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首都高、4月1日0時より整備重視の料金体系から利用重視の料金体系へ移行
車種区分は従来の2区分から5区分へ。現金普通車は原則上限の1300円
(2016/3/9 00:00)
- 2016年3月8日 開催
首都高速道路は3月8日、定例記者会見を開催。同社代表取締役社長 菅原秀夫氏より、新料金体系など最近の首都高のトピックが紹介された。
4月1日0時より導入する新料金体系については、改めてその意図を紹介。「これまでの整備重視の料金体系から利用重視の料金体系へ移行する」と語り、圏央道(首都圏中央連絡自動車道)、外環道(東京外かく環状道路)への流入を増やす意図を解説。今回の新料金体系では、圏央道や外環道を使って都心地区を迂回した場合と、迂回せずに首都高の都心環状線を利用した場合の料金を統一。圏央道や外環道の迂回利用のハードルが下げられている。
また、首都高の短距離利用料金は、ETC利用の普通車の場合で510円から300円に引き下げられており、首都高にとっては売上の減少につながる可能性がある。これについて菅原氏は、圏央道・外環道とともに首都圏の交通量の平準化を図るのが大切とし、首都高だけのことを考えて策定されたものではないという。
実際に新料金制度が始まってからの動向については、「現時点ではトントンかなと思っているが、やってみないと分からない。4月以降の数字をみたい」と、予測不能な部分があるという。ほかの首都高幹部にも確認したところ、首都圏はクルマの保有台数が多い割に、実際に稼働しているクルマが少なく、首都高の料金が安くなったり、空いたりすると、その分だけ交通量が増える傾向にあるという。普段あまりクルマを使わなかった人が、首都高の利便性が高まることによってクルマを使うようになるわけだ。そのため、実際の需要予測は難しく、やってみないと分からない状況になるとのことだ。
今回の料金体系変更は大きなもので、料金データのアップデートがされていないカーナビの案内どおりに走ったら、渋滞に巻き込まれ、料金も無駄に払う羽目になったということになりかねない。料金区分も2区分から5区分に増えているほか、現金の場合の特例区間も多い。普段利用する区間については、首都高のWebサイトにある「4月1日からの料金・ルート案内」で確認しておく方がよいだろう。
定例会見ではそのほか、板橋熊野町JCT(ジャンクション)など各地区の工事の進捗状況についての報告も行なわれた。近日の開通区間としては、首都高 神奈川1号線横羽線と第三京浜道路を結ぶ横浜環状北線の2016年度(平成28年度)開通があり、この区間の開通についても4月からの料金が変わらず適用されるとのことだ。各工事の進捗状況については、掲載図版を参照のこと。