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西武グループ、アウトドア事業参入でキャンプ場など展開。後藤社長「軽井沢、箱根が候補に」

「株式会社ステップアウト」10月1日設立

2021年9月28日 発表

西武造園とR.projectがアウトドア事業の合弁会社を設立する

 西武造園とR.project(アールプロジェクト)は、アウトドア事業を共同で手がける合弁会社「株式会社ステップアウト」を10月1日に設立する。

 西武グループが5月に公開した中期経営計画では、コロナ後の社会に向けて「経営改革」「デジタル経営」「サステナビリティ」を掲げており、なかでもアウトドア事業領域は「高い付加価値を創出できる」と判断したという。

 西武造園の持つ造園事業のノウハウとリゾート地に保有する遊休地の利活用、R.projectが持つアウトドア事業の運営ノウハウなどを組み合わせることで、デジタルを使った利便性を備えつつ、「リアルならではの体験価値」を追求していく。

 会見に登壇した西武ホールディングス 代表取締役社長の後藤高志氏は、事業ポートフォリオについて、豊富なハードアセットと創造的なソフトコンテンツの掛け合わせが強みになると説明する。ハードアセットとしてはリゾート不動産やまだ開発が行なわれていない遊休地、ソフトコンテンツとしては西武造園とR.projectのノウハウを挙げた。

 後者は具体的には、造園業界トップクラスの全国81か所、479施設(約3000ヘクタール)を手がけている西武造園の設計・建設・維持管理ノウハウと、キャンプ場検索・予約サイト「なっぷ」や都市公園などの遊休地でキャンプ場の企画・運営を行なう「RECAMP」などを手がけるR.projectのノウハウがカギを握る。また、中長期的にはグループ外部の遊休地なども手がけていきたいとした。

株式会社西武ホールディングス 代表取締役社長 後藤高志氏
株式会社R.project 代表取締役 丹埜倫(たんのろん)氏

 新合弁会社の株式会社ステップアウトは、西武造園が51%、R.projectが49%の出資比率で設立する。

 ステップアウトは初年度から公園と連携を初めて公園アウトドア事業に進出、2025年には30以上の拠点数を目指す。また、早ければ2022年度には西武グループの私有地でキャンプ事業を開始、2030年までに5拠点以上の私有地キャンプ場の開設を目指す。

 同社は、2030年の国内アウトドア関連事業の市場規模を1兆円以上とみており、同年の目標として、ステップアウトの関連施設利用人数は年間100万人以上、単体売上20~30億円を目指すという。

 なお、公園も私有地もまだ具体的な施設の場所については明らかにしていないが、後藤氏は質疑応答のなかで、「私有地は軽井沢、箱根が候補になってくるのではないか。公園は西武造園が管理している場所のどこかかから」と説明した。

株式会社ステップアウトの事業スキーム