旅レポ
ANAのA380カウチシートで寝ながらハワイから帰国してみた! 広くフラットな座面はクラスを超えた快適さ
2022年7月3日 18:20
- 2022年7月2日(現地時間) 搭乗
ANAは7月1日、成田~ホノルル線にエアバス A380型機「FLYING HONU」を再投入した。その初便(1号機、JA381A)がホノルル現地へ到着し、折り返し成田へ飛び立っていく様子は既報のとおりだが、翌2日にホノルルへ飛来した2号機(JA382A)のエコノミークラス カウチシート(ANA COUCHii)に搭乗する機会を得たので、ここで紹介する。
カウチシートとは、3席ないし4席並びのシート区画のレッグレストを水平に引き上げることで、座面スペースを拡大して、ソファベットのように使える仕組みだ。
FLYING HONUではエコノミークラスのキャビンのうち、最後方6列(71~76列目)の計18組分がカウチシート仕様になっている。今回記者が利用したのは、窓側3席並びの区画だ。料金は通常のエコノミークラスの代金に加えて、今回のように3席を1名で利用すると、ローシーズンなら+6万2000円、ハイシーズンなら+17万2000円。4席を4名で利用する場合はロー/ハイとも+1万3000円。
カウチシートの個別の座席の作りは、レッグレストを備えていること以外、通常のエコノミークラスシートと大きく変わらない(通常のシートは前方にフットレストがある)。ただし、窓際の席はキャビンの形状に合わせて壁まで座面を広げてあり、寝具が隙間から落ちないよう工夫している。
ベッド状態への転換は、仕組みが分かっていれば非常に簡単だ。アームレストのボタンを押すとレッグレストが45度持ち上がるので、あとは手動で水平まで引き上げる。この時点でほぼ段差がないので十分寝られそうだが、備え付けのベッドパッドを敷くことでさらに段差を(寝汗も)吸収する状態になる。このベッドパッドはふんわりと肌あたりのよい素材なので、感触から寝心地のよさを想像できる。
短辺は成人男性が横になってもまだ余裕があるサイズ。気になる長辺は、身長178cmの記者が完全に足を伸ばすことはできないが、窓側の隙間が小さく、枕を置くことで端まで使えるため、限りなく足を伸ばした状態で横になることができた。つまり、4席並びの中央区画なら完全に足を伸ばせるということだ。なお、枕は硬さの異なるものが2つ用意されており、安全のため頭は窓側にしなければならない。
アームレストは通路側を除いてすべて撥ね上げられる。そのヒンジ部分は標準的な体型なら当たらないところにあるが、それでももし気になるなら使わない方の枕をあてがっておけばよいだろう。
ビジネスクラスのフラットシートだと足先を前方の空間に潜り込ませなければならなかったりするが、カウチシートは周辺の空間が広いので、(その姿勢を周囲に見られてしまうが)大股びらきで寝っ転がることができる。リラックス感という点では、エコノミーというクラスを超えた快適さだ。フラットな面で横になることでどれだけ休まるかというのを再確認できたし、機内なので当然揺れはあるが、それもまた心地よく感じられた。
ちなみにカウチシートには専用のシートベルトを用意しているので、寝たままでも体をシートに固定できる。
レッグレストを戻すときは、カチッと音がするまでいったん軽く上に引き上げる。すると斜め45度のポジションへ戻るので、アームレストのボタンを押しながら収納位置へ押し下げればよい。この押し下げはやや硬めなので、真上から力をかけるようにした方がよいだろう。
カウチシートはフラットにして寝るだけでなく、上半身を起こして足を伸ばすなど、座面アレンジで好きなように過ごせるのがポイントだ。今回はぜいたくに1人で利用したが、小さな子供連れなら子供を寝かせて親は座ったままなど、シーンに応じて使い分けることもできる。
このNH183便は、前日の成田発の初便(NH184便)と同じクルーが乗務していた。最後に、カウチのエコノミークラスでサービスを担当したCAお2人に初便の様子について伺ったところ、「再就航の話を聞いて、日常に戻りつつあると感じてうれしかった。初便のお客さまからはコロナ禍に入って初めての海外旅行なので楽しみにしていたという声も聞かれた。衛生面を気にする方が多いことは分かっていたので、化粧室を小まめに清掃したり、座席まわりのゴミの片付けなどを積極的に回収するようにした」「A380を使った遊覧飛行に何度か乗務したが、早くこれに乗ってホノルルへ行きたいという声が多くあり、今回の再就航は本当にうれしい。小さなお子さまを連れたご家族が多いので、久しぶりの飛行機でケガをしたりしないよう、お子さまの状況に特に気を配るようにした」といった話を聞くことができた。