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メットライフドームの3年にわたる改修が完了。新設シートや各施設を一気に紹介!
2021年3月12日 07:00
- 2021年3月8日 公開
ドーム内エリア:多様化する観戦スタイルを踏まえてシートを大幅にリニューアル
ここでは各施設の内覧会の様子を写真で紹介する。まずはドーム内から。
辻発彦監督が「ゆったりとした広いスペースで野球を楽しめる素晴らしい空間」と絶賛しているという「アメリカン・エキスプレス プレミアムラウンジ」は、バックネット裏スタンド席の地下部分に新設された。
ビュッフェエリアとバーエリアに分かれるレストラン空間はラグジュアリー感たっぷりで、球場にいることを忘れてしまうほどだ。新型コロナの影響で稼働開始日は未定だが、決まり次第オフィシャルサイトなどで告知するとのこと。
今回の改修ではドーム内の観客席を全面改修し、新たなエリアや座席を整備した。改修前は14種類だった座席の種類は、2倍の28種類となっている。そのなかの主なものを紹介しよう。
1979年の西武球場稼働以降、長年ファンの間で親しまれてきた外野芝生席は、今回の改修ですべてクッション付きの座席にリニューアルした。折りたたみ時の前後幅を広くとることで、攻撃時に立って応援するライオンズ伝統の観戦スタイルを継承したスタイルになっている。
1・3塁側の飲食エリアも刷新。レストランや売店など全77店舗中21店舗を今年入れ替えて、これは過去最大規模のリニューアルだという。1塁側にはオリジナルバーガーや熟成ステーキなどが名物の「MLB cafe SAITAMA」が、3塁側には英国風パブチェーンの「HUB」がオープンする。メットライフドームのスタジアムグルメは77店舗、メニュー数千種類以上と12球団の本拠地としては最大級の規模となる。
2008年から運用されてきた旧Lビジョンに代わり、従来の2倍の大きさの新Lビジョンが登場したのも大きな目玉だ。サブビジョンも新設し、スピーカー、デジタルサイネージも増設。これら音響設備の更新でエリア内のどこにいても臨場感を味わえるようになっている。
ほかにも、車いす利用者が家族や友人と一緒に観戦できるようにした「ライオンズ ユニバーサルデッキ」などを新設。外周通路から段差なくアクセスできるユニバーサルデザインに対応している。
ドーム外エリア:大型グッズショップや西武鉄道の車両展示など
続いてドーム外エリア。西武球場ができた1979年以来、約40年にわたって使用されてきた1・3塁側の入場ゲートを撤去し、西武球場前駅からほど近いドーム正面に新たな施設の顔としてメインゲートを設置した。ゲートをくぐって右手にはチケットセンターとファンクラブカウンター、球場弁当を販売する球弁カウンターが並ぶ。
西武球場前駅の改札を出てすぐのドーム前広場で目に入るのが「レンガサークル」だ。自分の名前や誕生日などをレンガに刻印できる権利を2020年6月から販売しており、そのレンガが地面に埋め込まれている。このなかには辻監督をはじめザック・ニール投手や田村伊知郎投手、鈴木将平選手、エルネスト・メヒア選手など、多くの選手たちの名前のほか、東尾修氏などライオンズOBの名前も刻まれている。
3塁側に誕生したのが野球と遊びを融合した大型遊戯施設「テイキョウキッズフィールド」だ。レジェンドブルーとメットライフドームをイメージしたドーム型の遊具の中では迷路やクライミングなどを楽しめる。
同じく3塁側にある獅子ビルもリノベーションした。2階には野球開催日以外も営業する大型フードエリア「グリーンフォレスト デリ&カフェ」がオープン。女性やファミリーがターゲットとし、店内はデザイナー家具を使用したり緑の装飾を施した明るい作りに。メニューもパンケーキやワインなど、これまでのスタジアムグルメとは一線を画した展開となっている。
2019年7月にオープンしている「ライオンズ チームストア フラッグス」は、これまでメットライフドームエリアに点在していた各グッズショップを集約し、駅からドームへの導線上に位置することでアクセスしやすく便利になっている。
メットライフドームエリアの新しいシンボルとして1塁側に誕生したのが西武鉄道の車両を1両設置した「トレイン広場」だ。車両の名称は「L-train101(エルトレイン いちまるいち)」。車両の上部にスピーカー、広場内に演出用の照明を設置し、球場との映像演出と合わせた音や光の演出を楽しむことができる。
室内練習場の「ライオンズ トレーニングセンター」にはファンデッキが設置され、選手の室内練習を見学できるようになっている(現在は新型コロナウイルスの影響で閉鎖中)。
約40年ぶりに生まれ変わったのが西武第ニ球場だ。2020年3月に「CAR3219(カーミニーク)フィールド」に名称変更している。
竣工式には球団オーナーの後藤高志氏や辻監督が登壇
同日、午前中に竣工式が行なわれ、西武ライオンズ取締役オーナーの後藤高志氏をはじめ、埼玉西武ライオンズの辻発彦監督、施工業者ほか関係者が参列。中氷川神社の神職の奉仕により厳かに神事が執り行なわれた。
続いて新Lビジョンを背に、西武ライオンズ取締役オーナー 後藤高志氏と埼玉西武ライオンズ監督の辻発彦氏のフォトセッションが行なわれた。
後藤氏は「この改修計画の目的は、ボールパーク化とチーム・育成の強化の2つ。ボールパーク化に関しては、さまざまなエンタテイメント性の高いものを具備したことで、年齢や性別を問わず、あらゆる世代の方々に野球の試合やコンサートなどのイベントを楽しんでもらえることと思う。
またチーム・育成の強化については、刷新したライオンズ トレーニングセンターやCAR3219フィールドなどが、特に若手プレイヤーの育成・強化にその力を発揮してくれると確信している」と述べ、「西武ライオンズは3月26日にここで開幕戦をむかえるが、辻監督のもとで、今年はリーグ制覇、そして2008年以来の日本一を目指して大いに戦ってくれると期待している」と豊富を語った。
辻監督は、「アメリカン・エキスプレス プレミアムラウンジを今日初めて訪れてみたが、ゆったりとした空間で野球を楽しめる大変素晴らしいラウンジ。ぜひ多くの方々に足を運んでもらいたい」と、改修を終えたメットライフドームを称賛。そして「今、後ろには球団旗が掲げられているが、その横にチャンピオンフラッグがない。これが唯一失われたものだと思っている。これを2021シーズンに奪還して、日本一という大きな目標に向かって戦っていきたいと思う」とあいさつを締めくくった。