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ANA新ブランドのエアージャパン、制服・シートなど公開。峯口社長「LCCと一線画すゆとりある空間」

2023年3月9日 発表

エアージャパンが客室乗務員の制服などを公開した

 ANAは、中距離国際線の新ブランドAirJapan(エアージャパン)のサービス内容を公開した。

 同社のブランド名を発表したのがおよそ1年前の2022年3月8日だったことから、エアージャパン 代表取締役社長の峯口秀喜氏は「お久しぶりです」と切り出し、同社のサービスを「日本らしい品質と発想にこだわったもの」と表現した。

 まずシートについて。各部の写真など詳細は既報の別記事に詳しいが、シートピッチはフルサービスキャリアのエコノミークラスと同等かそれ以上の32インチ(約81cm)に設定。シート表面は本革や塩化ビニールより環境負荷の低い合皮を、カーペットには再生ナイロンを採用しているという。

 同社は7時間前後のフライトを行なう中距離国際線ブランドであるため、前後幅に余裕を持たせることでリクライニング角も深く取ることができ、これを峯口氏は「LCCとは一線を画すゆとりのある空間」と評した。

 なお、座席には個人モニターを設けず、利用者の手持ちのスマートフォン/タブレットを利用して機内のサーバーに接続し、映画やビデオなどの機内エンタテイメントを観賞する仕組みを用意する。その際の機内Wi-Fiは無料で接続できるが、インターネットへのアクセスについては、無料か有料かをまだ検討中という。

株式会社エアージャパン 代表取締役社長の峯口秀喜氏
エアージャパン機内のシート

 機内食は航空券に含まれず、事前予約と当日機内で注文する方式を採用。具体的なメニューは後日公開する。搭乗中や降機中に流れるボーディングミュージックは、東京藝術大学と産学連携で制作し、修士課程に在学中の冷水乃栄流さんが作曲。和楽器と洋楽器のアンサンブルになっている。

 制服は企画段階から現役CAが加わって検討を進めた。制服はスカートとパンツを2種類からCA自ら選べるようにしており、年齢や性別にかかわらず着用できるボーダレスなデザインを採用。履き物についても、ANAグループでは初めてスニーカーを採用し、パンプスやフラットシューズ、革靴を選べるという。

 また、生地はブランドカラーの「藍色」「曙色」を取り入れた配色で、ジャケットの腰まわりには「結び目」のある帯を取り入れており、日本の伝統や利用者との結びつきなどを表現しているという。

ボーディングミュージックを作曲した東京藝術大学の冷水乃栄流さん
株式会社エアージャパン 制服プロジェクトリーダー 横内麻央氏
エアージャパンのCA制服バリエーション
腰帯に結び目を設けた
シャツはシンプルながら重層的な作り
ANAグループでは初めてスニーカーを設定

 峯口氏は就航時期について、以前「2023年度下期」と説明していたが、より具体的に「2024年2月」を予定しているとした。就航地は発着枠の都合で夏ごろの公表になるという。また今後、関空~東南アジアの就航も予定していると明かした。同社は訪日旅客需要をターゲットに挙げており、成田/関空の2拠点をもつことで競争力を高めていきたいとする。

 就航地は「需要の太いところ」と述べるに止まったが、その場合のANAとの住み分けについては、エアージャパンが主に訪日需要を狙うのに対し、ANAはより上の料金レンジのサービスを求める人向けであるとして、グループ内での奪い合いは起こらないと説明した。