【イベントレポート】関空旅博2015

“実は鹿児島も……”、世界文化遺産登録で気勢を上げる鹿児島県

2015年5月23日~24日 実施

鹿児島県の公式マスコットキャラクター「ぐりぶー」

 2015年5月4日に、ユネスコの諮問機関であるイコモス(国際記念物遺跡会議)により、「明治日本の産業革命遺産 製鉄・鉄鋼、造船、石炭産業」の世界文化遺産への登録が勧告されたというニュースが日本を駆け巡った。軍艦島(端島炭鉱)や官営八幡製鐵所を中心に語られることが多い同遺産だが、実際には岩手県、静岡県、山口県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、鹿児島県と8県11市に立地する23の遺跡で構成されている。

「関空旅博2015」に出展した鹿児島県大阪事務所は、世界遺産登録目前の「集成館」を紹介。集成館とは、1851年に第11代薩摩藩主となった島津斉彬による殖産興業への取り組みの一環として建てられた、近代的な造船、大砲生産などの工場群の総称だ。

 金属を溶かして大砲を鋳造するための反射炉跡や、石炭が採れない薩摩藩において注力された木炭の製造を行なう「寺山炭窯跡」、取水のための「関吉疎水溝」、オランダなどから工作機械が輸入された日本最古の西洋式機械工場「旧集成館機械工場」、大政奉還の年である1967年に建てられた西洋式紡績工場の「旧鹿児島紡績所技師館」など、集成館事業の遺跡が世界遺産に登録される見込みだ。

 また、ブースでは、「黒豚」「黒牛」「黒さつま鶏」「クロマグロ」「黒酢」「黒砂糖」「黒糖焼酎」「黒薩摩」「黒切子」など、黒があふれる鹿児島を伝える「黒由紀姫」ことAKB48の柏木由紀さんのパネルやポスターを多数掲載。「本物。鹿児島」のキャッチコピーで魅力を伝えている。

柏木由紀さんのポスターに囲まれる鹿児島県大阪事務所のブース
世界遺産への登録が見込まれる集成館の資料も多い

 このほか、鹿児島県からは、種子島 西之表市と、鹿児島市/指宿市/霧島市/南九州市による鹿児島四地区観光連絡協議会が出展。地元名産品の販売やパンフレットを通じてPR。2015年は「国民文化祭」が鹿児島市で行なわれることもあり、観光需要が高まると期待している。

種子島 西之表市のブースでは、ずっしりと重い火縄銃(実射はできない展示用)を持って記念撮影ができるコーナーを用意
安納芋のお菓子を多数販売。記者は2日目の24日に訪問したが、初日に多くの品が売り切れてしまったという
「やぶきた」から品種改良されて生産されている「種子島さえみどり」のティーパック
酒井屋の「南蛮伝来」は、黒糖やクルミなどを表面に散りばめた丸ボーロ
落花生の甘納豆。黒糖で風味を付けたものとの2品。小分けしたものも販売されていた
鹿児島市/指宿市/霧島市/南九州市による鹿児島四地区観光連絡協議会は、多数のパンフレットやポスターでPR
ブースにはいぶすき菜の花レディ、かごしま親善大使、霧島ふるさと大使も

編集部:多和田新也