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ワークマン、極寒も暑さも1枚で防げるウェア「XShelter」が進化。人気商品の売り切れ状態を見直し“45年ぶりの本気増産”

2025年9月1日 発表
ワークマン2025年秋冬は「気候変動・温暖化対策製品の大幅増産」がテーマ

 ワークマンは9月1日、東京国際フォーラムで2025年秋冬新製品発表会を開催し、近年注目が集まるリカバリーウェアや防寒対策ウェアの新作をお披露目した。また、ワークマン 専務取締役 土屋哲雄氏が登壇し、今シーズンの販売戦略についてプレゼン。“ワークマンの人気商品=いつも欠品”という現状を見直し、「創業45年目にして本気の生産」に力を入れていく方針を語った。

 作業用品専門店であるワークマンは、“求めていたものが何でも手に入る”品揃えの幅広さが強みという一方で、商品ごとの生産数・在庫数は少ない。この欠品が当たり前だった販売方法が、アパレル事業に影響した。「めったに使わない特殊工具は1個あれば済むが、一般向けではそういかない」と土屋氏。顧客からは“即日完売で入手不可能”“転売ヤーに足元を見られているカモ企業では”という厳しい声もあった。「せっかくお店に来ても、お目当ての商品がない。それによって顧客満足度が地に落ちたと反省している」。そこで今シーズン、「気候変動・温暖化対策製品の大幅増産」というテーマを掲げた。

 その主力商品が、一般医療機器の認証を取得したリカバリーウェア「MEDIHEAL(メディヒール)」や、世界初の断熱素材「XShelter(エックスシェルター)」を使った極寒にも暑さにも強いアウターといったオリジナルの高機能衣類だ。

近年注目を集め、新規参入ブランドも多いリカバリーウェアは、圧倒的な低価格1900円から販売。極寒も暑さも1枚で防げるウェアシリーズ「XShelter(エックスシェルター)」には、さらに進化した新断熱素材バージョンが登場
株式会社ワークマン 専務取締役 土屋哲雄氏。「今までの衣料の常識を変える画期的な製品を販売していながら、“在庫を抱えて自滅する”ことを恐れ、たくさん生産できていなかった。人気商品が欠品することのないよう、在庫を十分にしてじっくり販売していく。重点商品を育てていく」

“着るだけで疲労回復”するとして話題のリカバリーウェアは、上下セットで3800円という破格の低価格で販売し、新規参入が増える他企業・ブランドとの差別化を図る。これまでワークマンでは作業客・プロ職人向けに4年前から展開してきたが、SNSなどで人気が広まり昨シーズンは発売から1か月で完売。過酷な環境で体力を使い、良質な睡眠や回復を必要とするユーザーから高いリピート率と効果を実感する声も得られたことから、2025年秋冬では一般向けにも拡大し、昨年の10倍にあたる200万着を販売する。

リカバリーウェア「MEDIHEAL(メディヒール)」

 寒さにも暑さも1枚で防げるウェア「XShelter」シリーズは、昨年9月という残暑が厳しいなかでも先行販売分2万枚が4日で完売した人気商品。外部の暑さ・寒さという環境を遮断し、「究極の無感覚状態で衣服内を快適に保つ“着る断熱材”性能」を謳う。さらに今シーズンは、-10℃~25℃の寒暖差に対応し、軽量設計はそのままに昨年版よりも断熱性と伸縮性が進化した新素材“XShelter断熱β”を開発。暖冬傾向にあるなか、薄手のウェアでもしっかりと断熱効果を発揮する「フリースジャケット」(2900円)、「ライトウォームストレッチパンツ」(2900円)、「ライトウォームジャケット」(2900円)、「ウォームクライミングパンツ」(2900円)、耐水圧3万mmと透湿度9万g/m2/24hを誇る「PREMIUM 超透湿防水防寒ジャケット」(9800円)などをラインアップする。

 また、透湿性と軽さに優れた昨年版の素材“XShelter断熱α”を使用したウェアでは「ウォームジャケット」(3900円)、「防水防寒ジャケット」(5800円)、「防水防寒パンツ」(4900円)、「レディース防水ウォームアウター」(4900円)、「PREMIUM GIGA PUFFダウンコート」(9800円)、耐水圧1万5000mmと透湿度3万g/m2/24hの最強カッパ「AEGIS PREMIUM 防水防寒スーツ」(上下セット9800円)などを販売する。

 たとえば日中と夜で寒暖差のある秋のアウトドア、冬の出勤と満員電車の暑い車内など、中にセーターやニットを着て、上着はダウンにするか、それとも薄手のコートにするか、“今日何を着ていいか分からない問題”を1枚で解決してくれるという。あるいは旅行の際、真冬の朝8℃の東京を出発し、昼間の気温25℃の沖縄やハワイに到着したまま過ごしても、汗をかくことなく衣類内の適温を維持してくれ、かさばる荷物も軽減できる。

αとβの違い
XShelter断熱β フリースジャケット(2900円)、XShelter断熱β ライトウォームストレッチパンツ(2900円)
XShelter断熱β ライトウォームジャケット(2900円)
XShelter断熱α ウォームジャケット(3900円)、XShelter断熱β ウォームクライミングパンツ(2900円)
XShelter断熱α 防水防寒ジャケット(5800円)、XShelter断熱α 防水防寒パンツ(4900円)
XShelter断熱α レディース防水ウォームアウター(4900円)
XShelter断熱α AEGIS PREMIUM 防水防寒スーツ(上下セット9800円)
XShelter断熱β PREMIUM 超透湿防水防寒ジャケット(9800円)
XShelter断熱α PREMIUM GIGA PUFFダウンコート(9800円)。ケチャップをこぼしてもするんと落ちる

 土屋氏によれば、およそ330億を投じて群馬県と岡山県に2万5000坪レベルの大型物流センターを建設し、十分な在庫を確保。また、9月1日からは同社初の公式アプリをリリースし、商品検索や最新情報の発信に加えて、昨シーズン話題になったアイテムのアプリ限定先行予約販売を行なうなど、「新しいワークマンに脱皮する」販促を展開していく。

 この日、アパレル小売業の単独展示会としては国内最大規模となる会場には報道陣のほか、総フォロワー数3600万人におよぶインフルエンサー約500名が足を運び、SNSを活用したアパレルイベントとしても最大級での開催となった。

アパレル小売業の単独展示会としては国内最大規模5000m2の会場で行なった2025年秋冬商品発表会。ファッションショー風に新作をお披露目した