旅レポ
チェコ・プラハで街歩き! 歴代王の気分で旧市街からモルダウ川を渡ってプラハ城へ
2022年7月6日 07:00
チェコ政府観光局主催のプレスツアー2回目の旅レポは、首都プラハの王道観光スポットをご紹介します。ちょっぴり駆け足で周ったので、内部には入らず外観だけというところも多かった今回。また訪れる機会があれば、次はガイドツアーなどに参加したり美しいホールでコンサートを聴いたりしたいな~。ではプラハのぶらり街歩きスタートです。
歴代の王が戴冠式パレードで歩いた「王の道」をゆく
プラハは街の真ん中を流れるヴルタヴァ川の両岸に発達した街。川の東岸が旧市街、西岸が「マラー・ストラナ」と呼ばれるいわゆる城下町になっていて、小高い丘の上にはプラハ城が鎮座します。くねくねした旧市街の路地を通り抜けてをカレル橋を渡り、プラハ城へと向かうのが王道の観光コース。今回私もそのルートで歩いてみました。まずは宿泊したホテル「THE JULIUS」から徒歩3~4分の場所にある「市民会館」から。
この「市民会館」は、1918年にオーストリア・ハンガリー帝国から独立して「チェコスロバキアという国ができましたよー!」と宣言したチェコの歴史上とても重要な建物。内部はレストランやカフェ、コンサートホールが入っていて、アール・ヌーヴォーの代表画家ムハ(フランス語でミュシャ)が室内装飾を手掛けた「市長の間」などが見られるガイドツアー(要予約)が人気です。
市民会館の左隣に建つ黒っぽい塔は「火薬塔」といって、17世紀に銃の火薬庫として使われていたことから今でもこう呼ばれています。この場所はチェコの歴代の王様の戴冠パレードの起点だったところ。ここから行列が旧市街へと入っていき王の居城プラハ城へ向かっていったのです。いにしえの王の気分で塔をくぐって、いざ旧市街へ!
「黒い聖母の家」は世界的にも貴重なキュビズム建築の建物です。キュビズムとはパブロ・ピカソとジョルジュ・ブラックが創始した20世紀初頭の革新的な美術運動のこと。キュビズム建築はチェコにしかないそうですよ。なかはカフェやショップ、博物館などが入っていてキュビズム一色の建物です。
旧市街の真ん中あたりにある旧市街広場にやってきました。ここはまわりのさまざまな建築様式の建物群が素晴らしく、スマホを手にしてぐるっと回りながら動画で360度収めたくなる場所。そんな旧市街広場で人気なのが旧市庁舎の時計塔です。9時、10時、11時と毎正時に動くカラクリ時計を見るためにたくさんの人たちがわらわらと集まります。私もチョー密状態で観たのですが、過度に期待し過ぎたのか「えっこれだけ!?」という感想でした(笑)。観光地あるある?
カレル橋を渡ってプラハ城の足元マラー・ストラナへ
プラハの街のスゴイところは、14世紀に神聖ローマ帝国の首都となった黄金時代の基盤が現在まで脈々と続いて現存していること。そのころの日本といえば南北朝時代。織田信長や伊達政宗などの戦国大名が出てくる前の時代です。世界史にも名を残す皇帝カレル4世は、そのころにプラハの街の大改造を行ない、カレル橋の建設に着手しています。
世界で最も美しいゴシック建築の1つと言われる「旧市街橋塔」はカレル橋とともに14世紀に建てられたもの。上は展望階になっていて、ここからの眺めはプラハの代表的な風景と聞いていたので、はりきって2日目の朝イチで訪れてみました。オープン時は混んでいて行列になっているかも!?と心配していたのですが、誰も並んでいなくて拍子抜け。係のお兄ちゃんが10時ジャストに入り口を開けてくれてその日の一番乗りが私でした。
日本から来たと言うと「音楽をやっているんだけど僕のトランペットはヤマハ製なんだ……!」とおしゃべり好きのお兄ちゃんの話を聞きながら暗い螺旋階段をぐるぐる上がって途中にあるチケット売り場へ。入場料の75チェコ・コルナを払って、さらに上の展望エリアへ向かいました。
展望階は通路も狭くて塔の上のラプンツェル状態ですが、プラハに来たらここは本当にオススメのビュースポットです。これほどの絶景が見られる場所なのになぜ私だけ!?と思ったほど誰も上がってこなかったのが不思議。おかげで四方八方の景色をゆっくりと眺めることができました。
さていよいよカレル橋を渡ります。歩行者専用のカレル橋の全長は516m、幅も10m弱ある大きなもの。620年も前に完成した石橋で、歴代の王様もこの石畳の上を通ったのか~と思いながら歩きました。ところで橋の下を流れるヴルタヴァ川は、ドイツ語では「モルダウ川」。そう日本人にもなじみのあるあのメロディの「モルダウ」です。
カレル橋を渡ってからトラムを使って高台まで行き、ストラホフ修道院から見えるマラー・ストラナの絶景に感動しつつ、ついにプラハのハイライト、プラハ城に到着です。正門の向かって左隣にあるマチアス門で荷物検査をしたあと、第2の中庭を通り抜け、さらに建物を突っ切る小道を抜けると、突如として巨大な大聖堂の正面が目の前に。これが思わず声を上げてしまうほど大迫力なのです。
現在大統領府としても使われているプラハ城は東西に長く、美術館や教会、旧王宮などからなっている複合施設のようなお城。なかでもこのゴシック様式の聖ヴィート大聖堂が最大の建造物であり最大の見どころです。地下には歴代の王様のお墓が納められているそうですよ。今回は時間の都合で外観を見ただけでしたが、プラハ城の見学ツアーではムハ(ミュシャ)が制作したステンドグラスや荘厳な礼拝堂などが見られます。
今回ご紹介した市民会館からプラハ城までは距離にして2.6kmほど。プラハ城が小高い丘の上にあるので若干上りにはなりますが、十分歩ける距離です。見どころはご紹介したところ以外にも博物館や美術館、庭園などたくさんあるので、どうしても訪れたい場所やじっくり見たい施設があるなら、時間配分を考えて計画を立てることをお勧めします。そうそう、スマホのカメラだけで撮っていると映える景色ばかりなのであっという間にバッテリー切れになります。くれぐれもモバイルバッテリーはお忘れなく!