旅レポ

ルーベンスからモンドリアン、ミッフィーまで! アートに触れて美食に酔いしれるオランダ&ベルギーの旅(その3)

アントワープの名所めぐり、後編

ルーベンスからモンドリアン、ミッフィーまで! アートに触れて美食に酔いしれるオランダ&ベルギーの旅(その3) 後半はアントワープの定番の見どころをご紹介!
後半はアントワープの定番の見どころをご紹介!

 アントワープの街歩きレポート、後編は“これぞアントワープ”という定番の見どころ満載でご紹介します。出発前夜にアニメ「フランダースの犬」の第1話と最終回を見直して臨んだ今回の旅。ネロとパトラッシュゆかりの地は芸術にあふれていました。

ネロが最期に観た2枚の絵はココ! アントワープのシンボル・聖母大聖堂

ルーベンスからモンドリアン、ミッフィーまで! アートに触れて美食に酔いしれるオランダ&ベルギーの旅(その3) ルーベンスの銅像が立つ広場
ルーベンスの銅像が立つ広場

 アントワープはバロック絵画の巨匠ルーベンスが活躍した街。ルーベンスと言えば「フランダースの犬」の少年ネロが憧れた画家であり、涙なくしては見られないラストシーンでネロが最期に見ることができた有名な2枚の絵を描いた人です。その絵が飾られている聖母大聖堂は1352年(日本は室町時代!)から約170年かけて建てられたゴシック建築の教会。123mの鐘楼は世界遺産にもなっていて、その姿はアントワープの街中なら大抵の場所から見えるランドマークとなっています。

ルーベンスからモンドリアン、ミッフィーまで! アートに触れて美食に酔いしれるオランダ&ベルギーの旅(その3) 真下に立って見上げるとその大きさに圧倒される大聖堂
真下に立って見上げるとその大きさに圧倒される大聖堂

 ここでアニメ「フランダースの犬」の最終回をおさらいしましょう。普段はカーテンがかかっていて見ることができなかったルーベンスの絵。なぜなら昔はお金を払わないと見られなかったからです。しかしクリスマスイブの夜はカーテンが開いていて、ネロは吸い込まれるようにして絵の前に立ちます。まずは「キリスト昇架」を、次に数メートル右の「キリスト降架」を。そして絵を見上げながら言います。「とうとう! とうとうぼくは見たんだ! なんてすばらしいんだろう。あぁ、マリア様ありがとうございます」……その先はご存知のとおり思い出すと涙が止まらなくなるのでこのへんで。

ルーベンスからモンドリアン、ミッフィーまで! アートに触れて美食に酔いしれるオランダ&ベルギーの旅(その3) 大聖堂の中
大聖堂の中
ルーベンスからモンドリアン、ミッフィーまで! アートに触れて美食に酔いしれるオランダ&ベルギーの旅(その3) 中央奥の祭壇前には「聖母被昇天」。これもルーベンスの傑作
中央奥の祭壇前には「聖母被昇天」。これもルーベンスの傑作
ルーベンスからモンドリアン、ミッフィーまで! アートに触れて美食に酔いしれるオランダ&ベルギーの旅(その3) キリストが十字架に架けられようとしている「キリスト昇架」
キリストが十字架に架けられようとしている「キリスト昇架」
ルーベンスからモンドリアン、ミッフィーまで! アートに触れて美食に酔いしれるオランダ&ベルギーの旅(その3) こちらはキリストが十字架から降ろされている「キリスト降架」
ルーベンスからモンドリアン、ミッフィーまで! アートに触れて美食に酔いしれるオランダ&ベルギーの旅(その3) こちらはキリストが十字架から降ろされている「キリスト降架」
こちらはキリストが十字架から降ろされている「キリスト降架」

 2枚の絵はネロが見たとおり、左に「キリスト昇架」、右に「キリスト降架」が飾られています。“あっちからこっちにたったったっと走ってきたんだなぁ”とアニメと同じアングルで眺めると感慨もひとしお。これぞ究極の聖地巡礼ですわ。ネロと同じく感動で胸いっぱいになって外に出ると、広場の石畳に突如として盛り上がる一角が。これが2016年に造られたネロ少年とパトラッシュの像です。

