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郵船クルーズ「飛鳥III」就航前の船内を見てきた。初のおひとりさま向け客室など撮り下ろしで紹介

2025年7月11日 実施
郵船クルーズが34年ぶりの新造客船「飛鳥III」の船内を公開

 郵船クルーズは7月11日、横浜港大さん橋国際客船ターミナルで新船「飛鳥III」命名式と船内見学会を実施した。

 飛鳥IIIは34年ぶりの新造客船として、7月20日に就航する。全長は230m、全幅は29.8m、喫水は6.7m、総トン数は5万2265トン、速力は最高20ノット。客室数は381室、乗客数は740名で、船籍港は横浜。

 飛鳥クルーズブランドとしては、今夏から「飛鳥II」(2006年就航)との2隻運航になる。

横浜港大さん橋国際客船ターミナルに停泊中の飛鳥III
船体の前半
船体の後半
ファンネル
全客室海側バルコニー付き
最後の世界一周クルーズを終えたばかりの飛鳥II(左)。姉妹2隻が並ぶのは初めて
通常は非公開のブリッジ(操舵室)

 飛鳥IIIの客室は「ペントハウス」(2タイプ)、「スイート」(5タイプ)、「バルコニー」(5タイプ)の3クラスに分かれており、すべてプライベートバルコニー付き。

 日本の生活スタイルに配慮した設計として、ゆったりと湯に浸かれるバスタブや飛鳥クルーズオリジナルのシモンズ製ベッドマットレス、クローゼット、キッチンシンク付きのミニバーを全室完備している。

 さらにワーケーションスタイルに対応するため、衛星通信サービス「Starlink」を導入し、船内では無料でWi-Fiを提供。客室のチェックインや鍵の開閉などはスマホで行なえるほか、室内のタブレット端末では、各施設の混雑状況、船内イベント、寄港地ツアーなどの情報をリアルタイムで配信する。

デッキプラン

ペントハウスクラス

 靴磨きサービスやウェルカムアメニティサービス、ナイトカクテルサービスなど、飛鳥クルーズ初となるバトラーサービスを提供。すべての食事、寄港地観光ツアー、アクティビティが旅行代金に含まれており(オールインクルーシブ)、いずれも席が確保されているので自由に参加・利用できる。

ロイヤルペントハウス

広さ: 114.8m2
客室数: 2室
定員: 1〜4名

グランドペントハウス

広さ: 93.0m2
客室数: 4室
定員: 1〜3名

最上級客室「ロイヤルペントハウス」
専用チーフコンシェルジュによるバトラーサービスを提供する
クローゼットも広々

スイートクラス

 リビングエリアとベッドルームが仕切られたゆとりある間取りが特徴。家族や仲間と一緒に過ごすだけでなく、それぞれの時間も大切にでき、ワーケーションスタイルにも最適としている。

 さらに、レストランや寄港地観光ツアーの先行予約が可能。客室タイプは5種類あり、「アスカスイート」「ミッドシップスイート」ではユニバーサル仕様の客室を各2室用意している。

キャプテンズスイート

広さ: 87.1m2
客室数: 4室
定員: 1〜3名

パノラマスイート

広さ: 67.3m2
客室数: 8室
定員: 1〜3名

アスカスイート

広さ: 48.5m2
客室数: 6室+ユニバーサル仕様2室
定員: 1〜3名

ミッドシップスイート

広さ: 44.3m2
客室数: 52室+ユニバーサル仕様2室
定員: 1〜2名(一部3名)

ジュニアスイート

広さ: 33.0m2
客室数: 8室
定員: 1〜2名

ミッドシップスイート
47都道府県を各室に割り当て、スイーツやドリンク、工芸品などを用意しているのが特徴

バルコニークラス

 アスカバルコニーは明るい光を採り入れ、居住性を重視した客室設計。インテリアには和紙アートを採用している。客室内ではどこかほっとするような空間が広がり、はじめての船旅でも心地よくくつろげるとのこと。デッキ階や前方・後方など、ロケーションにより4つのタイプに分かれている。

