ニュース

メットライフドームの3年にわたる改修が完了。新設シートや各施設を一気に紹介!

2021年3月8日 公開

メットライフドームの改修が完了

 西武ライオンズは3月8日、2017年12月から進めてきたメットライフドームエリアの改修工事計画が完了したとして、報道関係者向けに新設・改修した各施設の内覧会を開催した。

ドーム内エリア:多様化する観戦スタイルを踏まえてシートを大幅にリニューアル

 ここでは各施設の内覧会の様子を写真で紹介する。まずはドーム内から。

3万1552人の収容人数を誇るメットライフドーム。コロナが一段落して球場が満席になる日が待ち遠しい

 辻発彦監督が「ゆったりとした広いスペースで野球を楽しめる素晴らしい空間」と絶賛しているという「アメリカン・エキスプレス プレミアムラウンジ」は、バックネット裏スタンド席の地下部分に新設された。

 ビュッフェエリアとバーエリアに分かれるレストラン空間はラグジュアリー感たっぷりで、球場にいることを忘れてしまうほどだ。新型コロナの影響で稼働開始日は未定だが、決まり次第オフィシャルサイトなどで告知するとのこと。

飛行機のファーストクラスやビジネスクラスラウンジを彷彿とさせる雰囲気
過去のチャンピオンフラッグなどが飾られている
秩父産のウイスキーをはじめとした豊富なアルコール類を用意
ビュッフェエリア
バーエリア
フィールドとバックネット越しにつながるシートはまさにアンパイア目線
球場スタッフのユニフォームデザインも刷新した。高級感のあるデザインに

 今回の改修ではドーム内の観客席を全面改修し、新たなエリアや座席を整備した。改修前は14種類だった座席の種類は、2倍の28種類となっている。そのなかの主なものを紹介しよう。

ネット裏エグゼクティブシート。長時間座っていても蒸れにくい透湿性の高い人工皮革表皮を採用している
ネット裏テーブル4。L字形の4人掛けグループシートでミニテーブル付きで個室にいるような感覚
ネット裏パーティテラス。“屋外スイートルーム”をコンセプトに、非日常を優雅に楽しみたいという人向け
6名席×2、7名席×4、8名席×4の計72席ある
ダグアウトの選手と同じ型のベンチシートが採用されたコカ・コーラ ダグアウトトップシート
32席あるフィールドビューソファは、ペアで楽しめるソファ席
内野スタンドの最前列に新設したブルペンかぶりつきシートは、食事や飲み物が置けるカウンター付き。ピッチャーの迫力あるピッチングを間近で楽しめる特等席だ

 1979年の西武球場稼働以降、長年ファンの間で親しまれてきた外野芝生席は、今回の改修ですべてクッション付きの座席にリニューアルした。折りたたみ時の前後幅を広くとることで、攻撃時に立って応援するライオンズ伝統の観戦スタイルを継承したスタイルになっている。

名物だった外野芝生席はクッション付きの座席にリニューアル
足元を広くとって応援しやすい環境となっている

 1・3塁側の飲食エリアも刷新。レストランや売店など全77店舗中21店舗を今年入れ替えて、これは過去最大規模のリニューアルだという。1塁側にはオリジナルバーガーや熟成ステーキなどが名物の「MLB cafe SAITAMA」が、3塁側には英国風パブチェーンの「HUB」がオープンする。メットライフドームのスタジアムグルメは77店舗、メニュー数千種類以上と12球団の本拠地としては最大級の規模となる。

2020年シーズンから設置されていた立見席は「THERMOSステンレスカウンター」と命名
立見席の後ろには大規模リニューアルした飲食売店が並ぶ

 2008年から運用されてきた旧Lビジョンに代わり、従来の2倍の大きさの新Lビジョンが登場したのも大きな目玉だ。サブビジョンも新設し、スピーカー、デジタルサイネージも増設。これら音響設備の更新でエリア内のどこにいても臨場感を味わえるようになっている。

臨場感がハンパない新Lビジョンは高さ13m、面積は約600m2と従来の2倍の大きさに

 ほかにも、車いす利用者が家族や友人と一緒に観戦できるようにした「ライオンズ ユニバーサルデッキ」などを新設。外周通路から段差なくアクセスできるユニバーサルデザインに対応している。