ルーベンスからモンドリアン、ミッフィーまで! アートに触れて美食に酔いしれるオランダ&ベルギーの旅(その3) 大聖堂前の広場に横たわるネロとパトラッシュ
大聖堂前の広場に横たわるネロとパトラッシュ
ルーベンスからモンドリアン、ミッフィーまで! アートに触れて美食に酔いしれるオランダ&ベルギーの旅(その3) わたくしももう疲れたですの、と夢の共演
わたくしももう疲れたですの、と夢の共演

ルーベンスを極めたいなら「ルーベンスの家」へ

ルーベンスからモンドリアン、ミッフィーまで! アートに触れて美食に酔いしれるオランダ&ベルギーの旅(その3) 知らなければ通り過ぎちゃいそうな入り口
知らなければ通り過ぎちゃいそうな入り口

 聖母大聖堂でルーベンスの傑作を鑑賞したら、お次は徒歩10分ほどの所にある「ルーベンスの家」へ。ここはルーベンスがイタリアから帰国後、亡くなるまで約30年間暮らした自宅兼アトリエで、彼自身が設計したという歴史ある建物です。ルーベンスの作品はもちろん、たくさんの収集品も展示されていて見応えがあります。

ルーベンスからモンドリアン、ミッフィーまで! アートに触れて美食に酔いしれるオランダ&ベルギーの旅(その3) 毎週月曜日が休館日
毎週月曜日が休館日
ルーベンスからモンドリアン、ミッフィーまで! アートに触れて美食に酔いしれるオランダ&ベルギーの旅(その3) 立派な門がある中庭
立派な門がある中庭

 見学は住居として使われていた建物からスタート。ダイニングルームや寝室、家事室など、ルーベンスの作品が飾られている各部屋を回ると、17世紀当時の上流階級の人の暮らしが垣間見えます。

ルーベンスからモンドリアン、ミッフィーまで! アートに触れて美食に酔いしれるオランダ&ベルギーの旅(その3) 施設内の様子
ルーベンスからモンドリアン、ミッフィーまで! アートに触れて美食に酔いしれるオランダ&ベルギーの旅(その3) 施設内の様子
ルーベンスからモンドリアン、ミッフィーまで! アートに触れて美食に酔いしれるオランダ&ベルギーの旅(その3) 施設内の様子
ルーベンスからモンドリアン、ミッフィーまで! アートに触れて美食に酔いしれるオランダ&ベルギーの旅(その3) 施設内の様子
施設内の様子

 続いてアトリエとして使われていたバロック建築の建物へ。教会や君主といった大パトロンを多く持つ売れっ子画家だったルーベンスは、この場所でたくさんのお弟子さんたちとともに膨大な数の作品を制作しました。外交官としての顔も持つルーベンスを訪ねて、ヨーロッパ中から数多くの著名人がやってきたそうですよ。

ルーベンスからモンドリアン、ミッフィーまで! アートに触れて美食に酔いしれるオランダ&ベルギーの旅(その3) 道路をはさんだ向かい側にあるショップもオススメ
道路をはさんだ向かい側にあるショップもオススメ
ルーベンスの家

所在地:Wapper 9-11, 2000 Antwerp, Belgium
Webサイト:ルーベンスの家

小じんまりしていて居心地のいい「ロコックスの家」でコレクションを鑑賞

ルーベンスからモンドリアン、ミッフィーまで! アートに触れて美食に酔いしれるオランダ&ベルギーの旅(その3) ここも入り口が控えめ
ここも入り口が控えめ

 ここは17世紀前半のアントワープ市長ニコラス・ロコックスさんという人の邸宅だったところ。現在は絵画や調度品など収集家だった彼のコレクションを展示する美術館になっています。ルーベンスとも大親友だったというニコラス・ロコックス。先ほど紹介した聖母大聖堂の「キリスト降架」は当時市長だった彼の発注なのだとか。

