ニュース

欧州の知られざる土地と美食を掘り起こす「美味しいヨーロッパ」プロジェクト

JOTC欧州部会×ヨーロッパ観光委員会日本支部

2024年8月8日 実施

ヨーロッパ観光委員会日本支部 委員長 沼田晃一氏

 JATA(日本旅行業協会)は8月8日、霞が関の本部で会見を開き、JOTC(アウトバウンド促進協議会)欧州部会とETC(ヨーロッパ観光委員会)がジョイントプロモーションを開始することを発表した。

 具体的には、9月26日~29日に開催するツーリズムEXPOジャパン2024へETC加盟19か国がブースを出展するほか、エグゼクティブディレクター・CEOのエドゥアルド・サンタンデール氏が来日して基調パネルディスカッションへ参加する。さらに、EXPO一般日の28日~29日には各ブースが連携してスタンプラリーを実施したり、各国の食文化を学べるクイズショーを行なったりする予定。

 また、ヨーロッパ観光委員会日本支部(ETCJ)参加16か国が、著名なものだけでなくまだ知名度の低い地域の名物料理とその土地の魅力を発信する取り組み「美味しいヨーロッパ」プロジェクトを展開。欧州全域への旅行を促すという。その詳細は、JOTC欧州部会とETCJが10月に共同で選出して11月に発表したのち、選出した食をテーマにしたツアーの造成をJATA会員各社で行なっていく。

 詳細を説明したヨーロッパ観光委員会日本支部 委員長の沼田晃一氏は、「ヨーロッパは旅行がライフスタイルの一部になっていて、旅に対して認識が高い」と指摘する。ETCは、世界大戦のあとに復興を目的に立ち上がった組織で76年の歴史を持ち、最近ではウクライナが名誉会員になるなど、「観光が復興をけん引する」という点について解像度が高い。

 日本に拠点を持つのは16か国(イタリア、エストニア、キプロス、ギリシア、スイス、スペイン、ドイツ、トルコ、フィンランド、フランス、ベルギー、ポルトガル、モナコ、モンテネグロ、ラトビア、リトアニア)で、たびたび報じられているように日本はコロナ以降のアウトバウンドの回復が遅れているが、「ETC参加各国はツーリズムに対する情熱が強く、日本と欧州をつなげることを大事に考えている」という。ツーリズムEXPOジャパン2024への出展は過去最大規模になる見込みで、アウトバウンド回復寄与に期待がかかる。

フランス観光開発機構 日本代表 ジャン=クリストフ・アラン氏

 本取り組みの一環で、9月上旬にはフランスとフィンランドの合同研修旅行も予定しており、フランス観光開発機構 日本代表のジャン=クリストフ・アラン氏は、「ETCとしては各国のプロモーションが一番重要だが、コロナ禍を経て新しい時代に共同プロモーションを行なうことも大切で、日本支部の協力が素晴らしい」という。日本は京都など一部の地域のオーバーツーリズムがよく報じられているが、「一度日本に来た人はそれ以外のエリアに訪問したいと考える人が増えていて、同じようにヨーロッパもまだ知られていない・より深いエリアを掘り起こしていけるのではないか」と期待を述べた。