ドーム外エリア:大型グッズショップや西武鉄道の車両展示など

 続いてドーム外エリア。西武球場ができた1979年以来、約40年にわたって使用されてきた1・3塁側の入場ゲートを撤去し、西武球場前駅からほど近いドーム正面に新たな施設の顔としてメインゲートを設置した。ゲートをくぐって右手にはチケットセンターとファンクラブカウンター、球場弁当を販売する球弁カウンターが並ぶ。

今までの1・3塁側入場ゲートを撤去して、西武球場前駅からすぐのドーム正面に設置したメインゲート

 西武球場前駅の改札を出てすぐのドーム前広場で目に入るのが「レンガサークル」だ。自分の名前や誕生日などをレンガに刻印できる権利を2020年6月から販売しており、そのレンガが地面に埋め込まれている。このなかには辻監督をはじめザック・ニール投手や田村伊知郎投手、鈴木将平選手、エルネスト・メヒア選手など、多くの選手たちの名前のほか、東尾修氏などライオンズOBの名前も刻まれている。

メットライフドーム前の広場に敷設された「Lions BRICK CIRCLE PROJECT」。レンガに名前などを刻印できる権利を2020年に販売していた
思わず見入ってしまうレンガサークル。購入者は自分の物がどこにあるか探してみて
辻監督の刻印レンガを発見

 3塁側に誕生したのが野球と遊びを融合した大型遊戯施設「テイキョウキッズフィールド」だ。レジェンドブルーとメットライフドームをイメージしたドーム型の遊具の中では迷路やクライミングなどを楽しめる。

3月26日より稼働開始する「テイキョウキッズフィールド」は、6歳~12歳以下の子供とその保護者が利用条件
ボールやホームベースなどのデザインが所々に施されていてかわいい
高さ5.5mのタワーから滑り降りるローラースライダーもある
子供が元気いっぱいに遊べるうれしい空間だ
獅子ビルと3塁側コンコースをつなぐ新しいデッキ「DAZNデッキ」が整備された。大型ビジョンには試合中継をはじめさまざまな映像コンテンツを放映予定

 同じく3塁側にある獅子ビルもリノベーションした。2階には野球開催日以外も営業する大型フードエリア「グリーンフォレスト デリ&カフェ」がオープン。女性やファミリーがターゲットとし、店内はデザイナー家具を使用したり緑の装飾を施した明るい作りに。メニューもパンケーキやワインなど、これまでのスタジアムグルメとは一線を画した展開となっている。

2020年7月にオープンした「グリーンフォレスト デリ&カフェ」は女性やファミリーがゆっくり寛げる空間(写真提供:西武ライオンズ)
各種デリのほか、ステーキやカレー、パンケーキ、ワインなどが楽しめる(写真提供:西武ライオンズ)
キッズプレートも用意(写真提供:西武ライオンズ)
旧「ライオンズキッズパーク」は「テイキョウキッズルーム」としてリニューアル
電車型の遊具などのほかにも0歳児が遊べるエリアや授乳室も備えている
メインゲート右側の建物の上にある白いオブジェに注目
なんと全長7mもある巨大なライオンオブジェ
近づいてみると本当に大きい! ぜひ記念撮影を

 2019年7月にオープンしている「ライオンズ チームストア フラッグス」は、これまでメットライフドームエリアに点在していた各グッズショップを集約し、駅からドームへの導線上に位置することでアクセスしやすく便利になっている。

大型グッズショップ「ライオンズ チームストア フラッグス」
600m2を誇る広い店内は2階建て。豊富なライオンズグッズにファンは目移り必至だ

 メットライフドームエリアの新しいシンボルとして1塁側に誕生したのが西武鉄道の車両を1両設置した「トレイン広場」だ。車両の名称は「L-train101(エルトレイン いちまるいち)」。車両の上部にスピーカー、広場内に演出用の照明を設置し、球場との映像演出と合わせた音や光の演出を楽しむことができる。

