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開業目前の大阪駅うめきたエリアを見てきた。新ホームに世界初のホームドア、AI券売機、顔認証改札など最新テクノロジーだらけ!

関空への直接アクセスは「念願の乗り入れ」と渡辺駅長

2023年3月18日 開業

大阪駅うめきたエリアに新設される「大阪駅うめきた地下口」

 JR大阪駅の北側エリア、いわゆる「うめきた」エリアで進められている再開発。その再開発に合わせてJR西日本が開発を進めていた、大阪駅(うめきたエリア)の新ホームや、新改札口「大阪駅西口」および「大阪駅うめきた地下口」が、3月18日に開業する。その開業を目前に控えた3月16日、大阪駅(うめきたエリア)新ホームや、新設される改札口などを報道陣に公開した。

 公開されたのは、大阪駅の西エリアに新設される「大阪駅西口」改札と大阪駅在来線ホームから大阪駅西口へとつながる西口コンコース、大阪駅西口コンコースから大阪駅(うめきたエリア)新ホームへとつながる改札内連絡通路、うめきたエリアに新設される「大阪駅うめきた地下口」の改札、コンコース、新ホームだ。

 新ホームは、21番線から24番線の4線。新ホームと既存の大阪駅在来線ホームとは、大阪駅西エリアに新設される大阪駅西口のコンコースを介して改札内連絡通路で結ばれる。既存在来線各ホームから大阪駅西口コンコースへは、神戸寄りのホーム端からアクセスできるようになる。

 新ホームには、これまで大阪駅に乗り入れていなかった関西国際空港に向かう特急「はるか」や、和歌山方面に向かう特急「くろしお」が停車。また、おおさか東線の列車も乗り入れる。列車の乗り入れ本数は、はるかが60本、くろしおが36本、おおさか東線が142本(いずれも平日の上下線合わせた本数)。新ホームの乗降客数は1日あたり約1万2000人を想定している。

大阪駅西エリアに新設される「大阪駅西口」
西口改札
西口コンコース。既存在来線ホームや、新設される新ホームへの導線となる
既存在来線ホームから西口や新ホーム、うめきた地下口へは、神戸寄りのホーム端からアクセスできる
西口コンコースから新ホームやうめきた地下口へと続く改札内連絡通路
うめきた地下口改札
うめきたエリアの新ホーム

 新ホームの21番線には、ふすまのように動くことで異なる車両のドア位置に応じて自在に開閉するドアを備える世界初のホームドア「フルスクリーンホームドア」を設置。また、うめきた地下口改札やコンコースに、デジタルやAIを駆使した新たな仕組みを多数導入する。

 例えば、コンコース内の案内板はデジタル化され、可変的な案内サインを表示できるだけでなく、JR西日本のスマートフォンアプリ「WESTER」と連携して特定の個人に向けた案内を表示可能。改札口には顔認証で通過できる改札を設置。AIによる音声認識や音声合成を利用した自動応対できっぷを購入できる券売機「みどりの券売機プラス+AI」やAI案内ロボット「AyumI」、トイレの利用状況をサイネージやアプリで確認できる「トイレDX」、視覚障害者向けナビゲーションシステム「shikAI」なども設置する。

 これは、JR西日本がうめきたエリアの新ホームやうめきた地下口を、イノベーションの実験場「JR WEST LABO」の中心と位置づけているためで、今後さまざまなパートナーとの共創によってオープンイノベーションを加速させていく計画だ。

新ホームの21番線には、異なる車両のドア位置に自在に対応できる世界初のホームドア「フルスクリーンホームドア」を設置
コンコースの案内板はデジタル化され、可変的な案内サインを表示可能
デジタル案内板には、JR西日本のスマートフォンアプリ「WESTER」と連携して特定の個人に向けた案内を表示できる
うめきた地下口改札には、顔認証で通過できる改札を設置
音声認識や音声合成を活用した自動応答できっぷを購入できる「みどりの券売機プラス+AI」やAI案内ロボット「AyumI」を設置
トイレの利用状況をサイネージやアプリで確認できる「トイレDX」
スマートフォンを利用した視覚障害者向けナビゲーションシステム「shikAI」も用意

 大阪駅駅長の渡辺弘幸氏は、大阪駅(うめきたエリア)や新改札口の開業について、「これまで悲願、念願だった、はるかやくろしおの大阪乗り入れが実現されることで、大阪駅のポテンシャルがグッと上がることになります。また、関西国際空港と大阪駅が直接結ばれることで海外へのアクセスという点でも大きな役割を担っていると思いますし、希望を持っています。おおさか東線も大阪に延伸することで利便性が高まりますので、多くの方にご利用いただけるのではないかと思っています」と期待感を示した。

 また、うめきたエリアが新技術の実験の場として位置付けられていることについては、「最新のデジタル技術を使ったさまざまな仕組みが用意されていますので、ご自身でそれらを使ってみてもらいたいです。また、今後2025年の関西万博に向けて開発が進んでいくと、うめきたエリアをもっと回遊していただけるようになります。2025年に向けて大きく変わっていく大阪駅周辺の変化も楽しんでいただきたいと思います」と、さまざまな角度で楽しんでもらいたいとした。

 そのうえで、「まずはお客さまの安全をしっかりと確保したいと思います。そのためにも、新たに設置したフルスクリーンホームドアをきちんと運用して、お客さまに安全をご提供したいです。そのうえで、AIやデジタル技術を駆使した仕組みも活用して、安全で快適な駅にしていきたいと思います」と意気込みを述べた。

うめきたエリアや新改札口の開業に向けて抱負を語る、大阪駅駅長の渡辺弘幸氏