ニュース

天草エアライン、2月20日デビューの「ATR 42-600」型機が本拠地の天草空港に初着陸

2月19日~3月19日搭乗分の予約受付は、1月19日9時から開始予定

2016年1月7日 天草空港到着

天草空港に到着した天草エアラインの新機材「ATR 42-600」型機(愛称:みぞか号)

 1月7日、天草エアライン(AMX)に2月20日から就航する新型機「ATR 42-600」が、本拠地となる天草空港に初めて着陸し、社員による機体洗浄や安全祈願などが行なわれた。

 2015年8月21日にフランス・トゥールーズから阿蘇くまもと空港(熊本空港)に到着。9月29日には熊本空港で内覧会及びセレモニーを実施し、これまで熊本空港を拠点に乗員訓練が行なわれていたが、天草空港への飛来はなかった。

 熊本空港を出発したATR 42-600型機は、天草空港で2回のローパス(着陸をせずに滑走路の上を通過)を経て、1月7日の10時30分に関係者が見守るなか着陸した。着陸後には歓迎の放水アーチで出迎えられ、到着スポットでは、朝、福岡空港を往復したばかりの、2000年から現在も使われているボンバルディア製「DHC-8」型機が駐機しており、新旧の機材が並んだ。

天草空港を2度ローパスしたATR機。機体を横に揺らすなど、見学客にサービス
初めて天草の地に降り立ったATR機
放水アーチで歓迎

 その後、天草エアラインでは毎月行なわれている社員による機体洗浄を、真新しい新型機の「みぞか号」で初めて行なった。社長を含めた社員による機体洗浄は、現在のDHC-8型機が2013年に親子イルカのデザイン(公募によって選ばれた作品)の機体に塗り直されて以降、毎月1回、始発便が出発する前の天草空港で機体への愛情を込めて行なわれている。

 機体が綺麗になったあと、安全祈願祭が地元の天草市の中村五木市長、上天草市の堀江隆臣市長など招待客が参加し、新機材の安全を祈願した。天草エアライン 代表取締役社長 吉村孝司氏は囲み取材のなかで、「ATRは従来のボンバルディア機に比べると、エンジン音が静かで快適なフライトになる」と話すなど新型機導入の乗り心地のよさをアピールした。

 また、機体洗浄についても「通常は1カ月に1回の機体洗浄を行なってるが、今日は特に身を清めるという意味もありました。熊本空港に到着以来4カ月間洗っておらず、綺麗にすることができてよかったと思ってます。今後も、1機しかない飛行機をみんなで大切にしていきたい」と話した。

 午後からは、天草エアラインの社員による出発と到着のロールプレイングが実施され、搭乗案内や預け手荷物の搭載などのシミュレーションが行なわれた。特に乗客の乗降においては、多くの機体では一般的な最前方からではなく、機体最後方のドアからの乗降となり、また貨物スペースの位置も変わることから、新しい手順の確認を行なった。新型機導入以降、到着後に早く降りたい人は後方座席を選ぶことになる。

 ロールプレイング後、乗員による天草空港での訓練が始まり、初めて天草空港を離陸し、上空を旋回した後に天草空港に着陸する訓練が昼間と夜間に行なわれた。今後も2月20日の就航日まで訓練は続けられる。

 新たに導入されたATR 42-600型機は、48人乗りで現行機に比べると9席の増席となる。50名以下の機材であることから、パイロット2名、客室乗務員1名の体制で運航される。2月20日以降、天草空港~福岡空港間、天草空港~熊本空港間、熊本空港~伊丹空港(大阪)の3路線が継続され、全便JAL(日本航空)のコードシェア便としての利用も可能。

 通常、天草エアラインでは搭乗日の2カ月前から予約受付を開始しているが、2月19日(現行機のラストフライトを含む)~3月19日搭乗分の予約受付は、1月19日9時からの開始を予定している。新型機の運航開始当日の2月20日には、天草空港をはじめ、就航地である福岡空港、熊本空港、伊丹空港でもセレモニーが予定されている。

スポットに入るATR機
天草エアラインの社員をはじめ関係者が横断幕でお出迎え。フランス製の飛行機ということで「ぼんじゅーる Newみぞか号 ようこそ天草へ」とユーモアたっぷり
天草空港の展望デッキにも沢山の人が集まった
乗客の乗降には後方のドアを使用する
新旧の「みぞか号」がご対面
天草エアライン名物の「機体洗浄」。社長、専務、さらには客室乗務員、各部署の社員が参加してみんなで機体を綺麗にしている
ATR機の安全祈願祭をエプロン上で開催。手作り感いっぱいのイベントは同社らしい
ATR機就航へ向けて早速、チェックインなどの地上業務のロールプレイングが行なわれた

(鳥海高太朗)