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国交省、4月1日の首都圏新料金体系導入から1カ月の効果を発表

圏央道の利用が促進、首都高短距離利用者が増加、都心の渋滞が緩和

2016年5月20日 発表

交通量が都心通過から環状道路へ移行して、首都高の渋滞が緩和された

 首都高速道路が4月1日0時から新料金体系を導入したことは本誌でも既報のとおりだが、導入1カ月での効果について国土交通省道路局が発表した。

 新料金体系では、圏央道(首都圏中央連絡自動車道)と外環道(東京外かく環状道路)を使い都心エリアを迂回するルートと、迂回せずに首都高都心環状線を利用した場合の料金を統一して迂回ルートへの流入を促し、首都高の短距離利用料金をETC利用の普通車の場合で510円から300円に引き下げている。

 新料金体系の導入前・導入後で比較すると、東名高速道路と東北自動車道間の都心を通過する交通量が約50%減、都心通過交通量全体でも約11%となり、首都高全体の交通量は約1%減、渋滞損失時間も約9%減となった。

 そして首都高の渋滞緩和と短距離料金引き下げの影響で、首都高の短距離利用者が約1~4%増。一例として港区青山付近での首都高3号渋谷線の交通量が約2%増え、並行する国道246号の交通量が約7%減するなど、一般道の渋滞緩和に貢献しているという。さらに圏央道の交通量は約30%増、沿線の物流施設の新規立地が約4.6倍(首都圏では約2.7倍)となり、施策の効果を確認できる結果となっている。

首都高の短距離利用が増え、一般道の渋滞緩和にもつながっている
圏央道の利用が促され、沿線の物流施設も増加

(編集部:稲葉隆司)