMショップもすぐ見つけられて、4GBの7日間パッケージ(20ユーロ)を購入。電車で目的地デルフトへ向かいました。
プレミアム・コンフォートクラスはクルーの意見も取り入れて導入
KLMのプレミアム・コンフォートクラスは、長距離国際線に新たに加わったビジネスクラスとエコノミーの中間的なクラスです(いわゆるプレミアムエコノミークラスはすでに存在しており、そのさらに上位の位置付け)。2010年代ごろから多くの航空会社が力を入れてきましたが、KLMは2022年に導入。他社との差別化を図るためカスタマーリサーチを重ね、実際に乗客と接するクルーの意見なども聞きながら、プレミアム・コンフォートクラスを完成させました。
その特徴ですが、まずプレミアム・コンフォートクラスに搭乗すると、スカイプライオリティ優先レーンを利用できます。優先レーンで早々とチェックインでき、エリートプラス、ファーストクラス&ビジネスクラスが受けられる受託手荷物の優先取り扱い、優先搭乗など、さまざまな特別サービスが受けられます。
また、仕事道具を持って機内に入る利用者を想定して、テーブルサイズを広めにしています。サイズは17×11インチ(約43×28cm)で、14インチのノートPCを置いても余裕があります。ヘッドレストの肩口には読書灯があり、手元を照らせます。
各社のプレミアムエコノミークラスは大きく分けるとシェル型とリクライニング型がありますが、シェル型は少し圧迫感がある、という意見もあったことから、開放的なリクランニング型にして、人間工学に基づいたシートを採用しています。幅48cm、リクライニング125度、シートピッチ97cm、個人用モニターは13.3インチを採用。
リクライニング角度は、エコノミークラスよりプラス4~5cm広がっています。シートピッチは、エコノミーの79cmに比べて97cmと広くなり、レッグレストはオランダ人の大柄な体形に合わせて大きめな印象です。
食事は、メインディッシュが肉と魚、ベジタリアンの3種類。フライト中の軽食ともに、ビジネスクラスで高評価だったメニューからセレクトしています。ワインとリキュール類もワンランク上。カクテルやスパークリングワインなども用意しており、カトラリーも上品です。
プレミアム・コンフォートクラスは、4月以降の定期便に導入していて、成田路線では5月10日から全便に、関空路線では現在火・土曜発の週2便を運航しています。
ビジネスクラスはジン入りデルフトブルーハウス陶器をもれなくプレゼント
一方、ビジネスクラスといえばフルフラットシート。各座席に電源とプライバシースクリーン、16~18インチ(約40~46cm)のエンタテイメントシステムを装備。
機内食は、オランダのミシュラン星つきシェフのメインディッシュほか、国際色豊かな料理がいただけます。カトラリーもこだわり、世界的に著名なオランダ人のプロダクト&インテリアデザイナー、マルセル・ワンダースのデザインを採用しています。
うれしいのは、デルフトブルーハウス(ジン入り)のプレゼント。
オランダのジェネヴァ入りデルフトブルーミニチュアハウスは、実際のオランダ建築物を再現したミニチュア版です。1950年代から国際線ビジネスクラスの利用者にもれなくプレゼントしていて、ファンに親しまれているコレクターアイテムです。創立記念日の10月7日に1つずつ新しいモデルが出ますが、2022年には創立103年目を記念して103番の「エキュリ・ハウス」が登場しました。
ミニチュアハウスは、アプリ「KLM House」をダウンロードすると、各番号のハウスの解説を読めるほか、持っているコレクションを記録しておくことができます。機内では最新モデルのほか、過去に発表されたバックナンバーを一部用意しているので、アプリを見ながら好きなハウスをクルーにリクエストしてみてください!
スキポール空港ビジネスクラスラウンジを体験
2019年11月28日、スキポール空港のビジネスクラスラウンジが大きくリノベーションしていました。その様子を見てきましたのでご報告します。内部は食事&ドリンクのエリア「シティ」、休息、シャワー室、仮眠室のエリア「シー」、上階にあるバー&レストラン、テラス「スカイ」の3つのセクションに分かれました。
広々としたスペースを有するシティは、さまざまな席が用意されています。料理やドリンクも食べ放題。お料理メニューも豊富です。
上階へいく階段の壁には、前述の「デルフトブルーハウス」がズラリと並べられていて壮観です! こちらのバーはビールとワインは無料で、特別なカクテルなどは有料になっていて、カクテルが9ユーロ~(2250マイル)。外のKLMの機体など見ながら、搭乗を待ち、お酒を楽しめます。