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大阪駅で「駅弁屋が改札外に、駅そば屋が改札内に」。改めて新設のワケ
2025年3月11日 12:00
大阪駅に「駅弁の店」「駅そば店」続々登場!
1日60万人以上の乗降客がにぎわう大阪駅で、食事を選ぶ幅がグッと広まった。これまで改札外にしかなかった立ち食いそば「麺家」が改札内に、改札内にしかなかった駅弁販売店が改札外にオープンしたのだ。
まず3月7日、大阪駅中央口の改札外(みどりの窓口前)に「旅弁当大阪中央口駅店」がオープン。これまで大阪駅構内では改札内(御堂筋口改札内、北陸線ホーム)でしかなかった旅弁当での駅弁購入を、あらかじめ改札外で行なえるようになった。
そして3月10日、今度は駅そば店「麺家大阪」が、JR大阪駅御堂筋口改札内にオープン。これまで改札外にあった「麺家大阪みどう」と同じメニューで、リーズナブルな駅そば・うどんを、乗り換えついでにサッといただけるようになった。
実際に2店舗に伺ったところ、どちらの店舗もさっそくにぎわいを見せているようだ。なぜ店舗の新設にいたったのか? 「旅弁当」「麺家」2ブランドを展開するジェイアール西日本フードサービスネットに、出店の意図と今後の展開を聞いてみた。
「電車に乗らなくても駅弁を買いたい!」「リーズナブルに駅そばを食べたい!」
まず、改札外への「旅弁当」出店について。
JR大阪駅では、旅弁当がこれまで改札内にしか展開されていなかったという。しかしなかには、「大阪駅JR高速バスターミナル」から高速バスに乗車する人や、オフィスでの昼間のランチとして駅弁を購入する人もいて、「改札外に駅弁店を出店してほしい」という要望はあったという。
また、場所がみどりの窓口の目の前にあり、家族連れやグループ旅行の方なら「1人がきっぷ購入の行列待ち、1人が駅弁確保」といった行動も可能。さらに新大阪駅での旅弁当(数店舗ある)は改札外にある店舗が好調ということもあり、今回の出店に踏み切ったという。
また駅そばに関しては、人通りも乗り換え客も多い御堂筋口側のには「手早くリーズナブルに食事をすませたい」という需要があり、忙しいビジネスマンなどの利用を見込んでいる。
大阪駅の駅弁店・駅そば店訪問! 実食レポ
さっそく大阪駅に向かい、現地を訪れてみた。
3月7日、旅弁当オープン日の昼11時台に訪れたところ……、常時3~4組の人だかりができており、すでに6アイテムの弁当に「完売」札がかかっていた。
水了軒の「八角弁当」は昭和50年発売のロングセラー。今も「大阪駅の駅弁と言えばこれ!」と指名買いする人も多く、お店の方によると、きっぷを持っていない場合はこれまで、八角弁当の購入に梅田阪神(阪神百貨店)の水了軒売店まで行っていたとのこと。
しかし距離以上に地下道・陸橋の上下移動に時間がかかることもあって、「改札外で購入したい」との声が多かったようだ。おかずの種類が多い幕の内弁当スタイルを貫く八角弁当・汽車弁当は、買って間違いない定番の味だ。
翌日は開店1時間後に訪問、旅弁当の新規開店に合わせて開発したという「おおさかべんとう」「大阪炭火焼肉弁当」を無事購入できた。
実際の隣駅(隣の駅、塚本・新大阪)を入れ、国鉄時代の駅名標風にオマージュした駅名標のパッケージが斬新な「おおさかべんとう」は、こんにゃく・すじ肉入りのご飯と、4個も入った大ぶりなタコ焼きとの相性がよい一品だ。ソースがついているので、どぼどぼに浸して食べるのもよいだろう。
また、「大阪炭火焼弁当」は、濃いめの味付けと柔らかい肉、歯応えのよいホルモンの組み合わせがおもしろい。
「麺家大阪」も3月10日、オープン日の9時前に入店。7時台、8時台はかなりガラガラだった様子ながら、遠巻きに眺めている人が多く、認知度は高いようだ。
メニューは京橋駅・天王寺駅や、大阪駅改札外の麺家大阪みどうなどの「麺家」と同じようで、麺柔らかめ、オーソドックスなダシの和そばを、ワンコイン(500円)前後でいただける。
店内は立ち食いスペース4席を含み、パッと見で15席程度。先に述べたとおり大阪環状線への乗り換え動線上にあり、サッと食べて立ち去るにはちょうどよい立地だ。もう1軒のそば店「麺亭しおつる」が中2階のやや分かりにくい場所にあり、麺家の方がにぎわうかもしれない。
大阪では、関西・大阪万博に向けた建設ラッシュで、飲食の便乗値上げも懸念される。このご時世にワンコインで手軽に食べることができる駅そば店は、この先も重宝されるだろう。