西武鉄道の車両が設置された「トレイン広場」。この「L-train 101」はメットライフドームの新しいシンボルとなっている
ライナのイラストがかわいい
車内に入ることができる
運転席に設置されたボタンを押すと音の演出も
下にはちゃんとレールが敷かれているのが分かる
多種さまざまなクラフトビールとオリジナルフードを取り扱うテイクアウト専門店。ライオンズの応援アイテムのフラッグに見立てたスクエア型のピザがメイン

 室内練習場の「ライオンズ トレーニングセンター」にはファンデッキが設置され、選手の室内練習を見学できるようになっている(現在は新型コロナウイルスの影響で閉鎖中)。

「ライオンズ トレーニングセンター」。メットライフドームと同じ人工芝を採用し、試合と同様の環境下での練習が可能
奥にはブルペンが5レーン、バッティングレーンが4レーンある。もちろん選手関係者以外は立ち入れないエリアだが今回特別に見学することができた

 約40年ぶりに生まれ変わったのが西武第ニ球場だ。2020年3月に「CAR3219(カーミニーク)フィールド」に名称変更している。

スマイルランドとの施設命名権スポンサー契約の締結によって名称変更している
バックネット裏にスタンド席を設け240席の観客席を設置した
新設されたLEDディスプレイの大型ビジョン(スコアボード)
西武ライオンズは、ここメットライフドームで2021シーズン開幕を迎える

竣工式には球団オーナーの後藤高志氏や辻監督が登壇

 同日、午前中に竣工式が行なわれ、西武ライオンズ取締役オーナーの後藤高志氏をはじめ、埼玉西武ライオンズの辻発彦監督、施工業者ほか関係者が参列。中氷川神社の神職の奉仕により厳かに神事が執り行なわれた。

大型ビジョンや音響設備が更新され、観戦環境が大幅に向上したメットライフドーム内で行なわれた竣工式
中氷川神社の神職による神事が執り行なわれた
西武ライオンズ取締役オーナーの後藤高志氏から、施工者代表として感謝状を受けとる鹿島建設の代表取締役社長 押味至一氏
「1年以上におよぶコロナ禍という未曾有の困難のなか事故も遅れもなく竣工式を迎えられたことに感謝する」とあいさつした西武ライオンズ取締役オーナー 後藤高志氏
来賓代表として所沢市長の藤本正人氏のあいさつを代読した秘書担当理事の冨田一成氏
施工者代表あいさつは、鹿島・西武 特定建設工事共同企業体から鹿島建設 代表取締役社長 押味至一氏

 続いて新Lビジョンを背に、西武ライオンズ取締役オーナー 後藤高志氏と埼玉西武ライオンズ監督の辻発彦氏のフォトセッションが行なわれた。

 後藤氏は「この改修計画の目的は、ボールパーク化とチーム・育成の強化の2つ。ボールパーク化に関しては、さまざまなエンタテイメント性の高いものを具備したことで、年齢や性別を問わず、あらゆる世代の方々に野球の試合やコンサートなどのイベントを楽しんでもらえることと思う。

 またチーム・育成の強化については、刷新したライオンズ トレーニングセンターやCAR3219フィールドなどが、特に若手プレイヤーの育成・強化にその力を発揮してくれると確信している」と述べ、「西武ライオンズは3月26日にここで開幕戦をむかえるが、辻監督のもとで、今年はリーグ制覇、そして2008年以来の日本一を目指して大いに戦ってくれると期待している」と豊富を語った。

 辻監督は、「アメリカン・エキスプレス プレミアムラウンジを今日初めて訪れてみたが、ゆったりとした空間で野球を楽しめる大変素晴らしいラウンジ。ぜひ多くの方々に足を運んでもらいたい」と、改修を終えたメットライフドームを称賛。そして「今、後ろには球団旗が掲げられているが、その横にチャンピオンフラッグがない。これが唯一失われたものだと思っている。これを2021シーズンに奪還して、日本一という大きな目標に向かって戦っていきたいと思う」とあいさつを締めくくった。

「ここメットライフドームが国民の皆さんに希望、元気、勇気を与え、大きなパワーになっていければ」と後藤氏
「2軍の設備も整い、球場のまわりには子供たちが喜ぶアトラクション的なものができ大変うれしく思う」と話した辻監督
パネルを持って笑顔のフォトセッション