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【ハワイ現地発】次のハワイまでに知っておきたい「ハワイアンブレッシング」とは?

ハワイの伝統と文化を感じさせるオープニング。シェラトンワイキキ内にオープンしたバスコスメ専門店「ネクター・バス・トリート」のセレモニー

 パワー全開のハワイでは、飲食店や各種ショップなどの新規開店や移転オープンが続いている。パンデミックでの休業を活用して大改装を実施したホテルも多く、一方で現在リニューアルオープンに向けて工事まっただなかというホテルもある。

フードトラックからスタートしたローカルの大好物「ペニーズマラサダ」は2022年7月にロイヤル・ハワイアン・センターのフードコートに開店
ジェラート店「ジェラティッシモ」は2022年12月にロイヤル・ハワイアン・センターのキオスクとしてグランドオープンした

 いわゆる「グランドオープニング」は、その紹介を兼ねて我々メディア陣が招待されることも多い。最近ではインスタグラマーやYouTuberなどのインフルエンサーも招かれるようになり、現場はより華やかになった。

 ハワイのオープニングセレモニーで、必ずと言ってよいいほど行なわれるのが「ハワイアンブレッシング」だ。ハワイの伝統的な儀式で、初めて見る人は驚いたり、感動したりして、足を止めて見る人もいたりする。

 例えば、開店以来通っているお気に入りのジェラート店「Gelatissimo(ジェラティッシモ)」(2201 Kalakaua Ave, Honolulu)は2022年12月にグランドオープンした。

ドラゴンフルーツ&ライチ、グアバといったハワイ限定フレーバーが人気

 世界に65店以上展開するオーストラリア発祥の店だが、初進出したハワイでの開店セレモニーは「地元に根ざした店にしたい」とハワイの儀式で行なわれた。

代表的なハワイアンブレッシングの流れ

 上の動画のように、ハワイの伝統継承者であるカフによるハワイアンチャント(ハワイ語による祈り)で始まり、伝統的なハワイの祝福の言葉が続く。神聖なる葉であるティリーフと、木のボウルに注がれたハワイアンソルトを入れた水でお清めをする。そして、入り口に掛けられたマイレ(葉)レイの結び目を解くことで、正式なオープンとなる。

 日本で行なわれるテープカットにも「開く」「災いを断ち切る」などという意味があるというが、テープではなく「レイ」が用いられるのもハワイらしい。

塩マカダミアとドゥルセ・デ・レチェのフレーバーは賞を獲得した自慢の味

 このほか、ロイヤル・ハワイアン・センター1階にオープンした抹茶ドリンク専門店「Junbi(ジュンビ)」(2301 Kalakaua Ave, Honolulu)も、ロサンゼルス発の店だがハワイ初の店舗開店はハワイアンブレッシングで執り行なわれた。

いちご抹茶や柚子ドラゴンフルーツ抹茶、マダガスカルバニラ抹茶など、100%天然の原料のみを使った味を楽しめる

 動画に笑い声が入っているが、神聖な儀式ではあるけれど、笑顔や笑いがあるのもハワイならではの和やかさだと思う。

ティリーフと水で一人ずつお清めを受ける
マイレの葉のレイを解けばめでたく開店となる

 ハワイアンブレッシングにはたくさんの意味があるという。その土地、歴史、先祖、そしてアクア(ハワイの神)へ敬意を持って祈り、そこにあるエネルギー(マナ)をこれから先へとつなげていく。

 最後は、ロイヤル・ハワイアン・センター内で移転オープンした「ケイトスペード・ニューヨーク」。

ケイト・スペードの特徴である洗練さと創造性を表現してリニューアルオープン
中心部のフードコートの下へと移転オープンし、新たな息吹が吹き込まれる

 新たな店舗のエントランス前にマイレ・レイがかけられて儀式が始まる。

 カフの祝福の言葉へと続く。

ハワイのブレッシングにより崇高な気持ちで新たな出発を迎える
スタッフ全員の手でゆっくりとマイレ・レイが外される

 マイレ・レイが解かれると、まわりから歓声が湧きおこるなか、めでたく扉が開かれる。

この日は古典フラ(カヒコ)も披露され、華やかにオープニングが祝われた

 今回は、オープンが続いたロイヤル・ハワイアン・センター内での各店のハワイアンブレッシングセレモニーを紹介したが、そもそもこの辺りはかつてハワイの王族が邸宅や別荘を持っていた地域で「ヘルモア」と呼ばれていた歴史ある場所。

 ここに来ると、こうしたハワイの歴史が現代まで紡がれ、さらにこれから先へとつながれていく流れのなかに、この地を訪れる人がいて、店があるということを感じさせてくれるだろう。

ロイヤルハワイアンセンター

 ハワイには「アロハ・スピリット」を持つことが法律にも定められている。この地に暮らす人やこの地でビジネスをする企業は、優しさを持ち、調和と絆、謙虚な気持ちを大切に「アロハ・スピリット」に基づいていなくてはならないと。

「ハワイアンブレッシング」は、ユニークな価値観と文化を持つハワイのことを知る一つのきっかけになると思う。

大澤陽子

ハワイで発行している生活情報誌「ライトハウスハワイ」編集長。日本ではラジオアナウンサー、ライターとエディターとして活動。2012年にハワイへ移住。新聞やハワイのガイド本などの編集に携わる。ハワイのビーチとビールをこよなく愛している。