ルーベンスからモンドリアン、ミッフィーまで! アートに触れて美食に酔いしれるオランダ&ベルギーの旅(その3) これがロコックスさん。なかなかのイケメン
ルーベンスからモンドリアン、ミッフィーまで! アートに触れて美食に酔いしれるオランダ&ベルギーの旅(その3) これがロコックスさん。なかなかのイケメン
ルーベンスからモンドリアン、ミッフィーまで! アートに触れて美食に酔いしれるオランダ&ベルギーの旅(その3) これがロコックスさん。なかなかのイケメン
これがロコックスさん。なかなかのイケメン
ルーベンスからモンドリアン、ミッフィーまで! アートに触れて美食に酔いしれるオランダ&ベルギーの旅(その3) 「黄金のキャビネット展 THE GOLDEN CABINET」のために来ているジャン・フーケの「ムランの聖母子」
「黄金のキャビネット展 THE GOLDEN CABINET」のために来ているジャン・フーケの「ムランの聖母子」
ルーベンスからモンドリアン、ミッフィーまで! アートに触れて美食に酔いしれるオランダ&ベルギーの旅(その3) 中庭が美しいロコックス邸
中庭が美しいロコックス邸
ルーベンスからモンドリアン、ミッフィーまで! アートに触れて美食に酔いしれるオランダ&ベルギーの旅(その3) 庭のこんなところにも絵が
庭のこんなところにも絵が
ロコックスの家

所在地:Keizerstraat 10-12, 2000 Antwerpen, Belgium
Webサイト:ロコックスの家(英語)

ルーベンスも手がけた聖カロルス・ボロメウス教会

ルーベンスからモンドリアン、ミッフィーまで! アートに触れて美食に酔いしれるオランダ&ベルギーの旅(その3)

 ルーベンスつながりでもう1つ。聖母大聖堂から400mほどのところにある聖カロルス・ボロメウス教会は、ルーベンスが正面の外観や内部の装飾を手がけたとされるイエズス会の教会。画家としてだけではなく、建築の分野でも名を残しているルーベンス、すごい!

ルーベンスからモンドリアン、ミッフィーまで! アートに触れて美食に酔いしれるオランダ&ベルギーの旅(その3) 現代的でカラフルな椅子が並んでいるところが面白い
現代的でカラフルな椅子が並んでいるところが面白い

 この教会、かつては天井にルーベンスや彼の弟子で、のちにイタリアで活躍したヴァン・ダイクの作品がありましたが、雷による⽕事で消失してしまったのだそう。しかし最近になって朗報が。この教会の祭壇のために描かれ、18世紀以降、長らく行方不明だったルーベンス作「聖家族のエジプト逃避」が最近発見され、近々戻ってくるのだそうです。

世界でもココだけ! めずらしい印刷博物館

ルーベンスからモンドリアン、ミッフィーまで! アートに触れて美食に酔いしれるオランダ&ベルギーの旅(その3)

 プランタン・モレトゥス印刷博物館は、ユネスコの世界遺産に指定されている活版印刷の博物館。ベルギーの印刷技術の歴史は古く、16世紀ごろ黄金時代を迎えるのですが、その第一人者といえるのが博物館の名前にもなっているクリストフ・プランタンさん(ちなみにモレトゥスは娘婿の名前)。ここでは活版印刷の機械や道具類のほかに、豪華な調度品や肖像画で飾られる私邸も見学できます。ちなみにこのプランタン・モレトゥス家ともルーベンスは親交が厚かったのだとか。ここにも上流階級の輪がっ! というか、どの業界にも顔が利くルーベンスの大物っぷりを実感!

