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年頭所感:東急不動産ホールディングス 西川弘典社長

2021年1月4日

東急不動産ホールディングス株式会社
代表取締役社長
西川弘典

 皆様、明けましておめでとうございます。

 新年を迎え、世界経済を見ると米国では景気回復に向かいつつあり、FRBによるテーパリングが始まった。そのような動きがある一方で、原油高を始めとした資源高や資材不足など不安定要素も散見される。新型コロナウイルスの感染拡大も世界的には収束時期が見通せない状況が継続しており、国内での第6波の可能性もまだまだ否定できない状況だ。

 そのような環境下、当社グループは昨年12月22日、当社が保有する東急ハンズ全株式のカインズ様への譲渡を決めた。今回の株式譲渡はハンズを応援して下さるお客様と社員、そしてこれまで培ってきたハンズブランドにとってベストな選択とは何かを考えた結果だ。カインズ様はハンズにとって「DIY文化の共創」という新しい価値創造を共有できる企業グループ。ハンズには新たなパートナーと共にハンズらしさを生かしてお客様に価値を提供し続けて欲しい。

 昨年発表した2030年度までの長期ビジョン「GROUPVISION2030」では全社方針として「環境経営」「DX」を掲げている。環境経営に関して言えば、再生可能エネルギー事業は昨年10月末時点で開発中を含めて70カ所、定格容量は1,253メガワットと、すでに原発一基分を超える発電能力を確保している。この当社グループの業界トップクラスの実績とアドバンテージを活かして更なる事業拡大に取り組んでいきたい。また、住宅事業では分譲マンション「BRANZ(ブランズ)」で「環境先進マンション」に取り組むことにしている。資金調達においても昨年、社債に占めるESG債の割合を2030年度までに70%以上まで高めるといったポリシーを開示した。引き続きグループ全体で環境に積極的に取り組んでいく方針だ。DXに関してもデジタルを活用し「お客さまにどんな価値を提供するか」を念頭に、東急リバブルの「マンション価格査定AI」などDXの活用を進めている。

 今回のコロナ禍では人々の働き方や生活スタイルに大きな変化をもたらした。順調な事業でも先を見据えた変革を常に考えていなければ、今後の成長は望めない時代にいると考えている。私たちはこの変化の本質をつかみ、未来への想像力を豊かに働かせ、正常な危機感を持ち続けて事業を進めていく方針だ。

 本年もよろしくお願いいたします。