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混雑する空港の保安検査場、待ち時間を減らすにはスマートレーンを探そう

2022年12月29日朝の羽田空港 第2ターミナルの保安検査場Bの様子。なかなかの混雑だが、保安検査場AとBはスマートレーン導入済みのため、CやDより進みが早い

 年末年始や大型連休に飛行機を利用する際、出くわしがちなのが「空港の保安検査場の待機列」だ。混雑の理由はシンプルに人が多いせいだが、列の進みが遅いのは、「検査に時間がかかっている」「検査レーンが少ない」「検査スタッフが足りない」などいくつかの要因が考えられる。

 これに対して空港側も、電光掲示板などで空いている検査場を案内していたり、係員が誘導を行なっていたりと対策している。最近ではチケットの確認を個別の検査レーン手前ではなく検査場入り口で一括して行なうことで、その後の流れがスムーズになるよう工夫している空港もある。

 しかし根本的には、検査レーンの手前でトレイを2~3個取って横に並べて、ノートPCやスマホ、液体物などをカバンから取り出してトレイに展開して……という手順があるうちは、劇的な時間短縮は望めないだろう。

 カバンから荷物を取り出すのに手間取ったり、想定よりトレイが足りなくてまごついたりすることもあるだろうし、トレイが3つ~4つと増えるほどレーン後方に向けてスペースを圧迫するから、さらに列の進みは遅くなる。混雑期は日ごろ飛行機に乗り慣れていない利用者も増えるので、こういった傾向は顕著になりがちだ。

ANA羽田空港のスマートレーン(画像提供:ANA)
JAL羽田空港のスマートレーン(画像提供:JAL)

スマートレーンはノートPCも液体もカバンに入れたまま

 そんな検査場あるあるを一気に解決してくれるのが「スマートレーン」の存在だ。スマートレーンとは、以下のような特徴を持った保安検査レーンのことで、飛躍的な検査速度の向上を果たしている。

  • CT検査機でカバンの中身を360度確認できるため、荷物の取り出し不要(※)
  • トレイの搬送を自動化、利用者が持ち運ぶ必要がない
  • トレイを送り出した人からボディスキャナへ進むため、追い越しが可能
  • 追加の検査が必要なトレイは係員側のレーンへ自動で流れる
  • 使用後のトレイは入口側へ自動で回送

※CT型でない場合は荷物の取り出しを求められる

 国内空港でも導入が進んでいるので、遭遇したことのある人もいるだろう。実際の使用例は動画を見ていただくのが分かりやすいが、「荷物を出さなくてよい」「準備ができていない前の人を追い越せる」という2点が特に大きい。トレイ自体も大型化されていることが多いので、カバンと上着などをまとめて乗せてしまえるのも便利だ。

JALが公開しているスマートレーンの利用法

 以下、年間利用者数上位のいくつかの国内空港について、スマートレーンの配備状況をまとめた。具体的なレーン数が公開されている場合はカッコにその数を示した。繁忙期に空港を利用する際は、どの検査場に並ぶべきかを含めて検討してみてはいかがだろうか。

スマートレーン導入済みの国内主要空港

羽田空港 第1ターミナル

・保安検査場B(4レーン)
・保安検査場C(3レーン)
・保安検査場E(2レーン)
・保安検査場F(3レーン)

羽田空港 第2ターミナル

・保安検査場A(10レーン、全面導入)
・保安検査場B(10レーン、全面導入)

羽田空港 第3ターミナル(旧国際線ターミナル)

・導入済み

伊丹空港

・南側(ANA側)保安検査場(8+1レーン、全面導入)
・北側(JAL側)保安検査場(6+1レーン、全面導入)

関空 第1ターミナル

・新国内線エリア(6レーン)

関空 第2ターミナル

・国際線エリア

セントレア

・国内線(1レーン)
・国際線(2レーン)
・国内/国際共用(1レーン)

成田空港

・国際線保安検査場

新千歳空港

・国際線エリア