ルーベンスからモンドリアン、ミッフィーまで! アートに触れて美食に酔いしれるオランダ&ベルギーの旅(その3) 古い印刷機が展示されています
ルーベンスからモンドリアン、ミッフィーまで! アートに触れて美食に酔いしれるオランダ&ベルギーの旅(その3) 古い印刷機が展示されています
古い印刷機が展示されています
ルーベンスからモンドリアン、ミッフィーまで! アートに触れて美食に酔いしれるオランダ&ベルギーの旅(その3) ルーベンスが描いた肖像画も
ルーベンスからモンドリアン、ミッフィーまで! アートに触れて美食に酔いしれるオランダ&ベルギーの旅(その3) ルーベンスが描いた肖像画も
ルーベンスが描いた肖像画も
ルーベンスからモンドリアン、ミッフィーまで! アートに触れて美食に酔いしれるオランダ&ベルギーの旅(その3) ショップには印刷博物館らしいグッズがたくさん
ルーベンスからモンドリアン、ミッフィーまで! アートに触れて美食に酔いしれるオランダ&ベルギーの旅(その3) ショップには印刷博物館らしいグッズがたくさん
ショップには印刷博物館らしいグッズがたくさん
ルーベンスからモンドリアン、ミッフィーまで! アートに触れて美食に酔いしれるオランダ&ベルギーの旅(その3) そしてここも庭園がすばらしい
そしてここも庭園がすばらしい
プランタン・モレトゥス印刷博物館

所在地:Vrijdagmarkt 22, 2000 Antwerp, Belgium
Webサイト:プランタン・モレトゥス印刷博物館(英語)

アントワープ港湾局の本社“ポートハウス”のかっこよさ

ルーベンスからモンドリアン、ミッフィーまで! アートに触れて美食に酔いしれるオランダ&ベルギーの旅(その3)

 ここからはアントワープの建築スポットをいくつかご紹介します。街の北側の運河近くにある斬新なデザインの建物はアントワープ港湾局の本社ビル。手掛けたのは世界的に有名なザハ・ハディド建築事務所です。

ルーベンスからモンドリアン、ミッフィーまで! アートに触れて美食に酔いしれるオランダ&ベルギーの旅(その3) 真下から見上げるとガラスに自分の姿が映る
真下から見上げるとガラスに自分の姿が映る

 下の部分は以前消防局として使われていた建物で、新しく造られた上部は角度を微妙に変えたガラスで覆われています。青空や雲、そして水辺のきらめきまでも反射して、まるで光る巨大な宝石みたい! そうなのです。これはアントワープの重要な産業“ダイヤモンド”に敬意を表わしているのですね~。ガイドツアーもやっているので建築に興味のある方はぜひ!

ルーベンスからモンドリアン、ミッフィーまで! アートに触れて美食に酔いしれるオランダ&ベルギーの旅(その3) 中はこんな感じで真っ白
ルーベンスからモンドリアン、ミッフィーまで! アートに触れて美食に酔いしれるオランダ&ベルギーの旅(その3) 中はこんな感じで真っ白
中はこんな感じで真っ白
ルーベンスからモンドリアン、ミッフィーまで! アートに触れて美食に酔いしれるオランダ&ベルギーの旅(その3) ちょっと離れて真横から。今と昔が違和感なく調和していてお見事!
ちょっと離れて真横から。今と昔が違和感なく調和していてお見事!
アントワープ港湾局ポートハウス

所在地:Zaha Hadidplein 1, 2030 Antwerpen, Belgium
Webサイト:アントワープ港湾局ポートハウス(英語)

屋上の展望スペースがオススメ! MASミュージアム

ルーベンスからモンドリアン、ミッフィーまで! アートに触れて美食に酔いしれるオランダ&ベルギーの旅(その3)

 ポートハウスからそれほど遠くないところにもう一つ現代建築でオススメの場所があります。それがMASミュージアム。港町のコンテナをイメージしているという茶色のどっしりとした建物は遠目からでも目立つ斬新なデザインです。眺めのよい屋上デッキは美術館の営業時間外でも無料開放しているのだとか。ここから見る夜景もよさそう!

