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イタリア海軍の帆船「アメリゴ・ヴェスプッチ号」乗ってきた! 旅行トレンド、2026オリンピック開催地も紹介

2024年8月28日 実施

「アメリゴ・ヴェスプッチ号」が日本初入港

 イタリア観光省とイタリア政府観光局(ENIT)は8月28日、東京国際クルーズターミナル(東京都江東区青海2)で会見・セミナーを実施した。

 イタリア海軍の練習帆船「アメリゴ・ヴェスプッチ号」初来日を記念したもの。ターミナルでは、特別イベント「ヴィラッジョ・イタリア」を8月30日まで開催している。

 プログラムは、一般来場者も参加できる乗船体験(予約制)をはじめ、ワインやジェラードの提供、大阪・関西万博や2026冬季オリンピックに向けた展示など。

 セミナーの冒頭では、駐日イタリア大使のジャンルイジ・ベネデッティ氏が概要を説明し、「イタリアの美しさや歴史、文化、食を楽しんで」と呼びかけた。

 また終了後は、記者も実際に乗船体験へ参加。船とともに世界を巡る乗組員のみなさんに笑顔で迎えられつつ、歴史ある船内の様子をゆっくり見ることができた。

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駐日イタリア大使 ジャンルイジ・ベネデッティ氏
イベントの様子
事前予約制の乗船イベントも実施
船内の様子

 セミナーの本編では、ENIT 日本支局代表の落合智子氏が、イタリア観光に関する最新統計を発表した。

 世界におけるイタリア旅行のトレンドとして、2021年~2022年は「海・海水浴」エリアへの関心が高まっていたが、2023年には「都市部」の勢いが復活。海・海水浴が2022年比26%増に対して、都市部は52%増となっている。

 今後は気候変動により、長期的には夏の気温が高くなるエリアの需要が減少し、過ごしやすいエリアの魅力が高まるという。

 旅行代金は、2010年を100とした場合、2030年にはおよそ130となる見込み。内訳は航空券運賃が+36%、宿泊料金が+23%、パッケージ料金が+22%で、いずれも増加傾向が想定されるとのこと。

 2023年の国際線到着者数は、フランス、スペイン、アメリカに次いで世界第4位。宿泊施設への到着者数は、全体が1億2500万人(2022年比+5.5%)で、そのうち外国人旅行者が6280万人(+14.0%)、イタリア人旅行者が6220万人(-1.9%)。海外からの旅行者は、かなり回復傾向にあるとみられる。

イタリア政府観光局(ENIT)日本支局代表 落合智子氏

 日本からの旅行者(2023年)については、宿泊数は2019年比で-28.3%、消費額は-23.9%とコロナ前の水準には達していないものの、2022年比では宿泊者数が+159.4%、消費額は+153.6%と大きく回復。

 目的地別ではラツィオ州、ロンバルディア州、トスカーナ州が上位となっており、主に文化・芸術都市への関心が強く、食事やワインなどエノガストロノミーを楽しむ人が多いという。

 またイタリアへの直行便として、ITAエアウェイズの羽田~ローマ線、ANAが12月に就航する羽田~ミラノ線を紹介した。

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 さらに落合氏は、イタリアの注目スポットとして「オペラ体験」「アッピア街道」の2つを案内。

 オペラ歌唱は2023年、ユネスコ無形文化遺産に登録されており、夏の特別イベントや秋~冬にかけての開催スポットなど、目的地や季節に合わせてさまざまな体験ができるという。

 一例としてヴェネツィア本島にある「ラ・フェニーチェ劇場」は、一部公演においてサン・マルコ広場を舞台とし、旅行者が比較的落ち着く夜の時間帯に、オペラから街の雰囲気まで楽しむことができるという。

 アッピア街道は、60番目のユネスコ世界遺産として2024年に登録。紀元前312年、ローマ~カプア(ナポリの北にあった古代ローマ都市)間を兵士たちが移動するため計画されたルートで、4世紀までさらに延長されたという。

 当初の終着点として造られた古代都市カプアは、現在のカンパニア州にあり、スター・ウォーズの撮影スポットでも知られる「カゼルタ宮殿」からクルマで約20分の立地。

 街道はとても長く、イタリア中心から南部へと4つの州・総距離800km以上にわたって22のスポットが選ばれている。各地のローカルワインや郷土料理をめぐりながら旅するのもお勧めとのこと。

 最後は、冬季オリンピック「ミラノ・コルティナ2026」開催エリアの楽しみ方を紹介。開会式はミラノ、閉会式はヴェローナで開催し、競技会場はロンバルディア州、トレンティーノ・アルト・アディジェ州、ヴェネト州に設置する。

 ヴィラッジョ・イタリアでは開催に先立ち、イタリア国立オリンピック委員会(CONI)コーナーで、各オリンピックのトーチ展示などを行なっている。

トーチ展示