 飛鳥クルーズブランド初となるソロバルコニーは、アスカバルコニーのクオリティはそのままに、1人でもゆったりと過ごせるよう設計している。1人旅はもちろん、夫婦や友人と別々の部屋でくつろぎたい場合もお勧めという。

アスカバルコニー A/B/C/D

広さ: 22.0m2
客室数: 271室
定員: 1〜2名

ソロバルコニー

広さ: 19.4m2
客室数: 26室
定員: 1名

ソロバルコニー
ワーケーションにも便利なデスク
キッチンシンク付きのミニバー
どの客室クラスもお湯につかってゆったりできる

 パブリックエリアは、3層吹き抜けの「アスカプラザ」を中心に、前方・船首方向はウェルネス・スポーツ・エンターテイメントが集まるエリア、後方・船尾方向はレストランエリアとなっている。

アスカプラザ
ギャラリーカフェ
前方階段「飛鳥の空」

 レストランは6つの施設(フレンチ、イタリアン、割烹料理、洋食、多国籍料理、グリル料理)から、各自のタイミングで好きなメニューを選べる。

フォーシーズン・ダイニングルーム(5デッキ後方、朝・昼・夕食)

 飛鳥・飛鳥IIから続く伝統の名前がつけられたダイニング。ディナーでは日本で生まれた西洋料理を、コース料理またはアラカルトメニューで提供する。

エムスガーデン(11デッキ後方、朝〜深夜)

 世界中の料理・銘酒を取りそろえたスタイリッシュなガーデン・ダイニング。どのレストランにしようか迷っている人にもお勧めとしている。

ノブレス(6デッキ後方、夕食)

 フランス料理のレストラン。コース料理で前菜からメイン、デザートまでじっくりと堪能することも、アラカルトで好きな料理を自由に選ぶこともできる。

ノブレス

アルマーレ(6デッキ左舷後方、夕食)

 魚介を中心に厳選した食材を席までワゴンで運び、好みの調理法でイタリアンに仕立てるプレゼンテーションスタイルのレストラン。

海彦(6デッキ右舷後方、夕食)

 飛鳥・飛鳥IIで愛され続ける「海彦」。飛鳥IIIでは割烹料理店として営業する。料理人との会話が楽しめるカウンター席、家族や友人とのんびり過ごせるテーブル席のほか、お祝いごとにも利用できる個室も完備。

海彦

グリルレストラン パペンブルグ(11デッキ後方、夕食)

 エムスガーデンの船尾エリアが、ディナータイムにはグリルレストランに。シンプルに焼き上げたお肉や魚介、野菜を、多種多様なスパイスで楽しめるとのこと。

ウェルネス・スポーツ・エンターテイメント施設

グランドスパ(12デッキ船首)

展望風呂
ガラス張りのサウナ
同じく12デッキにある「アスカ ウェルネスクラブ」

アルバトロスプール(11デッキ中央)

今回は水が入っていない状態
オープンエアが心地よいプールサイドバー

ビスタラウンジ(11デッキ前方)

さまざまなタイプの席を用意している
時間帯によってはバンドの生演奏も楽しめる
日本郵船の歴史を感じられるヒストリアエリア
プライベートパーティーを行なえるリーベルラウンジ

リュミエールシアター(6デッキ前方)

リュミエールシアター
命名式には郵船クルーズ株式会社 代表取締役社長 西島裕司氏らが出席した

カジノ アンティ(6デッキ)

ルーレット、各種カードゲーム、スロットマシンを用意している(有料、チップやコインを現金や記念品に交換することはできない)
スプリットカウンター

アスカコレクション(6デッキ)

飛鳥クルーズオリジナルグッズを取り扱うショップ。商品の注文・受け取りはオンラインのみとしている
見学会・命名式のほか、アスカプラザで「キャプテンズパーティー」を開催した。左が飛鳥III キャプテン 小久江尚氏