ルーベンスからモンドリアン、ミッフィーまで! アートに触れて美食に酔いしれるオランダ&ベルギーの旅(その3) エスカレーターで上へ
エスカレーターで上へ
ルーベンスからモンドリアン、ミッフィーまで! アートに触れて美食に酔いしれるオランダ&ベルギーの旅(その3) フリースペースで勉学に励む地元の若者たち
フリースペースで勉学に励む地元の若者たち
ルーベンスからモンドリアン、ミッフィーまで! アートに触れて美食に酔いしれるオランダ&ベルギーの旅(その3) 波打つガラス面
波打つガラス面
ルーベンスからモンドリアン、ミッフィーまで! アートに触れて美食に酔いしれるオランダ&ベルギーの旅(その3) 上からしか確認できないドクロ模様
上からしか確認できないドクロ模様
ルーベンスからモンドリアン、ミッフィーまで! アートに触れて美食に酔いしれるオランダ&ベルギーの旅(その3) 写真撮影用の穴が開いている
写真撮影用の穴が開いている
ルーベンスからモンドリアン、ミッフィーまで! アートに触れて美食に酔いしれるオランダ&ベルギーの旅(その3) アントワープの街を一望
アントワープの街を一望
MASミュージアム

所在地:Hanzestedenplaats 1, 2000 Antwerp, Belgium
Webサイト:MASミュージアム(英語)

アントワープ市裁判所

ルーベンスからモンドリアン、ミッフィーまで! アートに触れて美食に酔いしれるオランダ&ベルギーの旅(その3)

 イギリスの建築家リチャード・ロジャースの設計、船の帆をイメージしているという三角屋根が特徴というこちらの建物もアントワープの近代建築物巡りには欠かせない場所の一つです。東京ビッグサイトみたいなイベント会場かと思ったら、なんとアントワープ市の裁判所! 「ぇぇえ!? 裁判所!?」と二度聞きしてしまいました。フツー裁判所って……という常識を覆されるのが面白い、アントワープの近代建築群なのです。

ルーベンスからモンドリアン、ミッフィーまで! アートに触れて美食に酔いしれるオランダ&ベルギーの旅(その3) モニュメントが立っている
モニュメントが立っている

アール・ヌーヴォー建築が立ち並ぶ高級住宅街を散策

ルーベンスからモンドリアン、ミッフィーまで! アートに触れて美食に酔いしれるオランダ&ベルギーの旅(その3)

 近代的建築をいくつかご紹介したところで、時代を一気に遡ってみましょう。景観保護地区に指定されているズーレンボルグ・ベルヘム地区には、約100年前のアール・ヌーヴォー全盛期に建てられた個性的なおうちが軒を連ねています。思わずテーマパークを歩いているかと錯覚してしまうほど。高級車が停まっていたり、庭や出窓のお花がしっかり手入れされているところで「あぁ、人が住んでいるんだなぁ」と感じました。

ルーベンスからモンドリアン、ミッフィーまで! アートに触れて美食に酔いしれるオランダ&ベルギーの旅(その3) 玄関、屋根、窓枠の装飾と、一つとして同じものがない
玄関、屋根、窓枠の装飾と、一つとして同じものがない
ルーベンスからモンドリアン、ミッフィーまで! アートに触れて美食に酔いしれるオランダ&ベルギーの旅(その3) 一体どんなお金持ちが住んでいるんですのー
一体どんなお金持ちが住んでいるんですのー

アントワープの街なかにひっそりと佇むステキな小径

ルーベンスからモンドリアン、ミッフィーまで! アートに触れて美食に酔いしれるオランダ&ベルギーの旅(その3) 「Vlaeykensgang(ブラーイケンスガング)」
「Vlaeykensgang(ブラーイケンスガング)」

 アントワープの街のど真ん中に、かつて貧しい人々が暮らしていたという古い一角がそのまま残っている場所があります。その名も「ブラーイケンスガング」。1人だったら絶対に躊躇しちゃいそうな入り口を進むと、別空間にワープしたかのよう! 正真正銘“隠れ家”的なレストランやカフェがあってとってもよい雰囲気。来た道を引き返すのではなく、そのまま進んで再びどこかの裏通りに出ました。ガイドさんについて行ったので入り口をはっきり覚えていないのですが、たぶんココ。

