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郵船クルーズ、34年ぶりの新造客船「飛鳥III」。初航海は夏の北海道2港を巡る7日間
2025年2月20日 17:34
- 2025年2月20日 発表
郵船クルーズは2月20日、34年ぶりの新造客船「飛鳥III」オープニングクルーズ発表会を開催した。
飛鳥IIIは7月20日に就航し、オープニングクルーズは全17コース。10月21日までの期間、日本国内の30港(横浜港を除く)に寄港する。予約は4月3日から、公式サイトまたは旅行会社で受け付ける。
飛鳥クルーズブランドとしては、今夏から「飛鳥II」(2006年就航)との2隻運航になる。いずれも日本らしい上質なおもてなしを基本に、飛鳥IIは船内での過ごし方を積極的に案内する「提案型のクルーズ」、飛鳥IIIは好みに合わせてカスタマイズできる「選択型のクルーズ」としている。
代表取締役社長の遠藤弘之氏は、「例えば10日間のクルーズを日本人に楽しんでほしいと思っても、まとまった休みを取りにくいのが現状。国内のクルーズ市場は、どうしても時間のある人(リタイアした人)が中心になっている。なんとかして現役時代からクルーズの楽しさを知ってもらいたい。
できれば子供のころから乗ってもらうのが理想。ライフスタイルや好みが変わってもクルーズを楽しめるように事業を充実させたい。その点では、ディズニークルーズとの業務提携(2028年度就航予定)は素晴らしい機会だと考えている」とコメントした。
飛鳥IIIの概要
特徴: 3泊~ロングクルーズ
全長: 230m
全幅: 29.8m
総トン数: 5万2200トン
喫水: 6.7m
速力: 最高20ノット
客室数: 385室
乗客数: 744名
乗組員数: 約470名
船籍港: 横浜
飛鳥IIの概要
特徴: 1泊~ロングクルーズ
全長: 241m
全幅: 29.6m
総トン数: 5万444トン
喫水: 7.8m
速力: 最高21ノット
客室数: 436室
乗客数: 872名
乗組員数: 約490名
船籍港: 横浜
続いて飛鳥IIIの船内設備とデビュークルーズについて、常務執行役員の熱田健二氏が説明した。
飛鳥IIIでは、すべての客室にプライベートバルコニーを備える。客室クラスは、大きく分けて3種類。バドラーサービスを完備し、優先予約・特別な寄港地ツアーなどを提供する「ペントハウス」、ワーケーションにも最適な「スイート」、日本の生活スタイルに配慮したミニキッチンもある「バルコニー」で、万葉集をテーマにデザインしている。
衛星通信サービス「Starlink」を導入し、船内では無料でWi-Fiを提供。デジタル化により、客室のチェックインや鍵の開閉などをスマホで行なえるという。また室内のタブレット端末では、各施設の混雑状況、船内イベント、寄港地ツアーなどの情報をリアルタイムで配信する。
食事は、6つのレストラン(フレンチ、イタリアン、割烹料理、洋食、多国籍料理、グリル料理)を備えており、各自のタイミングで好きなメニューを選べる。
船首には、大浴場とサウナ「グランドスパ」を設け、飛鳥IIと同様に露天風呂も用意。
アーバンエリアのなかでも「リュミエール シアター」は、デジタルアート映像による演出×ダンスが特徴。ピアノの生演奏が楽しめるメインバー「マリナーズクラブ」、国内の銘酒やオリジナルカクテルが味わえる「アンカーバー」も備える。なお、ドレスコードは「エレガントカジュアル」のみ。
飛鳥IIIのデビュークルーズは、ベストシーズンの北海道2港(小樽・函館)を巡る7日間。ほかにも日本一周クルーズなども用意するという。
熱田氏によると「飛鳥クルーズで最も寄港回数が多かったのは函館港。そのため飛鳥IIIのデビュークルーズとして北海道を選んだ」とのこと。横浜では就航セレモニーも実施予定。
飛鳥III デビュークルーズ一例
Maiden Voyage 函館・小樽
期間: 2025年7月20日~26日
寄港地: 横浜~函館~小樽~横浜
旅行代金: 1名あたり98万4000円~478万6000円(会員割引き88万5600円~430万7400円)
Yokohama Debut Cruise 日本一周
期間: 2025年8月5日~16日
寄港地: 横浜~函館~小樽~金沢~舞鶴~門司~別府~横浜
旅行代金: 1名あたり130万6000円~635万3000円(会員割引き117万5400円~571万7700円)
Hakata Debut Cruise 七尾・函館・佐渡
期間: 2025年9月15日~22日
寄港地: 博多~七尾~函館~佐渡~博多
旅行代金: 1名あたり79万2000円~385万1000円(会員割引き71万2800円~346万5900円)
Kobe Debut Cruise 鹿児島・長崎・上五島
期間: 2025年10月4日~10日
寄港地: 神戸~鹿児島~長崎~上五島~神戸
旅行代金: 1名あたり67万8000円~330万円(会員割引き61万200円~297万円)
※アスカバルコニーD~ロイヤルペントハウス、2名1室利用時
※いずれも就航記念プレゼント付き
2026年に就航20周年を迎える飛鳥IIは、東南アジアを旅する「アジアグランドクルーズ」を実施する。フィリピン・ボラカイ島に初寄港するほか、台湾・基隆、タイ・レムチャバン、中国・香港の3つの港では1泊停泊し、より深く寄港地を満喫できるとしている。
飛鳥II 2026年アジアグランドクルーズ
期間: 2026年1月15日~2月19日(36日間)
寄港地: 横浜~神戸~基隆~マニラ~ボラカイ島~コタキナバル~シンガポール~レムチャバン~ホーチミン~ハロン湾~香港~神戸~横浜
旅行代金: 200万円~1240万円(会員割引きあり)