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西武鉄道、2018年度に新型特急車両

2018年度運行開始予定

 西武鉄道は3月14日、2018年度に新型特急車両を導入すると発表し、イメージ画像を公開した。建築家の妹島和世氏がデザインを手がける。

 2018年度に運行開始予定の新型特急車両の形式や車両メカニズムの詳細は未定。導入両数は8両編成×7本の合計56両で2018年度に5編成、2019年度に2編成が落成予定。製作は日立製作所。新型通勤車両の40000系とともに、次の100年に向けた西武鉄道のフラッグシップトレインとする。西武鉄道における特急車両の新規製造は現在運行中の10000系「ニューレッドアロー」の登場から25年ぶりとなる。

 公開されたイメージ画像は現在のコンセプトを形にしたもの。イメージ画像ではシルバーとなっているが、実際に登場する車両のカラーは未定で、これから決定する。

 デザインコンセプトは「都市や自然の中でやわらかく風景に溶け込む特急」「みんながくつろげるリビングのような特急」「新しい価値を創造し、ただの移動手段だけでなく、目的地となる特急」としており、やさしさややわらかさ、乗り合わせた乗客が思い思いに自由な時間を過ごせる空間を表現し、特急で過ごすことが目的となるような空間・雰囲気・たたずまいのデザインを目指すという。

 コンセプトおよび内外装デザインを担当する妹島和世氏は建築界のノーベル賞と言われる「プリツカー賞」を2010年に受賞した建築家。金沢21世紀美術館や、フランスのルーブル美術館・ランス分館などを手掛けている。

 特急のデザインは初めてという妹島氏は「建築と一番違うのはいろいな場所を走ることが出来ることだと思います。秩父の山の中や都心の街の中と、いろいろな風景の中を走る特急が、やわらかくその風景と共にあるようになれたら良いなと思いました。また、たくさんの方々がみんな思い思いにくつろげるリビングルームのような、今日もまた乗りたいなあと思うような特急になればと思っています」とコメントしている。

 また、コンセプト策定にあたっては、西武鉄道およびグループ会社の若手社員によるプロジェクトチームを構成して妹島氏をサポート、プロジェクトチーム内の議論で「いままで見たことのない新しい特急車両」という想いがまとまり、妹島氏との意見交換の中でデザインコンセプトを策定したという。

5000系車両「レッドアロー」1969年に登場し、1995年に引退
10000系車両「ニューレッドアロー」1993年に登場し、現在運行中

(編集部:正田拓也)