 Goole Mapで「Oude Koornmarkt16」と入力すれば入り口付近が出てきますのでぜひ探してみてください。

ルーベンスからモンドリアン、ミッフィーまで! アートに触れて美食に酔いしれるオランダ&ベルギーの旅(その3) 昔の人々が使っていた井戸などが残る。石畳やレンガの壁が乙女ココロをくすぐります
昔の人々が使っていた井戸などが残る。石畳やレンガの壁が乙女ココロをくすぐります
ルーベンスからモンドリアン、ミッフィーまで! アートに触れて美食に酔いしれるオランダ&ベルギーの旅(その3) 再び現代に戻って振り向くと大聖堂がこの角度で
再び現代に戻って振り向くと大聖堂がこの角度で

スヘルデ川を渡るトンネルに向かう木製エスカレーターがすごかった!

ルーベンスからモンドリアン、ミッフィーまで! アートに触れて美食に酔いしれるオランダ&ベルギーの旅(その3) 自転車もOK!
自転車もOK!

 アントワープを流れるスヘルデ川には地下通路「St Anna Tunnel(セント アナ トンネル)」があって、川を横断して対岸へ行くことができます。そのトンネルへはエスカレータで降りるのですが、そのエスカレータがなんと木製! レトロっぷりがたまりませんでした。

ルーベンスからモンドリアン、ミッフィーまで! アートに触れて美食に酔いしれるオランダ&ベルギーの旅(その3) かなり地下深くまで行く
かなり地下深くまで行く
ルーベンスからモンドリアン、ミッフィーまで! アートに触れて美食に酔いしれるオランダ&ベルギーの旅(その3) これが対岸に向かう地下トンネル。500m以上あるらしい
これが対岸に向かう地下トンネル。500m以上あるらしい

 エレベータもあるのですが、これもまた古くて巨大。そのぶん動きが遅いからなのか、ほとんどの人は木製エスカレーターを使っているように見えました。

ルーベンスからモンドリアン、ミッフィーまで! アートに触れて美食に酔いしれるオランダ&ベルギーの旅(その3) 自転車の人が多いのはお国柄
自転車の人が多いのはお国柄
ルーベンスからモンドリアン、ミッフィーまで! アートに触れて美食に酔いしれるオランダ&ベルギーの旅(その3) 現役で動いているってのがスゴイですわ~
現役で動いているってのがスゴイですわ~

アール・ヌーヴォー好きにはたまらない聖ウルスラ修道院のガイドツアー

ルーベンスからモンドリアン、ミッフィーまで! アートに触れて美食に酔いしれるオランダ&ベルギーの旅(その3) 聖ウルスラ修道院の温室
聖ウルスラ修道院の温室

 アントワープとブリュッセルの中間あたりにある街メッヘレン。その郊外にある聖ウルスラ修道院を訪ねました。ここは1900年ごろに建てられ上流階級の女子生徒が暮らしていた寄宿学校。アール・ヌーヴォー全盛期だった当時の装飾芸術を間近に見ることができます。英語とオランダ語のみですが、ガイドツアーも可能です。

ルーベンスからモンドリアン、ミッフィーまで! アートに触れて美食に酔いしれるオランダ&ベルギーの旅(その3) 「これはイケアの椅子じゃなくて100年前の椅子なんだ」とガイドさん
「これはイケアの椅子じゃなくて100年前の椅子なんだ」とガイドさん
ルーベンスからモンドリアン、ミッフィーまで! アートに触れて美食に酔いしれるオランダ&ベルギーの旅(その3) 当時この温室は生徒の親御さんなど来客の待合室として使われたそう
当時この温室は生徒の親御さんなど来客の待合室として使われたそう
ルーベンスからモンドリアン、ミッフィーまで! アートに触れて美食に酔いしれるオランダ&ベルギーの旅(その3) 鳥や植物などの自然モチーフを図柄にしたアール・ヌーヴォースタイル
鳥や植物などの自然モチーフを図柄にしたアール・ヌーヴォースタイル
ルーベンスからモンドリアン、ミッフィーまで! アートに触れて美食に酔いしれるオランダ&ベルギーの旅(その3) 教会や音楽室、食堂などほかの部屋も見学できます
ルーベンスからモンドリアン、ミッフィーまで! アートに触れて美食に酔いしれるオランダ&ベルギーの旅(その3) 教会や音楽室、食堂などほかの部屋も見学できます
ルーベンスからモンドリアン、ミッフィーまで! アートに触れて美食に酔いしれるオランダ&ベルギーの旅(その3) 教会や音楽室、食堂などほかの部屋も見学できます
ルーベンスからモンドリアン、ミッフィーまで! アートに触れて美食に酔いしれるオランダ&ベルギーの旅(その3) 教会や音楽室、食堂などほかの部屋も見学できます
教会や音楽室、食堂などほかの部屋も見学できます
ルーベンスからモンドリアン、ミッフィーまで! アートに触れて美食に酔いしれるオランダ&ベルギーの旅(その3) 戦争で一部破壊された時の写真
戦争で一部破壊された時の写真
聖ウルスラ修道院

