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キュナード、2017年にクイーン・エリザベスの神戸発着クルーズを提供
2017年フルワールドクルーズを9月10日発売、神戸発着は11月5日に発売予定
(2015/9/7 00:00)
- 2015年9月10日 発売
キュナードは9月2日、豪華客船「クイーン・エリザベス」「クイーン・メリー2」「クイーン・ヴィクトリア」による、2017年のフルワールドクルーズ(世界一周クルーズ)を発表、記者発表会を実施した。
1922年に初めてのフルワールドクルーズを開始したキュナード。これまでに多くのゲストともに世界を旅しており、今回のクルーズではアジア地域の寄港や、アマゾン川探検など、新しい体験が盛り込まれていることが特徴。特に日本への寄港に際しては、クイーン・エリザベスによる神戸発着クルーズが盛り込まれたことが大きなトピックスとなる。
帝国ホテル東京で行なわれた発表会には、キュナードを傘下に抱えるカーニバル・コーポレーションの日本法人、カーニバル・ジャパン 代表取締役社長 木島榮子氏、同代表取締役 堀川悟氏、同キュナード担当 営業部長 児島得正氏、および神戸市 みなと総局 みなと振興部長 片山昌俊氏が出席した。
カーニバル・ジャパン 代表取締役社長 木島榮子氏は、今回の決定について「キュナードにとっては画期的なことであり、また日本市場にとっても初めてのこと」と前置き。
神戸港への寄港を「2017年は神戸港にとって開港150年の記念の年となります。キュナードは今年創業175年を迎えました。英国と日本には相通じることがいくつかあります。その第一は歴史と伝統を重んじることであります。その点から神戸港が開港150年の記念すべき年にクイーン・エリザベスを迎えてくださることは、キュナードにとっても大変嬉しいことです」と説明した。
また、「2015年のワールドクルーズでは最初、横浜が寄港地でございましたけれども、台風の影響により入港3日前に急遽神戸港に入港となりました。神戸港がまだ改装工事中にも関わらず、迅速かつ安全にクイーン・エリザベスを受け入れ、そのような受け入れ体制にキュナードは大変感謝をしております」と、神戸港に感謝と高い評価をしているとした。
クイーン・エリザベスについては「日本においては“クイーン・エリザベス2”(QE2)が洋上の貴婦人と愛称され、優雅な外国客船の代名詞として長い間、高い人気を博し、多くのお客様にとってはあこがれの客船でした。1975年3月の初めての世界一周クルーズの途中に神戸、横浜に寄港し、横浜では30万人の見物客が来たと言われております。QE2は日本に19回寄港し、そのうち神戸港には8回寄港しております。2008年、QE2が引退した後、2010年3月に3代目のクイーン・エリザベスが誕生いたしました。日本ばかりでなく世界中から高い評価と人気を集めております。2014年にワールドクルーズの途中に初めて鹿児島、横浜、神戸に寄港いたしました。その際にはそれぞれの港で5万人にもおよぶ多くのお客様が見物に来たと言われています」と、日本にとってなじみが深く、高い人気を誇っていると説明。
最後に「キュナードにとって最大のマーケットは日本と香港です。キュナードはアジア市場拡大に強いを寄せています。キュナードにとって今回の神戸発着クルーズは日本マーケットのさらなる市場拡大を目指すと同時に、日本にとっては市場拡大への試金石となります」と締めくくった。
続いて神戸市 みなと総局 みなと振興部長 片山昌俊氏が登壇。「神戸開港、150年を迎える2017年に神戸港においてクイーン・エリザベスによる、史上初の日本発着クルーズが実施されることを心から歓迎いたします。神戸開港150年という記念すべき年に、世界でもっとも有名な客船に神戸港をご利用いただけることは大変名誉なことであり、神戸港のさらなる賑わいに繋がると確信しております。2017年は官民一体となった充実したおもてなしなど、万全の準備を整えて神戸寄港をお待ちしております」と、公務により出席できない神戸市長 久元喜造氏からの歓迎メッセージを代読した。
カーニバル・ジャパン 代表取締役 堀川悟氏はキュナード・ラインとカーニバル・コーポレーションを解説した。
「キュナード・ライン」は1840年に最初の大西洋横断クルーズを開始し、設立当初より英国王室御用達の“ロイヤルメール”を請け負うなど、現存する客船海運企業としては世界で2番目の歴史を誇ると説明。1988年には1970年代のクルーズブームの中心的存在だった「カーニバル・クルーズ」により設立された「カーニバル・コーポレーション」の傘下に入り「フラッグシップであるクイーン・メリー2をはじめ女王陛下の名を冠した計3隻の客船を運航」「1940年から行なわれている大西洋横断クルーズを定期運航する唯一の海運企業」「保有客船3隻すべてが100日以上のワールドクルーズを行なう」と、その特徴を説明した。
最後にカーニバル・ジャパン キュナード担当 営業部長 児島得正氏が登壇、2017年のクルーズについての説明を行なった。
船内は「タイタニックをイメージしたダイニング」「現存する客船ではクイーン・エリザベスとクイーン・メリー2だけが持つボックス席のあるシアター」「ビッグベンと同じ時計会社による特注時計」など、英国らしさを感じられるサービスを提供しているという。
2017年のワールドクルーズ情報
クイーン・エリザベス
2017年は伝統的なワールドクルーズを提供。1月7日に英サウザンプトンを出港しニューヨーク、サンフランシスコ、シドニー、日本、南アフリカを経由して、5月8日にサウザンプトンに戻る120泊122日の航海を行なう。航海距離は実に3万9000海里以上、25か国39港、29カ所のユネスコ世界遺産を巡る壮大なクルーズとなる。全行程で日本人スタッフが乗船する。
全行程を巡るフルクルーズはもちろん、特定の寄港地間のみ乗船する区間クルーズも可能となっており、神戸港発着では7泊8日の日程が用意されている。「日本のお客様にも海外のお客様にも十分に満足いただける」ルートを選定したという。
今回、初めて日本発着を用意した理由としては「アジア地区では香港と日本のシェアが高く、同グループのクルーズにおいて非常に多くのお客様をお迎えしている」「船名だけでなく実際のクルーズを体験していただきたい」といった点を挙げた。
また、日本発着クルーズのメリットとして「大きな荷物を持って飛行機で長時間移動することが不要」「時差がない」「荷物は宅配で港に送ることができる」「コンパクトな日程」「インターナショナルな雰囲気を味わえる」「日本語のスタッフが乗船」などを挙げ、初めて外国の客船に乗る人も安心であるとした。
価格については120泊のクルーズの場合、もっともリーズナブルな「内側船室(スタンダード)」で240万1000円(2名1室1名あたり。以下同)からとなるが、神戸発着の7泊8日クルーズの場合は16万9000円からで船内での食事やエンターテイメントが含まれると価格の安さをアピール。そのほかは、「バルコニー船室」の場合で37万3000円から。レストランが変わり、サービスも充実するなど人気が高い「プリンセス スイート」で51万100円から。専用のレストラン、専属のバトラーが付く「クイーンズ スイート」が59万5000円から乗船できると説明した。
クイーン・メリー2
3年振りに日本に寄港する。ニューヨークを出港し、サウザンプトン、ケープタウン、シドニー、長崎、シンガポール、ドバイ、スエズ運河を経由してニューヨークに戻る132日間のクルーズを行なう。画面では14泊15日のコースを紹介しているが香港~長崎、長崎~香港と7泊8日で楽しめるコースを調整中だという。