所在地:vzw Wintertuin OLV-Waver, Bosstraat 9, 2861 Onze-Lieve-Vrouw-Waver, Belgium
Webサイト:聖ウルスラ修道院(英語)

オランダの中にベルギー領土!? 国境だらけの街バールレ・ナッソーが面白い

 ベルギーからオランダへの移動中、バールレ・ナッソーという面白い街に立ち寄りました。この街があるのはオランダなのですが、街のところどころにベルギー領土の飛び地が点在しているという国境だらけの街なのです。

 なかにはその飛び地のなかにオランダの飛び地があったりするというハチャメチャっぷり。どうしてこんなことになっちゃったのか? という歴史はかなり古くて12世紀末まで遡るそうで、きっといろいろ面倒なことが繰り返されてきているんだろうなぁ~というのが島国ニッポン出身ゆきぴゅーの感想でした。なかなかやる機会のない“国境を自分の足で超える”体験ができて楽しかったです。

ルーベンスからモンドリアン、ミッフィーまで! アートに触れて美食に酔いしれるオランダ&ベルギーの旅(その3) 国境にまたがるカフェ「De Engel」
ルーベンスからモンドリアン、ミッフィーまで! アートに触れて美食に酔いしれるオランダ&ベルギーの旅(その3) 国境にまたがるカフェ「De Engel」
国境にまたがるカフェ「De Engel」
ルーベンスからモンドリアン、ミッフィーまで! アートに触れて美食に酔いしれるオランダ&ベルギーの旅(その3) 道路に引かれた国境線
ルーベンスからモンドリアン、ミッフィーまで! アートに触れて美食に酔いしれるオランダ&ベルギーの旅(その3) 道路に引かれた国境線
道路に引かれた国境線
ルーベンスからモンドリアン、ミッフィーまで! アートに触れて美食に酔いしれるオランダ&ベルギーの旅(その3) こんな感じでベルギーの領土が点在している場所なんですよという説明(たぶん)
こんな感じでベルギーの領土が点在している場所なんですよという説明(たぶん)

 前編、後編でお送りしたアントワープの街めぐりでしたが、私が一番心に残っているのはやっぱり街のシンボルである聖母大聖堂の姿です。クリスマスイブの夜、賛美歌をBGMにネロとパトラッシュが天使に導かれながら天国に上っていくあのラストシーンを想像しながら撮った1枚を最後にお見せして、ベルギー・アントワープ編はこれにておしまい。

ルーベンスからモンドリアン、ミッフィーまで! アートに触れて美食に酔いしれるオランダ&ベルギーの旅(その3)

 次回はいよいよオランダ編。ミッフィーのふるさとユトレヒトに、ハーグ、ロッテルダム、アムステルダムと各都市でたっぷりアートに浸ってきました。お楽しみに~♪

ゆきぴゅー

長野生まれの長野育ち。2001年に上京し、デジカメライター兼カメラマンのお弟子さんとして怒涛の日々を送るかたわら、絵日記でポンチ絵を描き始める。独立後はイラストレーターとライターを足して2で割った“イラストライター”として、雑誌やWeb連載のほか、企業広告などのイメージキャラクター制作なども手がける。